AI与信管理サービスを提供するアラームボックス(株)が22日発表した『2022年上半期 インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種』のまとめによると、コロナ禍で急増した通販事業の配送オペレーションにクレームが集中していることが明らかになった。
1位の主な事業は通販、複数のネットショップが対象に
対象は7924社。SNSなどインターネット上で投稿された各企業に関連する口コミや評判から、悪評やクレームを抽出した。それによると、悪評・クレームの業種別ランキングは――。
1位「無店舗小売業」=1社あたりの平均悪評・クレーム数4.48件(前回は1位)/2位「その他の小売業」=3.57件(3位)/3位「化学工業」=1.87件(21位)/4位「各種商品卸売業」=1.85件(40位)/5位「各種商品小売業」=1.62件(19位)/6位「飲食料品小売業」=1.61件(15位)/7位「宿泊業」=1.55件(5位)/8位「その他の卸売業」=1.39件(27位)/9位 「織物・衣服・身の回り品小売業」=1.33件(11位)/10位「銀行業」=1.06件(7位)。
1位の主な事業は通販事業。昨年に引き続き、複数のネットショップ(楽天、Yahoo!ショッピング、Amazon、自社サイトなど)などが俎上に上っていた。梱包や配送についてのクレームが多く、「発送予定日を1週間過ぎても発送されない」「梱包が粗雑で商品が壊れていた」といった書き込みが多発。昨年の調査でクレーム数1位の企業が今年も1位になるなど、一時的なものではなく、恒常的なクレームが発生していることも分かった。
小売業・卸売業の事業者が運営する通販事業でも悪評・クレームが増加
また、小売業や卸売業が営む通販事業でも悪評・クレームが増加。特に、在庫管理や梱包、配送ミスに関する内容、購入時の写真と実際に届いた商品の違いに関する内容などが多かった。小売業や卸売業を本業とした企業が通販事業を展開する場合は、配送や在庫管理、インターネットマーケティングなど、通販事業独自のノウハウを得た上で取り組むことが、悪評・クレームの削減につながると考えられる。
2位の主な事業はじゅう器、医療品、化粧品、書籍、文房具、中古品などの小売店など。クレームが多かったのは、書籍やCDを販売する小売店の通販事業。3位の主な事業は化粧品メーカー、理容用品メーカー、製薬会社、油脂加工品製造会社など。通販事業のノウハウ不足により、ここでも配送や梱包といった製品とは関係の無いクレームが多く発生していた。
4位はBtoBで通販事業への取り組み拡大でクレームが増加も
4位の主な事業は多品目の商品を卸す商社。BtoBでの販売を主業態としてきた商社なども、通販事業への取り組み、消費者への直接販売を始めたことで、これまで一般の目に触れにくかった卸売業者に関する悪評・クレームがネット上に発生するようになった。5位の主な事業は百貨店や総合スーパーなど、衣食住にわたる各種商品を一括して販売する小売業。実店舗に対するクレームと通販事業に対する口コミが半数ずつという結果になった。
上半期の特徴の1つは「美容に関するレビューの増加」。コスメやスキンケア、シャンプーや育毛剤などの美容系商材に対する悪評・クレームが多かった。使用感に関する内容とともに、「定期購入の解約ができない」「勝手に定期購入に移行されていた」といったクレームも。
さらに、「ウィズコロナにおけるサービス業」。ウィズコロナならではの悪評・クレームがサービス業界で発生。宿泊業では、旅行需要回復の一方、「フロントで長時間待たされた」「部屋の清掃が十分でなかった」といったクレームが多く発生。銀行業では「窓口予約が10日以上先しかできない」といった窓口対応に関するクレームが目立っていた。
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