5月も、はや中旬。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛と営業自粛の影響で、街中の消費活動は停滞し、顧客コミュニケーションも制限されたまま。そんな中、実店舗のテイクアウトの試みやECの立ち上げなど、生き残りを模索する事業者への支援策として、スピードと資金面に最大限配慮したEC事業者の「非常時対応」が続いている。
LINEでテイクアウト注文の『スマートオーダーおうちメシ』を無料提供
チャットボット開発ツールを手がけるhachidori(株)は12日、テイクアウト情報サイト『スマートオーダーおうちメシ』の運用をスタートした。併せて、飲食店向けのテイクアウト用LINEオーダーシステムの無償提供も開始。コロナ禍で影響を受けている飲食店向けサポートだ。
『スマートオーダーおうちメシ』では、飲食店が店情報やメニューをサイトに掲載するだけでテイクアウト商品の注文を受けることができる。また、サイトで周知をする以外に、自店舗専用のURLを発行・シェアして注文を受けることも可能だ。注文者はLINEチャットボットを使って簡単にテイクアウト商品を注文する。飲食店・注文者ともにシステム利用料は無料だ。
LINE活用でテイクアウト開始の周知や対応コストを削減
飲食店は、『スマートオーダーおうちメシ』へアクセスして会員登録。その後、店の基本情報を入力し、テイクアウト可能なメニューの画像をアップする。注文が入るとメールが届き、記載されている注文者の電話番号に「注文を受け付けました」など、受付完了のSMSを送信。商品を用意し、指定時間になったら商品を渡して代金を受け取る仕組みだ。
hachidoriによると、飲食店は営業時間外でも注文を受け付けられるほか、電話やDMなどの問い合わせ対応コストを減らすことができる。また、テイクアウトの実施を周知することも可能なため、役に立てると考えているという。
また注文者は、『スマートオーダーおうちメシ』にアクセスし、テイクアウトを利用したい飲食店を選ぶ。その後、LINE経由で注文メニューや配達先などの必要情報を入力する。飲食店からの確認SMSを受信して注文が完了したら、指定した受け取り時間に店に行き、商品受け取りと代金の支払いを行う。
Eストアーが50%オフの「EC立ち上げ支援キャンペーン」
ECサイト構築・ネット通販総合支援の(株)Eストアーは同日、『ECサイト立ち上げ支援キャンペーン』の開始を発表した。初期制作費用を半額にするとともに、12か月の分割払いで立ち上げを支援する。
いま、飲食店や飲食メーカー、卸売をはじめ、ファッション、アクセサリーなどの路面店や商業施設への出店、そのブランドの多くから、「自社ECサイ」トの早急な立ち上げの相談や、ネット集客広告の強化の問い合わせが激増しているという。
一方、国や行政の自粛要請は、経営の困窮に加え、さらなる資金課題も含まれていることから、ECサイト運営の初期費用の投資を抑えたいという多くの企業の声を反映し、立ち上げが早くでき、支払いを後払い案分にできるキャンペーンを行うことにした。
期間は31日まで。通常の半額でECサイトを制作できる(平均的ボリュームゾーンは50万~200万円)ほか、サイト制作費用の支払いは12か月の分割払いとする。条件は、自社サイトのためのショッピングカート「ショップサーブ」の契約(契約期間は1年間)としている。
フラクタがLINEでEC立ち上げの無料相談
ブランディングとECによりブランドを支援する(株)フラクタは11日、新型コロナウィルスの影響による実店舗の休業要請対策として、EC立ち上げが急増するなか、LINEでの無料相談を開始すると発表した。同時に、物撮りやインスタライブなどで使用できるスタジオの無料貸し出しも実施する。
外出自粛や休業要請などの影響で、実店舗やブランドはそれらを補完するために自社ECを中心としたオンライン販売を急ピッチで進めている。しかし、急速なEC立ち上げに必要な情報を効率的に入手することや、実施にあたる疑問点などを一緒に解消してくれるパートナーを見つけることが難しい現状もある。同社では、こうした状況を解決するため、「無料相談」の窓口を設置。気軽でスピーディーな相談ができるよう、新たにLINEを開設して対応する。
「ECを始めるにあたって必要なものが分からない」「すぐにでもECを立ち上げたいが、どのプラットフォームがいいの分からない」「自社の想いやストーリーを伝えられるECをつくりたい」「自社ブランドらしさが表現できるECをつくりたい」「Shopifyでつくりたいが、最適なパートナーを紹介して欲しい」――。すでに、こんな相談例があるという。
また現在、ECへの送客チャネルとしてLINEライブやインスタライブを利用するブランドが急増している。自社ブランドのライブをいかに顧客に観てもらうか、商品を買いたいと思ってもらえるかが鍵となるため、同社は、実店舗が利用できず、配信場所が限られ、自由な表現が難しいブランドへのサポートとして、同社のスタジオを無料開放することにした。
利用対象ブランドは、アパレル・ファッション雑貨・アクセサリー・食品など。スタジオ貸し出し可能備品は、マイクや・照明などのほか、テーブル、ハンガーラック、通信設備が含まれる。
■『スマートオーダーおうちメシ』
■『ECサイト立ち上げ支援キャンペーン』
■ フラクタ問い合わせ先
LINE:@fracta_inc
■スタジオ利用問い合わせ
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