2023.03.11 コラム
【SKUとは】設定方法やメリット・デメリットや注意点を解説
SKUとは、在庫管理を行う際の最小管理単位を意味します。本記事では、SKUの概要から在庫管理にSKUが必要とされる理由、設定方法、メリット・デメリット、注意点について解説しています。SKUの導入を検討している事業者さまは、ぜひ参考にしてください。
Stock Keeping Unit(ストック・キーピング・ユニット)とは
Stock Keeping Unit(ストック・キーピング・ユニット)とは
Stock Keeping Unit(ストック・キーピング・ユニット)とは、発注や在庫管理を行う際の最小管理単位を意味する物流用語です。
具体的に、カラーが4種類存在するシャツで、サイズがS、M、L、XLとある場合、「4カラー×4サイズ=16SKU」となります。SKUはアパレル業界だけでなく、飲食業界や化粧品業界など幅広い業界で使用されています。
在庫管理においてSKUが必要とされる理由
在庫管理においてSKUが必要とされる理由は、サイズやカラーなど商品の種類ごとに売り上げを把握するためです。シャツを例にすると、赤や青、白、黒といったカラーがあるのと同時にSサイズやM、Lといったサイズ展開もあります。もしも、シャツがSKUごとに管理されていなかった場合、どのカラーのどのサイズが売れているのか正確に把握できません。
SKUごとに在庫管理されていることで、商品の種類ごとに収益分を管理できます。また、SKUごとに在庫管理することで、在庫管理作業が楽になり、誤配送の防止にも繋がります。
SKUとアイテム単位の違い
商品管理の単位には、SKUの他に「アイテム単位」と呼ばれる単位が存在します。アイテム単位は、その名の通り商品をアイテムごとの単位に区切ったものです。
化粧品を例にすると以下がアイテム単位です。
・化粧水
・乳液
・リップ
・ファンデーション
・マスカラ
一方でSKUの場合は、同じ化粧水でも500ml、300ml、100mlと内容量に応じて分けられます。そのため、SKUとアイテム単位の違いは、1商品の中でサイズや種類まで細かく分類される場合はSKUで、サイズや種類まで分類しない場合は、アイテム単位ということになります。
SKUの設定方法
SKUの設定は、一般的にJANコードごとに設定していきます。JANコードとは、商品のパッケージについているバーコードのことで、商品を識別するために付けられます。
JANコードは、商品のサイズや種類ごとに1つのJANコードが付与されるため、JANコードごとにSKUを設定すれば問題ありません。ただし、SKUは自社で番号を割り振っていくため、番号が重複しないように注意しましょう。
迷ってしまいがちなSKUの設定
基本的にJANコードに基づいてSKUを付与していけば問題ありません。しかし、中にはSKUの設定を迷ってしまう場合もあるでしょう。そこで、迷いがちなSKUの設定事例を2点解説します。
単品とセット売りがある場合
内容量は同じ商品でも、単品とセット売りの両方で販売している商品があります。特に、飲料水などは、単品でも箱でも販売しているのが一般的です。このような商品は同じSKUにするか別々のSKUを付与するか判断に迷いが生じる人もいるかと思います。
この場合は、単品とセット売りそれぞれに異なるSKUを付与しましょう。同じSKUを付けてしまった場合、発注の際に単品で届くのか、セットで届くのか区別ができません。
商品のパッケージのみが異なる場合
内容量は同じ商品でも、パッケージのみが異なる商品もあります。特にお菓子などの季節限定パッケージがこれに該当します。この場合はできればSKUを分けない方が良いでしょう。もし、パッケージが変わるごとにSKUを分ける場合、SKUの付与が負担になります。
また期間限定が終了した際に、付与したSKUが使われなくなってしまいます。ただし、JANコードが分けられていた場合は、JANコードに合わせてSKUを分けるという選択肢を取るのも良いでしょう。
SKUのメリット
SKUを取り入れることで、以下4つのメリットが得られます。
・在庫管理が行いやすくなる
・扱える商品数を増やせる
・発注作業の効率化に繋がる
・陳列作業が楽になる
順番に解説していきます。
◎在庫管理が行いやすくなる
SKUで在庫を管理することで、商品の在庫状況をカラーやサイズ別に細かくリアルタイムに把握できるようになります。アイテム単位でも在庫管理は行えますが、カラーやサイズまでは把握できません。
また、SKUではサイズやカラー別に商品の仕入れが可能なため、在庫ロスを減らせるといったメリットもあります。取り扱っている商品数が少ない企業はアイテム単位で在庫管理を、商品数が多い企業はSKUで在庫管理を行うのを推奨します。
◎扱える商品数を増やせる
SKUを使用しなくても商品数を増やすことは可能です。しかし、取り扱う商品数が増えれば増えるほどに商品の管理は大変になり、誤配送や在庫無しでの注文が増える傾向にあります。
SKUで商品を管理すると、商品の注文を受けてから発送までのスピードを短縮できます。その結果、店舗やECサイトの商品数を増やしても、質の高いサービスをお客様に提供できます。
◎発注作業の効率化に繋がる
