総合マーケティングビジネスの(株)富士経済がこのほどまとめた「機能志向食品(サプリメント)の国内市場調査」によると、2000年の市場は18年比0.2%増の9247億円。注目市場の生活習慣予防の分野は、同10.7%増の1144億円と予測。構成比の高い中性脂肪値・コレステロール値改善や、伸びが大きい血糖値改善などがけん引している。
酵素商品が苦戦、中国インバウンド需要の縮小
19年の市場は、プロテイン商品の伸びが続くスポーツサポートや、機能性表示食品の活性化で需要が増加している生活習慣病予防など好調な分野がある一方、景品表示法違反に起因した酵素商品のマイナスやフルーツ青汁の落ち込みにより、大幅に縮小しているダイエット、中国EC法施行以降のインバウンド需要が縮小して減っているグリーンチャージなど、18年を下回る品目もみられ、同年とほぼ同じ9224億円が見込まれる。
20年は、引き続きスポーツサポートや生活習慣病予防などの伸びが期待されるほか、規模の大きいマルチバランスや骨・関節・筋肉サポートなども堅調さを維持するとみられ、微増の9247億円(前年比0.2%)と予測。中でも、機能性表示食品が、骨・関節・筋肉サポートや生活習慣病予防、ダイエットを中心に、大型ブランドの続伸や新商品の投入などで好調。また、尿酸値対策など、新たな機能訴求の広がりも期待されており、機能性表示食品の伸びが今後も市場拡大をけん引すると予想される。
シリーズサプリメントが堅調
シリーズサプリメントの19年の市場は、ダイエットや美容効果などが前年を下回ったものの、生活習慣病予防やマルチバランスの上位商品の好調が市場をけん引し、18年比2.3%増の1382億円が見込まれ、20年以降も堅調な伸びが予想される。
注目市場である生活習慣病予防は、健康診断でのコレステロール値や血糖値異常への注意喚起や、参入メーカーによる積極的なプロモーションが展開されていることから、早期予防目的のセルフメディケーションの需要が増えている。
機能性表示食品が市場をけん引
機能性表示食品の制度施行以降、具体的な機能訴求と商品数の増加によって新規顧客の開拓も進んでいる。19年は4つの機能訴求を有する商品や尿酸値対策商品が発売されるなどヘルスクレームの広がりがみられ、今後も市場拡大をけん引すると予想される。
ただし、商品によっては発売から数年で需要が一巡するなど魅力度や訴求力の低下が早いケースもみられ、参入メーカーにとっては継続的なプロモーション展開や短いスパンでの商品投入、リニューアルの必要性が負担となっている場合もある。特定保健用食品は、類似のヘルスクレームの機能性表示食品との競合もみられ、苦戦が続いている。
中性脂肪値・コレステロール値改善は好調
中性脂肪値・コレステロール値改善は、DHA・EPAが引き続き、堅調。19年は上位メーカーを中心にテレビCMなどの積極的なプロモーション展開などにより好調であるため、18年比6.8%増の501億円が見込まれる。
血糖値改善は、上位メーカーの積極的なプロモーション展開で、消費者の血糖値対策への意識向上が進んだことから、16年以降好調を推移。19年はリニューアルした上位商品をはじめ、機能性表示食品に加えて、特定保健用食品でも好調な商品がみられる。
認知機能サポート商品は伸長率が鈍化も
認知機能サポートは、DHA・EPAなどオメガ3脂肪酸や、イチョウ葉を主成分とする商品が中心。機能性表示食品制度の開始以来、イチョウ葉を中心に「記憶力の維持」などを訴求した多数の商品が投入されたことで15~17年にかけては二桁の伸長が続いた。18年以降、伸長率は落ち着いてきているものの、新商品の投入や高齢者人口の増加なにより、今後も堅調な伸びが予想される。
高血圧予防は、一部商品の終売などの影響で一時縮小していたが、18年以降は上位商品の伸びや、各メーカーが積極的に投入する機能性表示食品が堅調なため、拡大している。
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