2023.12.21 通販会社
1日で売上1億円も!Jフロンティア神戸COOに聞くTVショッピングほか多販路展開
D2C事業やメディカルケア領域のプラットフォーム「SOKUYAKU」などを展開するジェイフロンティア(株)は2023年、(株)QVCジャパンが展開するテレビショッピングにおいて「ライジング・スター・アワード」を受賞した。同アワードはQVCジャパンのショッピングチャンネルにおいて過去2年以内に大きく成長した商品を表彰するもの。その成功の背景には大手化粧品通販や大手健康食品通販を歴任し、テレビショッピングをはじめとする通販のクリエイティブノウハウをもつ神戸聡氏の存在があった。神戸氏は2022年4月1日付でジェイフロンティアの執行役員COO(Chief Operating Officer)に就任した。神戸COOにジョインの経緯やD2C企業が取り組むべき多販路展開について聞いた。
ワクワクしながら社会貢献できる事業会社
ーージェイフロンティアにジョインした経緯について聞きたい。
神戸聡COO(以下、神戸):次の世代に対して現世代が責任を取り貢献する使命があると考えており、より社会貢献度の高い仕事を手掛けることを考えていました。この世に生を受けた中でこれまでの恩返しをしたいということです。ジェイフロンティアは健康食品や化粧品のほか「SOKUYAKU」というオンライン診療・オンライン服薬指導・薬の宅配を一気通貫で行う医療分野のプラットフォームを持っており、大きな社会貢献につながる取り組みをしている企業です。自分自身が考える所と合致した企業であると思ったことからもジョインしました。また当社が扱う事業ドメインのなかにはヘルスケア分野を軸とした広告代理業が祖業としてあります。自分自身のこれまでの経験を生かせるかな、と思ったことも決め手の1つです。
ーージョインから約1年半が経過しているが所感は。
神戸:我々の事業は、健康に関するサイクルを全範囲でカバーしているユニークなビジネスモデルとなります。疾病期間にかかる事業として「SOKUYAKU」、未病・予防期間にかかる事業としてヘルスケア商品のD2C事業や広告代理業で対応しています。これを「SOKUYAKUヘルスケア経済圏」と呼んでいますが、このサイクルが健康寿命の伸長に貢献し、医療費の削減ひいては社会保障費の削減に貢献することを誠実に体現する企業だと感じています。もちろんすぐに大きな医療費削減につながらないかもしれませんが、現在の取り組みから事業としての大きな展望・展開が無限であるな、とも感じております。医療人材を紹介する「SOKUYAKUキャリア」事業をローンチしたり、自社D2Cブランドの「SOKUYAKUウェルネス」にてエイジングケア分野のスキンケア商品を23年9月にローンチもしています。また「SOKUYAKU」を単なるアプリケーションの提供だけではなく、WEBブラウザ対応も行っており、今後もD2Cのノウハウを落とし込んだ様々なサービスを開発していきます。広告代理業についてもキャスティングやエンブレム販売、WEB広告とサービスがどんどん広がっています。ワクワクするような事業領域拡大があり、とても遣り甲斐を感じます。
JFは「驚異的な生産性とスピード感」
ーーこれまでの経験則からみてジェイフロンティアの強みをどう捉えているか。
神戸:当社は単体でいうと社員数約70人と売上高に対して少数精鋭で構成している会社といえます。生産性の観点でいうとD2C企業でこれは極めてすごいことだと思います。また株式上場を果たしていますが、社内のベンチャースピリットの持ち方は目を見張るものがあり、驚くほど物事を行うスピード感が早いです。そうした生産性やスピード感の中で世の中の動向やニーズをしっかり捉えた事業展開を実現しているところが、当社の最大の強みだと思います。私自身、もともと当社に対して「ダイエット商材の会社」というイメージがありましたが、想像以上に世の中の健康に向き合っている会社なのだなと思います。
ーー数々の通販現場での経験をお持ちだが、販路拡大の重要性についてはどうか。
神戸:成長する通販の原体験というのは私が化粧品会社に在籍していた頃にさかのぼります。当時は通販から広がり、卸展開、百貨店での販売、そしてテレビショッピング・海外展開にまで広がりブランドが拡大していくというのを体現しました。ECでの広がりを見据えSNSを活用した企画も早めに手掛けました。その体験からお客さまにとってモノを買う場としてのチャネルの選択肢はたくさんあるべきだと考えるに至りました。どこで買うのが心地よいか、それはお客さま毎に違うものです。ECや通販専業ですとブランド認知が広まった時に、お客さまがそのブランドの商品が「どこで売っているのかわからない」ということがあったりもします。購買のニーズについても、普段は定期通販で買うが、商品を切らしてしまったのですぐに手に入る街のお店で買いたい、といったスポットのニーズもあります。販売員やコールセンターのオペレーターからカウンセリングを受けたい、ということもあります。お客さまは様々なチャネルで商品を購入されるものなのです。だからこそお客さまのトータルLTVを考えたとき、販路を複数持っていることが重要となります。
