2022.03.15 コラム
アドテクとは?代表的なアドテクノロジー7つの特徴やメリットを解説
「アドテク」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。広告配信について調べていると度々目にする言葉ですが、広告に携わる人であればぜひ意味や活用方法を押さえておきましょう。本記事ではアドテクの活用方法やメリット、代表的なアドテクを7つ紹介します。
アドテク=アドテクノロジー
「アドテク」とは、アドテクノロジーの略称で、英語で「Advertising Technology(アドバタイジングテクノロジー)」と表記されます。意味はさまざまな考え方がありますが、「広告配信における技術」と覚えておくとよいでしょう。
近年では、このアドテクノロジーが多くの広告主に活用されており、広告媒体の最適化がスピーディに実現します。以前よりも広告配信の設定や分析に工数や時間を必要としなくなり、効率の良いマーケティング活動を行いやすくなりました。
また、広告配信におけるデータ管理や分析にアドテクノロジーを活用することで、結果的に「広告主」と「広告掲載メディア」の両方に利益をもたらします。この関係性をより強固なものにするために、アドテクノロジーは常にアップデートをくり返しているのです。
アドテクに関わる3つのカテゴリ
私たちが日々見ている広告には、広告主やメディアをはじめとした多くのサービスや人が関わっています。アドテクノロジーに関わるカテゴリの代表的なものとして「メディア」「ユーザー」「広告主」の3つのカテゴリを紹介します。
1.メディア
広告主にとっての広告掲載メディアは非常に多くの選択肢があるため、目的や予算に応じた適切なメディアを考えるための時間や判断材料が必要となります。アドテクノロジーを活用することで広告主側はメディアの選定に要する時間を削減することができ、最適な広告枠を見つけやすくなるといったメリットがあります。
掲載メディアは広告主から掲載量を支払ってもらうことで利益を上げますが、そのためには広告主とユーザーを効果的につなぎとめる必要があります。アドテクノロジーを活用することで、双方にメリットのある広告配信を提供することが可能です。
2.ユーザー
ここで説明するユーザーとは「広告を見た人」という意味になります。アドテクノロジーを有効活用するためには、ユーザーの分析が重要となります。
広告主とメディアの利益を最大化しつつ、サービスを探しているユーザーに適切な広告を届けることができることが理想といえます。ユーザーは求めている情報に関連している広告を表示してほしいと考えており、アドテクノロジーを活用することでユーザーにとってメリットのある広告配信の実現に近づくことができます。
3.広告主
広告主がアドテクノロジーを活用するメリットとして、よりサービスに利益が出やすい広告配信媒体に広告を表示させやすくなるといった点があげられます。予算配分や広告配信のスケジュールなどを決めやすくなるといった点も、広告主にとっては嬉しい仕組みです。
多くの広告主は、広告配信により高い費用対効果を求めます。そのためできるだけ少ない予算で大きな利益をあげるための手段として、アドテクノロジーを活用していきます。
アドテクの種類
さまざまな種類が存在するアドテクノロジーですが、その代表的な種類について紹介します。今回は7つのアドテクノロジーについて、特徴やメリットを紹介します。
◇DSP
DSPとは、「Demand-Side Platform (デマンド・サイド・プラットフォーム)」の略称です。広告主が最低限の設定や入稿を行うことでプラットフォーム上の広告枠に、適切なタイミングで広告を配信することができます。
広告主が設定する項目は、ターゲットや予算、広告クリエイティブ(バナーや動画)などです。DSPはそれらを可能な限り低い出稿金額で、広告主に最大の利益を還元できるよう広告配信を最適化できるよう管理、運用を行ってくれるという仕組みです。
広告主が手動で行っていた作業を自動化することができるため、広告主の手間を抑えることができるといったメリットがあります。
◇アドネットワーク
代表的なアドテクノロジーの一つにアドネットワークがあげられます。アドネットワークは複数の広告枠を一括で管理しているシステムです。広告媒体ごとに考えると、どの媒体に広告を配信するか迷ってしまいますが、複数の広告枠に一括で配信できるアドネットワークは非常にメリットのある機能といえます。
DSPと類似していますが、DSPが最適な広告枠に配信するためのプラットフォームとして機能するのに対し、アドネットワークは広告掲載枠をまとめているネットワークの位置づけとなります。
◇アドエクスチェンジ
アドエクスチェンジとは、複数のアドネットワークが管理している広告枠を売買する仕組みのことをいいます。
従来、媒体毎に広告枠への入札(オークション形式)を行ったり、広告バナーの入稿やサイズ設定したりといった作業が必要でした。アドエクスチェンジは、広告を配信する上で必要な設定や入札を一括で管理することができるため、人的工数やそれぞれの設定を考えるための時間を削減することができます。
◇DMP
DMPとは「Data Management Platform(データ・マネジメント・プラットフォーム)」の略称です。インターネット上のデータを一元管理、データの分析や抽出を行うことでき、マーケティング活動に必要な情報を提供する役割を持ちます。
Webを活用した施策はデータ管理や最適なデータの活かし方が課題となることが多くあります。DMPを活用することで、人の手でデータを管理する工数を省くことができ、施策の立案などに時間を使用することができるメリットがあります。
◇SSP
SSPは「Supply Side Platform(サプライ・サイド・プラットフォーム)」の略称です。SSPは、広告主が配信条件を指定することで、最も条件に沿った広告枠に配信してくれるアドテクノロジーです。広告主側にとっては最適なターゲティングを安価で行えるというメリットがあります。
また、SSPは「フロアプライス」という仕組みを搭載しています。フロアプライスとは入札額が低いために広告が掲載されなかったケースにおいて、別の純広告などの広告を表示させることでメディアの収益を確保します。
そのためメディア側へのメリットも多く、広告主とメディアのいずれのカテゴリでも活用することができます"
◇RTB
RTBとは「Real Time Bidding(リアルタイムビディング)」の略称です。RTBは、広告主とメディアの利害を一致させることができる仕組みとなっています。
具体的にはなるべく低い出稿金額で広告を表示させたい広告主がリアルタイムで希望のオークション額で取引できるよう最適化を行います。また、メディア側も広告オークションが活性化することにより、収益を最大化するメリットを得ることができます。
広告主はDSP、メディアはSSPでこのRTBの仕組みを使い広告枠の取引を行うことができます。
◇3rd Party Ad Serving
3rd Party Ad Servingは「第三者配信」といった意味を持ち、広告配信や効果測定などのデータを一元管理できるサーバーのことを指します。
広い意味では広告を掲載したいメディアとは別のアドサーバーという位置づけとなり、アドネットワークやDSPもこの3rd Party Ad Servingに含まれます。
複数の媒体に広告を掲載している場合、3rd Party Ad Servingを活用することでインプレッション等のデータをまとめることが可能です。
アドテク活用で費用対効果の高い広告配信
アドテクノロジーを活用することで広告主、メディア、またユーザーにとってメリットの大きい広告配信を実現することが期待できます。1つの広告取引に複数のアドテクノロジーを活用することができるため、本記事で説明したアドテクノロジーの関係性について押さえておくことが重要です。
またデータ分析やターゲティングを最適化してくれる点もアドテクノロジーの魅力と言えます。費用を抑えつつ効率の良い広告配信を行いたいという広告主は、アドテクノロジーを活用する可能性について考えてみるとよいでしょう。
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