家電販売の「dyson」や家具販売の「LOWYA」などの偽サイトに誘導された詐欺被害が相次いでいると、消費者庁が注意を呼びかけている。先に、国民生活センターも同様の注意喚起をしているが、公式サイトから商品の画像や文章を盗用しているとみられ、一見しただけでは偽サイトと気づくのは困難だという。
各地の消費者センターに偽サイトのトラブル相談が殺到
各地の消費生活センターには夏以降、家電製品や家具、生活雑貨などのECサイトで商品を注文して代金を支払ったものの、商品が届かないなどの相談が多く寄せられている。消費者庁が調査したところ、実在のECサイトをかたった偽サイトの運営事業者が、消費者の利益を不当に害する恐れがある行為(消費者を欺く行為、債務履行拒否)をしていることを確認した。消費者安全法に基づき、偽のURLを公表して注意を促している。
消費者庁が確認した偽のECサイトは、「dyson」「LOWYA」と「特価用品専門店」と称するサイト。「偽dysonサイト」と「偽LOWYAサイト」は、いずれも30前後確認されている。公式サイトのレイアウトを模倣、大幅に値引きした格安の値段がついており、注文すると多くの場合、外国から注文品とは関係のないマフラーなどが送られてくるという。
偽dysonと偽LOWYAの運営者は同一?
「偽dysonサイト」はいずれも「dyson」の屋号を使い、画像や構成などを盗用。「会社概要」のページでは会社名や所在地、代表取締役名などをそのまま記載するなど、なりすまして公式サイトを装っている。問い合わせメールアドレスは「偽LOWYAサイト」と同一で、両サイトの運営者は同一の可能性があるとしている。
「偽LOWYAサイト」は、(株)ベガコーポレーションが運営する公式サイトをかたったECサイトで、「LOWYA」の屋号を用いている。見分けがつかない要素は「偽dysonサイト」と同様だが、
「偽LOWYAサイト」には実際の運営者の手がかりとなる情報がなく、実態は不明だという。
「特価用専門店」のサイトは、実在のECサイトをかたったものではなく、独自に「特価用専門店」の屋号を用いて、衣料品や家電製品、化粧品、生活雑貨などを通信販売しているかのように装った偽のサイト。他のサイトから商品画像や文章を盗用しているとみられる。
消費者庁によると、偽サイトへの誘導は、消費者が検索サイトで商品の種類や型番などを検索した際、各偽サイトへのリンクが検索結果に表示されることがある。その検索結果はリスティング広告とみられ、商品を大幅に値引きして販売している旨などが表示されている。
消費者は、目当ての商品が安売りされていると思って、そのリンクをクリックして偽サイトにアクセスする。また、SNSの広告メッセージが送信されてきて、そのメッセージ内のリンクをクリックしてアクセスする事例も見られるという
偽サイトは本物の商品と比較して格安の販売価格を表示
偽サイトの価格表示は、「偽dysonサイト」と「偽LOWYAサイト」では、割引前の価格と販売価格が併記され、大幅に割引販売しているかのように表示されている。「特価用品専門店サイト」では、割引前の価格と販売価格の併記か、販売価格のみの表示があり、いずれも他のECサイトでの販売価格と比べて格安となっている。
同庁は、「公式サイトや他のECサイトに比べて格安の販売価格を表示し、消費者を誘い込むという手口は偽サイトの典型的な手口」とし、そのサイトに不審な点(公式サイトであるかのように装っているが、URLが公式サイトと異なるなど)がないかをしっかりと確認する――。
代金の振込先口座の名義が、サイト上で表示される事業者名や運営責任者名などと異なっていた場合は偽サイトの可能性が高く、安易に振り込まないように。振り込んでしまったことに気付いたときは、すぐに振込先の金融機関や消費者ホットライン(188)に相談する――。
同庁はこれらの注意点を強調しているが、さらに子細に比べると、偽サイトは公式サイトよりも構造が簡素であるほか、サイト内のリンクの一部が適切に機能していない、「ご利用規約」のページに公式サイト運営会社とは異なる会社名が記載されているなどの不自然な点もみられるという。また、注文確認メールの内容に不自然な日本語表記がみられる場合もあるので、おかしいと思ったら、すぐに消費者ホットライン(188)への相談を促している。
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