GMOペパボ(株)が3日発表した2020年12月期(20年1~12月)連結決算は、売上高が前期比23.2%増の110億1400万円、営業利益が同18.3%増の9億2700万円、純利益は同52.9%増の8億2900万円となった。
コロナ禍のEC参入増で好調に
同社は、知名度と社会的信用力を高め、企業価値の向上を図ることを目的に20年12月11日、東京証券取引所市場第二部から東京証券取引所市場第一部銘柄に指定された。増収増益となった今期は売上高、営業利益とも過去最高業績を記録した。
新型コロナウィルス感染症拡大の影響で大規模オフラインイベント「minneのハンドメイドマーケッ ト」が中止になるなどしたが、オフラインからオンラインへの流れが加速。ネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」への申込みが増加するなど、ストックサービスの契約件数は堅調に推移した。外出自粛に伴う「巣ごもり需要」拡大後もEC利用は高い水準で推移し、「SUZURI」「minne」のようなフロー型ECサービスの流通額は好調に推移した。
EC関連事業の売上構成比が55.1%に
セグメント別では、創業以来、50%以上を割ったことがなかったホスティングの売上高構成比率が41.5%となり、EC市場の拡大に伴うEC関連サービス(37.0%)、およびハンドメイド(18.1%)の比率が55.1%に成長。主力事業の移行がうかがえた。
カラーミー・SUZURIは売上高62%増
EC支援事業には、月額制ネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」と、オリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI」などが属しており、売上高は40億6900万円(前年同期比61.5%増)、セグメント利益は12億1200万円(同38.2%増)となった。
「カラーミーショップ」は、緊急事態宣言以降にオンラインショップ開設の需要が拡大したが、第1四半期末までの減少が大きく、契約件数は4万1059件(前年同期比0.3%減)となった。
「SUZURI」は、継続的な新アイテムの追加やSNS内で影響力のあるクリエイターの誘致を行ったことや、夏に実施したTシャツセールなどのセールやキャンペーンなどが奏功し、会員数は70万人(同80.1%増)、流通額は24億円(同174.4%増)と大幅に増加した。
ハンドメイド事業セグメント利益は2.4倍
ハンドメイド事業には、国内最大のハンドメイドマーケットサービス「minne」が属しており、売上高は19億9000万円(前年同期比24.2%増)、セグメント利益は2億2600万円(同139.5%増)となった。 EC利用の堅調な推移に加え、各種クーポンやキャンペーン、TVCMなどの販促活動を行ったことに伴い、流通金額は149億円(同24.5%増)となった。
レンタルサーバーサービス「ロリポップ!」、ドメイン取得代行サービス「ムームードメイン」などのホスティング事業は、売上高が45億6700万円(前年同期比1.8%増)、セグメント利益 は13億6100万円(同0.3%減)となった。
21年12月期の通期業績見通しについては、売上高132億2300万円(前期比20.1%増)、営業利益は11億1400万円(同20.2%増)、純利益は7億9500万円(同4.2%減)を見込んだ。また、今後の成長戦略として、EC関連サービスの流通額の拡大を加速させ、年売上高20%以上の成長を継続。25年の営業利益は、20年の9億2700万円から2.7倍の25億円をめざすとした。
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