「北の快適工房」を運営する(株)北の達人コーポレーションが14日発表した2020年2月期(19年3月~20年2月)決算は、売上高が前年比21.4%増の100億9300万円、営業利益は同56.6%増の29億1900万円、純利益は同52.73%増の19億7400万円となった。
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売上・利益ともに過去最高を更新
売上高をはじめ、各段階利益ともに過去最高を記録。同社が12年5月に札幌証券取引所アンビシャス市場へ新規上場した際に掲げた「高い利益率を維持したままでの売上高100億円」という目標を達成した。
ただ、業績予想値との比較では、売上高の達成率は92.3%。未達要因として、「ヒアロディープパッチ」の生産キャパシティ不足による発送遅延を挙げ、さらに今期後半に新規獲得件数が伸び悩んだとして4つの原因を示した。(1)定期的なクリエイティブのブラッシュアップ不足(2)消費税増税と新型コロナウイルス感染拡大による消費マインドの冷え込み(3)新商品のリリース数が下回った(4)広告投資の拡大による新規獲得の機会損失が生じた。
広告投資を大幅に削減
商品開発については、新商品のリリースが3商品に留まった。一方で、新規獲得のための広告投資が抑えられたため、広告宣伝費は 27億4800万円と当初計画を大幅に下回り、営業利益が当初予想を上回る主要因となった。
「刺す化粧品シリーズ」は、19年7月に「ミケンディープパッチ」を発売。発売時点での先行予約数が2万個を突破した上、発売初月の売上高が過去最高記録を更新した。 同年9月には、「刺す化粧品シリーズ」の第3弾として、ヒアルロン酸などの美容成分を凝縮した針を額の溝に直接刺すことで、美容成分を角質層まで直接届け、ハリとツヤのある肌へと導く額専用のエイジングケア化粧品 『オデコディープパッチ』を発売。 さらに、事業年度後の20年3月に、第4弾として頬の毛穴専用の化粧品『チークポアパッチ』を発売した。
台湾越境ECが好調、他の国にも展開へ
海外事業については、台湾支社の業績拡大のため、台湾出身の専任担当者を複数名配置し、国内事業で得たウェブ広告のノウハウを台湾での広告配信に活用したことで、Yahoo!やGoogleの広告を中心に成果を上げた。さらに19年12月には、取り扱う商品数を増加させたことで着実に売上を拡大し、今期の売上高100億円の達成に貢献した。
台湾の黒字化を受け、さらなる海外展開を意識している。「他国への水平展開」を行いやすいインターネット販売に特化。GoogleやYahoo!、Facebook、Twitter、Criteo、Amazonなど海外展開しているプラットフォーム上での販売戦略を推進中だ。
札幌・東京の2本社体制に移行へ
札幌市に本社を置く同社は19年4月、新たに東京都中央区に東京支社を開設した。2月に増床しており、数年以内をめどに、札幌と東京の2本社制に移行することを明らかにした。
21年2月期の業績予想は、売上高を82億2700万円(前年比18.5%減)、営業利益を20億600万円(同31.2%減)、純利益を13億5700万円(同31.2%減)と、減収減益を見込んだ。今期に生じた「クリエイティブ部門の強化」「商品開発部門の強化」などの足元の課題解決とともに、長期的な成長を見据えた組織体制の整備期間という位置づけにするとした。
新型コロナウイルス感染症による業績見通しへの影響については、消費マインドの冷え込みで 新規獲得件数が現状で2割程度落ち込んでおり、こうした影響は今後も続くと見込み、終息時期によっては変動する可能性があるとしている。
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