2019.05.07 コラム
HTMLとテキストメール、それぞれの長所と短所は?…CVRを高めるメルマガ講座(9)
「通販通信」読者の皆さま、こんにちは。メルマガ配信システム「コンビーズメールプラス」などを提供する(株)コンビーズ カスタマイズチーム WEBディレクター奥道です!今回はメルマガの配信種別である「HTMLメール」と「テキストメール」のメリット・デメリットについてお届けします!
▽連載一覧
第3回:ステップメールの効果を最大化する4つのポイントとは?
第5回:メルマガがスパム・迷惑メール!?ECがやるべき対策とは
メールの形式には、「テキストメール」と「HTMLメール」の2種類があります。
「リッチテキストメール」とよばれるものも存在しますが、区別としては「HTMLメール」の一種となります。リッチテキストメールとは、文字だけで構成するテキストメールよりも豊かな表現が可能で、HTMLメールよりも手間なく作成できるという、2つのメール形式のいいとこ取りをしたメールの形と言えます。
さて、「メルマガといえばHTMLメールでしょ!」という読者の方も多いかと思います。確かにキレイな見た目に装飾することが可能ですし、訴求力も高いと言われています。ただ、宛先によっては、HTMLメールでは送らない方がいい場合があるのはご存じでしょうか?
今回は、あらためてそれぞれのメール形式のメリットデメリットを解説し、送り先にあったメールの送り方について説明します!
テキスト・リッチテキスト・HTMLの違いとは?
「テキストメール」とはその名の通り、テキスト(=文字情報)のみで構成されたメールのことを指します。
記号や種々の線を使ってデコレーションし、メリハリをつけて読みやすくする工夫をしたメールを見たことがあると思います。
「テキストメール」は作成に専門知識の必要はなく、メールを受け取る側のメーラーよって、表示が崩れたり、表示されないということがないのが特徴です。
「HTMLメール]は、画像や動画をメールに表示させたり、自由にレイアウトを変えることができるのが特長です。伝えたい内容を魅力的に訴求できるため、テキストメールよりも約3倍クリック率が高いともいわれています。
そして、メールを開封したかどうかの計測もできるため、広告効果を図るためにBtoCのマーケティングで多く利用されています。
一方で「HTMLメール」にもデメリットがあります。1つは、HTMLを書かなければいけないので、Webサイトを作るときに使用する言語のHTML・CSSといった専門の知識が必要になります。
また、メールが送信者の意図の通りに正しく表示されるかどうかは、受け取った側の閲覧環境に依存してしまいます。
例えば、メール受信者側のメーラーがHTMLに対応していないと、記述内容がそのままテキストで表示されてしまいます。メールの容量がテキストメールよりも大きくなりますので、メールを開くのを嫌がる人もいます。
冒頭でも少し紹介しましたが「リッチテキスト」も、HTMLメールの一種です。何が違うのかというと、HTMLメールよりもテキストが中心なところと、手軽に画像を表示させたり文字を装飾したりできる特徴があります。
作業も HTMLメールに比べて簡単なので、更新の方法を覚えてしまえば、あまり知識がない人でも配信することができます。
複雑なレイアウトはできませんが、HTMLメールに比べて表示崩れが起こる可能性も低くなります。
そして、メールを受け取った側のメーラーの設定で画像が表示されないことがあっても、テキストの割合が多いので、ユーザーに内容を伝えることができます。
BtoBでHTMLメールはご法度?
HTMLメールは、表現力の豊かさが人気でネットショップをはじめとするBtoCのマーケティングで広く活用されています。
ですが、HTMLメールには画像や動画だけでなく、悪意ある仕掛けを仕込むこともできるめ、BtoBといったビジネスの場面では細心の注意を払う必要があります。
・HTMLメールはウイルス感染の危険がある
有害なスクリプトが含まれた HTMLメールを開いたり、URLにアクセスしたり、添付ファイルを開くと、メール受信者の個人情報が盗まれたり、受信したパソコンが悪影響を受けたりすることがあります。
ウイルスに感染すると受信者のパソコンが被害を受けるだけでなく、さらに他のパソコンにウイルスを感染させてしまう危険性もあります。
そのため会社全体のパソコンがウイルス感染してしまい、外部から攻撃を受けて大きな被害になってしまうことも考えられるため、HTMLメールは迷惑メールフィルターで削除している会社も沢山あります。
・セキュリティとプライバシーへの配慮
ITサービスが増えているなかで、セキュリティとプライバシーは社会にとって大きな問題となりつつあります。
アクセス解析ツールや広告などにも使われているWebビーコンを利用すれば、メールの開封だけでユーザーのアクセス情報の収集も可能になります。
Webビーコンで分かる情報は、IPアドレスによって大まかな所在地を特定することが可能です。そして、同じIPによる閲覧時刻を集めることで性別や年齢が推測可能と言われています。もちろん、あくまでも傾向を知るために利用するものなので、個人を特定できるような仕組みはありません。
良く言えば、取得したデータを組み合わせ方によって、精度の高い広告をユーザーへ表示できるようになります。一方で、セキュリティやプライバシーへの配慮がより必要になるとも言えます。
サービスを便利にするために個人の情報を活用するのであれば、プライバシーへの配慮をおろそかにしてはいけません。そのためにも、ユーザーが求めるプライバシーの権利に配慮したサービスを提供する必要があります。
まとめ
これまではHTMLメールはメールの容量が重くなってしまう、ウイルス感染リスクが否定できない、といった考えから、なかなか日本国内ではBtoBの現場ではHTMLメールが普及しませんでした。
実際に、一般社団法人日本ビジネスメール協会が発表している「ビジネスメール実態調査 2018」によると、ビジネスメールを送る時のメール形式は6割超がテキストメールを使用しているそうです。
ですが、ウイルスチェックや迷惑メールフィルターの発達、受信環境の性能アップなどにより徐々にHTMLメールを活用する企業は増えてきています。MA(マーケティング・オートメーション)が定着しつつあるなか、BtoBマーケティングの観点からもHTMLメールのメリットは大きいため、今後は利用する企業が増えてくるとみられます。ただし、繰り返しになりますが、社内のセキュリティ・プライバシー保護観点と送信者に対する配慮を行ったうえでの活用が必要不可欠です。
いかがでしたか?「テキスト」「リッチテキスト」「HTML」というメール配信形式のメリット・デメリットをご紹介しました。この記事を参考に、自社にあったメルマガ配信に役立ててください!
筆者:(株)コンビーズ カスタマイズチーム Webディレクター 奥道 綾子
2012年よりWEB通販に特化したファッションアパレル企業にWEBデザイナーとして従事。WEBをはじめ紙媒体を含むデザイン業務全般を担当。2018年5月、コンビーズに入社。
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第3回:ステップメールの効果を最大化する4つのポイントとは?
第5回:メルマガがスパム・迷惑メール!?ECがやるべき対策とは
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