(株)ワコールホールディングスがこのほど発表した2021年3月期第3四半期(20年4~12月)連結決算は、売上高が前年同期比20.2%減の1149億100万円、営業利益が同59.6%減の39億5600万円、純利益が同54.9%減の49億7200万円となった。
経費削減や助成金の活用で純3Qは増益
売上高は、感染症の拡大に端を発した外出自粛や店舗休業、その後の来店客数の減少が影響した。一方、10~12月の売上高は417億5000万円(前年同期比2.0%減)で、感染症の拡大影響が残るものの、ピーチ・ジョン事業および前期に買収したIntimates Online, Inc.(IO社)の成長などにより、大きく持ち直した。
営業利益は大幅な減収となったものの、経費削減や雇用調整助成金など各国政府の支援策の活用が寄与し、39億.6000万円の黒字(前年同期比59.6%減)。第3四半期間の営業利益は、売上利益率の改善(1.0 ポイント増)に加え、継続して経費削減に努めたことから26億.8000万円(同775.8%増)と大幅な増益となった。
純3Qの主要各社EC売上高は27%増
実店舗のマイナスをカバーしたのが、強化しているEC事業。ワコール国内は自社ECが前年同期比56%増と好調で、海外も米国のEC成長が牽引。ピーチ・ジョンも自社ECが高い成長を維持した。第3四半期間の主要各社EC事業売上高の合計は前年同期比27.2%増、構成比は26%となり、同5ポイント上昇した。
「ナイトアップブラ」引き続き好調
ワコール事業(国内)は、売上高が前年同期比19.2%減の669億.4000万円、営業利益は同149.7%増の21億円となった。売上高は上期の減収が響いているが、第3四半期は同3.2%増の259億円と回復の兆しも。営業利益は減収影響から減益となったが、経費削減などにより、30億1000万円の黒字(同57.7%減)。第3四半期は増収効果などで、同149.7%増の21億円となった。
構成比54.4%を占めるワコールの売上高は、前年同期比20.6%減の625億4600万円、営業利益は同88.2%減の5億8100万円となった。売上高は自社ECの高成長で同3%の増収。戦略的に強化している自社ECについては、巣ごもり需要の高まりを受け、睡眠時専用ブラジャー「ナイトアップブラ」などの商品が好調に推移。新規顧客の獲得や直営店会員のEC送客などの施策も売上拡大に寄与し、前年同期に比べ62.7%の増収となった。
海外事業は8000万円の赤字に
ワコール事業(海外)は、売上高が前年同期比21.7%減の298億5000万円、営業損益は、8000万円の営業損失(前年同期は26億3000万円の営業利益)となった。売上高は各国店舗の臨時休業に加え、円高による影響も。営業損益は減収影響に加え、前期に買収した「IO 社」の早期成長に向けて、戦略的なマーケティング投資の継続などによる。
ワコールインターナショナル(米国)の売上高は、前年同期比 8.0%減となったが、第3四半期は「IO社」が61.8%増となったほか、ECの伸長で4.5%の増収となり、同10.9%増となった。米国ワコールの自社ECは、同 57.1%の増収(第3四半期は45.6%増)と高成長を維持したほか、他社ECも堅調に推移。ECに関してはワコールヨーロッパ、中国ワコールとも計画を超え、堅調に推移している。
ピーチ・ジョンは10%増、ECは42%増
ピーチ・ジョン事業の売上高は自社ECを中心に高成長を維持し、前年同期比10.2%増の86億7000万円。国内の第3四半期の自社EC売上高は、新規顧客の大幅増から同42.6%増収となったほか、店舗事業も来店客の購買率の向上が寄与し、同6.0%の増収となった。営業利益は16億1000万円(前年同期の営業利益1億7000万円)と大幅な増益。増収効果に加え、自社EC売上の構成比の高まりなどが増益に寄与した。
2015年に傘下入りした、「Sain-ai Resort(旧・三愛水着楽園)」の屋号で水着や下着のEC販売などを手掛ける(株)Aiの売上高は13億7700万円だった。
▽参考記事
・水着ECサイトをレスポンシブ化でUI/UX改善!スマホ経由CVアップで売上2倍
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