楽天市場の通信速度は５Ｇにより創業当時の１００万倍へ

　オープニングキーノートとして登壇した楽天の三木谷浩史会長兼社長は、９７年の創業当時を振り返りながら「この２０年余りで楽天市場のインターネットスピードは１０００倍まで高まった。そして、来たる５Ｇ時代に今のさらに１０００倍のスピードを実現できる。高速化は１００万倍に及ぶ」と語り、５Ｇ時代のリッチなコンテンツ提供へ意欲を見せた。

　キーノートの中では、「楽天ペイ」を軸に完全キャッシュレス化を試みている「スマートスタジアム構想」の成果についても言及した。今年の開幕戦から、プロ野球チーム「東北楽天ゴールデンイーグルス」（以下、「楽天イーグルス」）のホームスタジアム「楽天生命パーク宮城」とＪ１プロサッカーチーム「ヴィッセル神戸」のホームスタジアム「ノエビアスタジアム神戸」では、キャッシュレス推進を行なっている。楽天生命パーク宮城では飲食購入金額は前年比で２６．７%増加しているという。ノエビアスタジアム神戸においては飲食購入金額が同５０．２%増加したとし、「いかに”現金決済”という手段によって、スタジアム内の購買にハードルになっていたかがわかる結果ではないか」と指摘した。

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　もちろん１０月からスタートする携帯事業についても言及。三木谷氏は一つのテーマとして「モバイルネットワークの民主化」を掲げた。完全仮想化クラウドネティブネットワークによって「いわば、ハードウェアのソフトウェア化を行う。ハードありきではない自由なモバイルネットワークを実現したい」旨を意気込んだ。

　また、楽天は「Ｔｒｕｅ５Ｇ（＝本当の５Ｇ ）」を実現していくという。三木谷氏は「通信の超高速化・大容量かによって例えば、スポーツなどのライブ中継といったリッチなコンテンツの提供がさらにできるようになる。また、多接続によって工場などといった膨大な端末を有する現場でも活躍する。さらに『低遅延』によって移動体医療などのフィールドでも役立つ」と話した。

竹中平蔵氏「サンドボックス・スーパーシティがカギ」

　楽天オプティミズムは「５Ｇ時代を、先取りしよう。」をメインテーマに据えており、開催されるビジネスカンファレンスは１日ごとに「５Ｇ×○○」と掛け合わせのテーマで展開していく。

　初日となる７月３１日は「５Ｇ×フィンテック・通信」。開幕と同時にスタートした講演には、元国務大臣で慶應義塾大学名誉教授で東洋大学教授でもある竹中平蔵氏が登壇。「第４次産業革命と５Ｇが帰る世界と日本」をテーマに講演した。

　竹中氏は「ＡＩ（人工知能）、ＩｏＴ、ロボティクス、シェアリングエコノミー、ビッグデータ、５Ｇとイノベーションは進んでいる。進化の中、人間が持っている本来的な能力を発揮していけるようになる」と呼ぶかけた。その上で、今後の重要なキーワードになってくるのは『サンドボックス』『スーパーシティ』と指摘。

　サンドボックス＝砂場とは、プログラムがシステムの他の部分に影響が及ばないよう設計された環境のこと。 竹中氏は、なんでも試すことができるサンドボックスを構築することの重要性を説きながら「サンドボックスを持てているのはどんな企業であるのか、そうしたことを見極めながら、新しいテクノロジーを積極的に取り入れていくことこそ大事」と話した。

　スーパーシティは、ＡＩやビッグデータなどの活用によって社会のあり方を根本から変えるような最先端の街づくりをするといった都市構想のこと。日本においては、スーパーシティ構想実現のため、国家戦略特区法の改正で関連事項に関する議論があったものの廃案となっている。ただ、実現に向けたアクションは引き続き起こしていきたいと竹中氏は意欲を示した。

　楽天オプティミズムのカンファレンスでは、２日目となる８月１日に「５Ｇ×『ライフスタイル』『モビリティ』『ブランディング』」をテーマにした講演を予定している。３日目の８月２日は「５Ｇ×『医療』『スポーツ＆エンターテインメント』」、４日目の８月３日は楽天証券のセミナーを開催する。話題のＹＯＳＨＩＫＩさんと三木谷さんの対談は３日目に開催。ビジネスカンファレンスの参加は有料となっている。

　そのほか、楽天オプティミズムでは、物販や体験コーナーを「フューチャー・ワールド」として実施。こちらもパシフィコ横浜内で開催されており、入場は無料。

▪️楽天オプティミズム

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