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2025.04.15 通販支援

ヤッホーブルーイング、ビール事業の原点はEC…サイトリニューアルで飛躍的に改善できた理由とは?

クラフトビールを製造販売するヤッホーブルーイングは、ビアレストランの展開、ファンの集い、コンテンツ発信など多様な取り組みを展開しているが、それらのルーツとなっているのがEC事業という。同社のEC事業が飛躍的に進化したきっかけは、3年前のサイトリニューアルだった。どのようなツールを導入し、どのように運用してきたのだろうか。同社の担当者に話を聞いた。



地ビールブーム衰退でECに活路

――貴社にとってEC事業はどのような位置づけでしょうか?


大友直也氏(以下、大友):    大友直也氏(以下、大友):かつての地ビールブーム衰退後の2004年頃に、当社の社長が、どうにかして売上を作れないかと試行錯誤する中で見いだしたのがECでした。

その際にはじめは楽天市場で、試行錯誤を重ねてきました。そうした経緯から歴史も長く、一般的な飲料メーカーと比べると、ECが占める売上構成比は大きいと思います。現在はコンビニなどへの配荷も進んでいますが、依然としてECも一定のシェアを持っています。


ECを通じて、お客さんと接点を持つ中で、お客さんのリアルな声や様子が届くようになり、「どうやったらよりお客さんに楽しんでもらえるか」というイメージを膨らませられるようになりました。その実感をもとにして、リアルイベントの開催をするようになり、「超宴」という大規模の野外イベントへと発展してきました。さらに、当社の公式ビアレストラン「YONA YONA BEER WORKS」を都内に展開することにもつながりました。これらの取り組みの原点としてECがあり、今も大切にしています。


――貴社はファンづくりに注力していますね。どのくらいファンがいるのですか?


大友:ひと口にファンと言っても捉え方はさまざまで、その規模を数値化することには難しさがありますね。

ひとつの方法として、SNSのフォロワー数やメルマガの会員数などをベースに考えることはできますが、これも当社では最近扱い方を変えてきています。たとえばXやInstagramのフォロワー数が多くても、必ずしもリーチしているとは限りませんし、メルマガも単に会員数が増えればいいのかというと、多くの方が開封しているとは限りません。

そこで、SNSについてはフォロワー数の増加よりも、配信ごとのエンゲージメント率などの指標を重視し、メルマガについても、どのくらい開封されているのかなど、実態に即した指標を見ようとしています。なので、直接の回答にはならないかもしれませんが、ひとつひとつの発信をより多くのお客さんに受け取ってもらえるようになっていった先に、ファンが増えていることを実感できるのではないかと考えています。



3年前にサイトリニューアル

――ecbeingと3年前に行ったサイトリニューアルからこれまでの間、貴社では販売サイトをどのように運用してきましたか?


大友:やはり定期便をどう変えていくのかが、重要なテーマでした。リニューアル前と比べると、まるで全く違うサービスであるかのように変わってきました。


当時は年間契約しかなく、契約すると別のサイトでログインし、そこでビールを選んでもらうなど、ややこしい仕組みでした。しかし、リニューアルによって、自由にカスタマイズして仕組みが作れる環境に変わりました。


サービス形態もガラッと変え、年間契約をやめて、月々の契約にしました。ビールを選ぶ画面にもこだわり、作り直しました。また、バックオフィス面も改善され、データを自由に加工できるようになりました。


――リニューアル時にecbeingのCMS「SiteMiraiZ(サイトミライズ)」を導入しましたが、ファンマーケティングで行うコンテンツ作成などで、どのような効果が得られていますか?


大友:CMSについては、リニューアル前はフリーのWordPressを使っていました。例えば、FAQの編集は難易度が高かったのですが、リニューアル後は簡易的に編集することができ、対応できる担当者も増え、とても管理がしやすくなりました。また、ecbeingさんが見てくれているという点で、セキュリティ面の安心度が増したと実感しています。


CMSの導入後にはサイトのデザインをリニューアルし、見せ方をガラッと変えました。ブランド価値を伝えられるページを作って、それを導線で出していくという形です。かつてはECが主体でしたが、リニューアルを経て、ブランドページでもあり、コンテンツが主体でありながらECもあるよ、という位置づけに変わってきたと思います。


予約プロセスが大幅に改善

――予約システム「RESOMO(リソモ)」の活用状況はいかがですか?