販路毎の得意不得意を理解し独自性を
ーー多販路の展開をドライブさせるコツはあるか。
神戸:販路はそれぞれに得意不得意があります。それを理解し、販路毎の独自性をもたせることが成功の第一歩となります。コールセンターであればオペレーターのトークスクリプトのブラッシュアップを常にしていく必要がありますし、WEBサイトでの表現もLPO等のみならずチャットボット等もブラッシュアップすべきです。百貨店販売であれば現場の販売員さんの接客レベルを高めていかなくてはなりません。店頭卸に関してもPOPなどの販促物で何ができるか常に吟味していく必要があります。いかに売り場ごとの特性に合わせたサービスレベルの向上を図っていくかが重要なのです。全ての販路でシチュエーションごとに最適な買い物体験を提供できるよう磨いていく必要があるのです。これまでの経験で全ての現場を見てきました。そして、現場の教育などに手を入れてきました。例えばコールセンターや百貨店販売の現場では、スター商品がひとつあるとそればかり案内してしまう傾向があります。「スター商品を案内すれば売れる!」と現場が考えてしまうと思考停止状態になってしまいがちなのです。直接お客さまと相対し双方向で応対するチャネルですので、沢山の商品知識やお客さまのニーズ把握をする話術が必要になります。またコールセンターでいうと定期解約のお申出の電話に解約抑止に熱が入り過ぎてかえってブランド毀損に繋がりかねないことも起こり得ますので、会話の展開などていねいに検討する必要があります。全て実体験で見てきたことです。
夢のあるチャネル?テレビショッピングの強み
ーー先ほどテレビショッピングにまで拡大したと言っていたが、このあたりについてはどうか。
神戸:まず業界内でも意外とご理解いただけてない部分があるのですが、「インフォマーシャル」と「テレビショッピング」はテレビで流れる映像による訴求という点では共通ですが、販路としては似て非なるものです。インフォマーシャルは、たまたまつけていたテレビで流れてくるものです。いわばお客さまが受動的なのですね。一方でテレビショッピングは、番組表もありショッピングコンテンツのみを流しているチャネルで、お客さまがご自身の意思でチャンネルを合わせて視聴し購買するものです。つまり能動的に購買が起きるチャネルです。構造が全く違うのです。そのうえで私自身テレビショッピングには大きな思い入れを持ち働いてきました。複数の企業にてQVC番組内で商品を販売してきました。自分自身が演者として出たこともありますし、取り扱い商品でワールドレコードを獲得したこともあります。
ーーテレビショッピングの強みとは。
神戸:やはり生放送が基本となりますので、ライブ感といいますか臨場感による訴求力は大きいものがあります。売り手の観点でいうとライブで商品が売れていくという体験は感動的なものです。たった30分で1000万円、1日で1億円売り上げることもある夢のあるチャネルといえます。また、一種のお買い物エンターテインメントとなりますので工夫のし甲斐があるチャネルです。ただテレビショッピングは売り場が時間的制約で限られており、つまり放送枠に限りがあるのです。そしてその門扉には重いものがあります。実際に私自身これまでの経歴ではじめてテレビショッピングに出すまでには、時間もかかりましたし様々な苦労がありました。そんな中、ジェイフロンティアはQVC番組内で自社の商品も販売する傍ら、広告代理業として他社の商品をテレビショッピングにて扱うサービスを持っています。テレビショッピングにチャレンジしたいが「やりかたがわからない」「窓口が開かない」とお悩みをお持ちでしたらぜひ当社にご相談頂ければと思います。門扉も開けますし、テレビショッピングでモノを売るノウハウも熟知しており「ライジング・スター・アワード」も受賞しています。これまでの経験を基にした手厚いサポートを提供します。
ーー最後に今後の展望について聞きたい。
神戸:なによりも「SOKUYAKU」サービス拡充をさらにスピードを上げて実現していきたいと思っております。またD2C領域では、スキンケアブランドも拡充し、漢方のラインアップも増やしていきたいと考えています。医薬品のネット販売は、数々の通販企業も参入してきていますがどの通販会社も成し遂げられなかった境地までジェイフロンティアでやりきりたい、実現したいと思っています。また、自社で商品企画を行いオンラインでもオフラインでもヒット商品に作り上げるマーケティングを当社は10年以上行ってまいりました。その知見を祖業である広告代理業を通して多くのD2C企業さまに展開・貢献することで世の中の健康寿命の伸長に繋げていきたいと考えています。
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