2014.05.08 コラム
消費支出意向、「減らそうと思っている」の割合が59.3%3月調査より7.2ポイント増加 (消費者庁 物価モニター調査)
久保京子の「ネットショップCS情報局」より
消費税率引上げにより生活関連物資の価格や、消費者の消費に対する意識はどのような影響が見られているのでしょうか。 消費者庁では物価モニターによる価格の見取調査と、物価モニターに対する消費や物価動向についての意識調査「平成26年度第1回物価モニター調査」(※)を行っています。 今回の調査は消費税率引き上げ後の平成26年4月に実施しており、結果を平成25年度第1回調査(平成25年10月実施)、平成25年度第2回調査(平成26年1月実施)、平成25年度第3回調査(平成26年3月実施)の調査結果と比較したデータとなっています。
【価格調査品目】 消費者庁が指定した調査品目40品目に対して、物価モニターがメーカー・銘柄(商品名)を選定し毎回の調査において、同一店舗での同一商品の店頭表示価格について継続して調査を行う。
●価格上昇したのは「果実飲料」「ガソリン」「生中華麺」、下落したのは「ハンバーガー」「自動炊飯器」 今回(平成26年度第1回)4月の調査と、前回(平成25年度第3回)3月の調査で税抜価格同士を比較した結果、比較的上昇幅が大きかったものは「食料品」では果実飲料(1.7%)、生中華麺(1.3%)、カップ麺(1.0%)、「雑貨・衣料等」ではティッシュペーパー(1.2%)、「サービス等」ではガソリン(レギュラー)(1.5%)となっている。 一方、比較的下落幅が大きかった「耐久消費財」では自動炊飯器(-1.7%)、電気冷蔵庫(-1.1%)となっており、「雑貨・衣料等」ではLED電球(-1.3%)、「サービス等」ではハンバーガー(-6.1%)となっている。
●消費支出意向「減らそうと思っている」の割合が、3月より7.2ポイント増加 世帯の消費への支出額について「増やそうと思っている」と回答した人の割合は、平成25年度第2回調査(平成26年1月実施)8.7%、平成25年度第3回調査(平成26年3月実施)5.3%と減少し、今回調査では3.7%となった。 一方、「減らそうと思っている」と回答した人の割合は、46.1%→52.1%→59.3%と増加した。
●消費支出額を増やす理由は「モノ・サービスの価格が上がるから」が6割。「耐久消費財」への消費意向は減少 消費支出額を増やそうと思っている理由について「物価が上昇することにより、普段購入しているモノ・サービスの価格が上がると思うから」64.4%、「去年の同期間よりも必要な支出が増えると見込まれるから」51.0%と、前回の調査から引き続き高かった。 一方、「増やそうと思っている」の割合が8.7%と高かった平成25年度第2回調査(平成26年1月実施)では「所得が増えると思うから」が36.6%と高く、反面「物価が上昇することにより、普段購入しているモノ・サービスの価格が上がると思うから」が42.1%、「去年の同期間よりも必要な支出が増えると見込まれるから」が26.4%と低くなっている。 消費を増やそうと思っているものについては「食料品」67.3%、「雑貨・衣料等」51.0%で、前回の調査から数ポイント減少するも引き続き高かった。「耐久消費財」は18.3%で、前回の調査の34.9%から大きく減少した。
●消費支出額を減らす理由は「所得が減ると思うから」が4割。消費を減らしたい品目は「雑貨・衣料等」8割 消費支出額を減らそうと思っている理由について「所得が減ると思うから」48.7%、「支出に回す額を減らして、貯蓄に回す額を増やそうと思うから」34.1%が、前回の調査から引き続き高かった。 消費を減らそうと思っているものについては「雑貨・衣料等」79.3%「食料品」69.7%、と、過去3回の調査に引き続き高い割合となっている。
●品目ごとに異なる価格表示方法 店頭表示価格の表示方法を品目グループ別に見ると「食料品」と「雑貨・衣料等」では、「税込価格と税抜価格」表示が最も割合が高く6割以上となっている。 「耐久消費財」では「税込価格と税抜価格」は4割程度、「税抜価格のみ」が3割弱、「税込価格のみ」が2割程度となっている。 「サービス等」については従来どおり「税込価格のみ」が7割となっており、「税込価格と税抜価格」表示は1割程度に留まっている。
●最も適当と思う店頭価格の表示方法は「税込価格のみ」と「税込価格と税抜価格」に二分される 最も適当と思う店頭価格の表示方法については前回調査では「税込価格のみ」が57.3%と最も高く、次いで「税込価格と税抜価格」が22.4%となっていた。今回調査では順位は変わらないものの「税込価格のみ」が44.5%、「税込価格と税抜価格」が40.5%となっており、それぞれ12.8ポイント減少、18.1ポイント増加した。
消費税増税後の消費者意識としては、やはり消費を減らす意向が高まっていることが数字でも確認できます。特に「雑貨・衣料等」「食料品」での節約意識が高そうです。また、価格表示方法が品目ごとに異なる状況が明らかとなり、しばらくは消費者の混乱が予想されます。 ------- (※)平成26年度第1回物価モニター調査結果 (消費者庁 平成26年4月24日) 【調査方法】 ・価格調査 物価モニターによる価格の見取調査を行うことにより、生活関連物資等の価格の変動を把握する。 ・意識調査 物価モニターに対し、消費や物価動向についての意識の変化を調査する。 ・調査対象 全国47都道府県の物価モニター4,000人 ・調査期間 平成26年4月4日(金)~ 同月8日(火) 平成25年度第1回調査:平成25年10月25日(金)~ 同月 29日(火) 平成25年度第2回調査:平成26年1月10日(金)~ 同月14日(火) 平成25年度第3回調査:平成26年3月7日(金)~ 同月11日(火)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 久保京子 内閣総理大臣及び経済産業大臣事業認定資格 消費生活アドバイザー 株式会社フィデス 代表取締役社長 事業内容:ネット通販向け広告法務、Webユーザビリティ、ユーザー調査 http://www.fides-cd.co.jp ネットショップのCSを高める情報発信中! 『ネットショップCS情報局』 http://blog.fides-cd.co.jp ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 【過去のコラム】 「納期遅れ」にまつわる消費者とのトラブル事例と対策のヒント モバイル通販の利用が増加。PC通販の利用頻度は横ばい (JADMA「インターネット通販利用者実態調査2013」) 景表法改正案閣議決定!急務となる事業者コンプライアンス対策 ネットショップのキャンセル対応と契約成立時期 ネットショップの価格誤表示対策と契約成立時期 「いわゆる健康食品」の摂取量及び摂取方法等の表示に注意! 消費者目線を意識せよ!家庭教師派遣(株)シニアの料金体制表示に景表法措置命令 急増するネット通販の前払いによるトラブル。事業者の対策は? 「Google認定ショップ」プログラムの真の狙いは、購買履歴データ取得? 健康食品の虚偽・誇大広告規制。合理的根拠表示や、ステマ、口コミも要注意 自宅用食品購入のネット利用、50歳代が2割。「送料」以外はほぼ満足
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