荻野直人氏(以下、荻野):「RESOMO」については、醸造所 見学の予約や 、公式ビアレストラン「YONA YONA BEER WORKS」で行うイベントの予約に活用したりしています。さらに2025年からは、年に1回、北軽井沢で開催する「超宴」という1000人規模のイベントでも、抽選予約や先行販売予約などに活用しています。


イベントへの参加は、当社の商品を好きになってもらうきっかけのひとつとなりますが、従来のように外部サービスで予約を受け付けていた場合、お客さんが来てくださっても、それっきりになってしまいます。連絡先もわからず、継続的なお付き合いが分断されるという感覚をずっと持っていました。


そこが長年の課題だったわけですが、リニューアルで「RESOMO」を導入し、ECカートシステムとデータベースが共有されることで、普段ECで買い物をするお客さんがイベントにも来てくれたことが、データとしてつながりました。コミュニケーションを取る基盤が拡充したという点が、大きなメリットと感じています。


これに加えて、業務プロセスの改善が大幅に進みました。従来の外部サービスだと、チケット抽選販売の後に「決済」を別に行っていただく必要がありました。例えば100人が当選しても90人ぐらいしか決済手続きを完了してもらえなかった場合に、残り10人に電話等で連絡を取る必要がありました。とても大変だったのですが、「RESOMO」に変更し、予約確定時点で与信を取るというプロセスになったことから、当選すればシステム側で自動に決済できる状況になりました。当社の決済にかかる手間が減り、お客さんにとっても、スムーズに一気通貫で予約プロセスが完了することは大きなメリットだと感じています。





――リニューアルによって、レビュー投稿促進ツール「ReviCo(レビコ)」も導入しましたが、こちらの活用状況はいかがですか?


桂馬拓也氏(以下、桂馬):お客様の声として、レビューも、問い合わせも、メルマガの返信も、とても大事だと考えています。アンケートやレビューは、我々の取り組みとお客様のニーズ・気持ちの乖離が一番早く出てくるものなので、アンテナを立てていきたいなと思っています。


レビューは1日に1、2件くらい。年末年始に集中し、年明けに出勤すると、かなりの量が寄せられているという状況です。お客様の声をもとに、当社のサービスをチューニングし続けていく活動がとても大事です。レビューもそうした視点で、1件1件に対して返信することが大切となります。


レビューを通してお客様との関係をより良くし、お客さんを理解することに重きを置いています。


ECを通じたファンづくり


――コンテンツ、イベント、ECなど複合的に手掛けていますが、その相乗効果は生まれていますか?


桂馬:短期的に見た場合、イベントの参加者がECでどのくらい買ってくれているかなどを集計できたり、イベント参加者にECの案内ができるようになったりすることが、相乗効果として考えられます。


一方、長い目で見た場合は、どういう接点、どういう顧客対応、どういうコミュニケーションならば、お客さんの「ぞっこん度」(同社の社内用語で、同社に対するユーザーの愛着の度合いを示す指標)が上昇するかどうか。


当社の接点がお客さんにどう影響し、その結果、お客さんの「ぞっこん度」がどう変わっていったのかが追えるようになれば、当社のビールをより好きになっていただくことが可能になります。そのために、各システムをつなげることが重要です。



――今後の戦略や計画をお聞かせください。


桂馬:当社のビールは店頭でパッケージが個性的ということで手に取られる方が多く、リピートされる中で通販に来ていただくという流れが多いです。


店頭と異なり通販では棚に制限がないので、限定性が高い製品をご案内することもできます。また、ビールをお届けするだけでなく、同梱物やメールマガジンで情報をお届けすることも可能になります。その中で、醸造所見学ツアーなど他の施策を知っていただければ、次の体験につながっていくと考えています。


どのようにして好きになっていただけるのか、どのようにして次のステップに興味を持っていただけるのかが大事で、そのために商品を売ったり、メルマガを考えたり、さまざまな取り組みを進めていきたいですね。


荻野:将来的な展望としては、例えば、特定のイベントに参加していただいた方だけに、特定のグッズやビールを販売するという取り組みができないかと考えています。また、カスタマイズで抽選機能を入れさせていただいていますが、せっかく応募してくれたのに落選してしまった方に対し、何か差し上げることができれば、もっと良いコミュニケーションを築けるのかなと。そうした特別なコミュニケーションのきっかけになる仕掛けも考えていきたいですね。


――ありがとうございました。





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