(株)メルカリが運営するメルカリ総合研究所が3日公表した「引っ越し実態調査」によると、
不要品を捨てることによる機会損失額は1世帯あたり推計約15.5万円。平均引っ越し料金約19万円の8割に相当することなどが分かった。過去3年に引っ越しを経験した親子3人世帯の20~40代、男女1036人に聞いた。フリマアプリ利用者は312人、非利用者が724人。
引越の後悔1位は「不用品処分」
春は引っ越しの季節。(公社)全日本トラック協会によると、今年の引っ越し繁忙期は20日から4月5日にかけてがピークという。メルカリ総研は、この時期を捉え、引っ越しの際の不要品の状況と二次流通における価値について調べ、「まだ使えるが、要らなくなったモノ」の二次流通市場における価値を、「引っ越しにおける機会損失」として算出した。
それによると、「やっておけばよかったと思うこと」のTOP5は、1位が「不要品処分で荷物を減らす」(33.1%)、2位が「早めの梱包・荷造り」(29.8%)、3位は「計画的な家の掃除」(29.3%)、4位は「粗大ゴミを早めに処分する準備」(28.6%)、5位が「業者への値引き交渉」(18.8%)だった。
アパレル類が「捨てる不用品」No,1
また、「捨てられてしまう不要品カテゴリー」のTOP5は、1位が「アパレル(トップス・ボトムスなど)」(54.5%)で、2位は「アパレル雑貨(靴・帽子など)」(49.4%)、3位が「ラグ/カーペット/マット」(43.7%)、4位が「カーテン/ブラインド」(42.8%)、5位が「アパレル(ジャケット・アウターなど」(42.0%)となった。
アウター処分で4万円の機会損失!?
引っ越し経験者が処分した「機会損失額が高い不要品」のTOP5は、「アパレル(ジャケット・アウターなど)」が1位。以下、「アパレル(トップス・ボトムスなど)」「アパレル雑貨(靴・帽子など)「本/CD/ゲーム」「キッチングッズ/食器」と続いた。
捨てた不要品について、カテゴリー別に捨てた数量を聞いて平均処分数を算出し、「メルカリ」のカテゴリー別平均取引価格と掛けあわせて、「引っ越しで不要品を捨てることによるカテゴリー別機会損失額」を算出すると、最も平均機会損失額が高いのは「アパレル(ジャケット・アウターなど)/処分した人435人、平均処分数約5着」で、4万4757円となった。
カテゴリー別に捨てた数量を聞き、何かしらを捨てたと回答した944人(世帯)の1人(1世帯)当たりの平均処分数量を算出し、「メルカリ」での平均取引価格と平均処分数を掛け合わせると、1世帯あたりの平均機会損失額は、推計で15万5010円となった。
(株)リクルート住まいカンパニーが運営するSUUMOの「引越し料金シミュレーション」によると、3人家族で、移動距離500km未満、繁忙期(2~4月)の平均引っ越し料金は19万3537円。1世帯あたりの平均機会損失額は、平均引っ越し費用の80.1%に相当することが判明した。
引越の不用品売却額はフリマプリがトップ
引っ越しの際に不要品を売却したと回答した人に、売却方法別にどの程度の利益があったかを質問したところ、平均利益額が最も高かったのは「フリマアプリ」で9787円だった。そのほかは、「オークションサイト」で8418円、「リサイクルショップ」で3623円、「友人・知人への直接販売」で3043円だったことも分かった。
「粗大ごみの処分には費用がかかり、機会損失額はさらに膨らむ。優先して、フリマアプリなどを活用して売れれば、引っ越し費用の負担軽減にもなる」「新型肺炎で消費活動が抑制されているいま、企業活動にも制約が生じ、春闘は厳しい状況になる可能性が高い。家計収入が増えにくい中では、廃棄する不要品を資産として捉え直すことは有意義なことと言える」。調査の監修にあたった久我尚子・ニッセイ基礎研究所主任研究員のコメントだ。
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