SKUの導入によって、発注作業が楽になります。特に、同じ商品でもカラーやサイズが豊富に存在するアパレル業界や化粧品業界にとって、SKUを導入するメリットは非常に大きいです。
SKUを導入していない場合、「白シャツのMサイズを4枚」を発注する場合、手入力で「白シャツ Mサイズ 4枚」と入力する必要があり、非効率です。また、入力ミスが起きる可能性もあります。
一方で、SKUを導入している場合、同じ「白シャツのMサイズを4枚」の注文でも、「白シャツ→WS、Mサイズ→M、4枚→4」とあらかじめSKUを設定しておけば、発注システムに「WSM4」と入力するだけで、商品の発注が完了します。
また、発注業務の効率化によって、従業員は接客や陳列など別の業務を遂行することができます。
◎陳列作業が楽になる
SKUで商品管理を行うことで、商品ごとのサイズやカラーを把握でき、どれだけの種類を売り場に陳列させるかが把握しやすくなります。具体例を挙げると、カラー3種類サイズ3種類のシャツとカラー2種類サイズ3種類のデニム、カラー2種類サイズ2種類のジャケットを店舗に陳列させるとします。
すると、SKUは、3×3+2×3+2×2=19SKUとなり、陳列にどれだけのスペースが必要となるかが把握しやすくなります。これが、アイテム単位での管理となるとシャツ、デニム、ジャケットといった情報しかわからないため、陳列に必要なスペースの把握が難しくなります。
商品の陳列は店舗面積が大きいほど大変なため、面積が大きい店舗ほどSKUの効果を実感しやすいでしょう。
SKUのデメリット
導入によって様々なメリットがあるSKUですが、以下のようなデメリットも存在します。
・導入・運用コストがかかる
・管理作業になれるまで時間がかかる
順番に解説していきます。
▲導入・運用コストがかかる
SKUを導入するためには、在庫管理システムやバーコードを読み取るためのバーコードリーダーなど専用機器が必要となります。そのため、導入には高額の初期コストがかかります。また、自社独自の在庫管理システムを構築する場合、定期的なメンテナンスが必要となり、専門のエンジニアが必要となります。
取り扱っている商品数が多い企業では、SKUを導入するメリットは大きいですが、取り扱っている商品数が少ない企業では、SKUを導入するメリットが少ないです。そのため、取扱商品数が少ない企業が無理をして導入する必要はないと考えられます。
▲管理作業になれるまで時間がかかる
SKUは、ただ単に導入すれば良いというわけではありません。SKUのメリットを得るためには、発注作業や商品の陳列作業、仕分け作業など様々なスキルが必要となります。また、従来の管理方法からSKUでの管理に慣れる時間も必要です。そのためには、社内教育やマニュアルの作成などに力を入れる必要があります。
SKUを設定する際の注意点
SKUを設定する際、注意点を押さえておかないと事故や効率悪化の原因になります。SKU設定の際に抑えておくべき注意点は、以下の4点です。
・SKUを重複させない
・大文字か小文字のどちらかに統一する
・桁数をそろえる
・先頭を0にしない
順番に解説します。
▽SKUを重複させない
SKUを設定する際に絶対にやってはいけないのが、SKUを重複させてしまうことです。SKUを重複させてしまうと、発注の際に意図したのと異なる商品が取り寄せられてしまう可能性があります。また、出荷作業にも影響を及ぼし、お客様が注文した商品と異なる商品が届けられる可能性もあります。
このように、SKUの重複が起きると物流網が混乱を起こします。そのため、SKUを設定する場合は、重複が発生しないか確認を怠らないようにしましょう。
▽大文字か小文字のどちらかに統一する
SKUは、大文字または小文字のいずれかに統一させるのが良いでしょう。大文字と小文字が混ざっているSKUは、混乱を起こしやすくなります。特に「SKUSYSTEMAB」と「SKUSYSTEMAb」などのSKUは、非常に混乱しやすいです。
認識のしやすさを上げるためにもSKUは大文字か小文字のどちらかに統一しましょう。
▽桁数をそろえる
SKUを設定する際は、桁数をそろえるのが良いでしょう。また、SKUは一般的にJANコードに基づいて設定するため、JANコードに合わせて13桁や8桁で設定するのがおすすめです。桁数が長すぎるとSKUを設定するのに手間がかかり、システムの読み込み時間も長くなります。
反対に、桁数が短すぎるとSKUの重複発生する可能性が高まります。そのため、JANコードで設定される13桁や8桁が丁度良い桁数でしょう。
▽先頭を0にしない
SKUの先頭に0を付けてしまうと、商品管理システムによっては、認識されない可能性があります。
また、「011SKUSYSTEMAB」と「11SKUSYSTEMAB」という2つのSKUがあった場合、同じSKUとして認識されてしまう可能性があり、SKUの重複を起こしてしまいます。そのため、SKUを設定する場合は、先頭に0を持ってこないようにしましょう。
まとめ
本記事ではSKUについて解説しました。
SKUの導入によって、発注や在庫管理作業は大幅に効率化します。取り扱っている商品数が多い企業は、ぜひSKUを導入してみてください。
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