2015.04.14 通販支援
後払い決済はスマホに最適?ネットプロテクションズが急成長する理由②
商品が届いてから代金を振り込む後払い決済は、消費者にとっては安心だが、ネットショップ運営会社にとっては代金未回収のリスクもある。こうした未回収リスクを保証する後払い決済サービス「NP後払い」が急速に普及している。同サービスの導入実績は2万店を超え、累計ユーザー数は5000万人を突破。後払い決済分野で急成長を遂げた(株)ネットプロテクションズの柴田紳社長に、成功の秘訣や今後の展望について話を聞いた。
ポイントプログラム「フフルルポイント」が会員数50万人突破
新たな取り組みとして同社は、「NP後払い」利用者向けポイントプログラム「フフルルポイント」を2年前から開始している。「NP後払い」の利用者にポイントを付与し、会員になることでたまったポイントを商品交換や懸賞参加などで利用できる。3月末には会員数が50万人を突破した。「フフルルで最もやりたいことは『ショップへの送客』。ショップからはプレゼントの提供やポイント倍増キャンペーンなどに協力してもらっています。フフルルは弊社でポイントを付与し、ショップに送客するといった販売促進のプラットフォームです。提供されたプレゼントへの応募数は平均で毎回5000~6000件程度あり、PR効果も見込めます」(柴田社長)と話した。
また、同社は法人間の少額取引に対応可能なBtoBの決済サービス「FREX B2B後払い決済」にも力を入れる。同決済サービスは、企業が掛払いを提供する際の業務をアウトソースすることができ、未回収だった場合のリスクも100%保証するというもの。法人間取引を行う企業によっては前払いの申請が面倒で、請求書発行による後払いを希望する企業も多い。しかし、売り手側の企業は、掛払いを行う前に書類を取り寄せて事前審査を行う必要が生じたりと手間が発生するため、新規や顔の見えない取引先には掛払いを提供できず販売機会を逃してしまうこともある。そういった背景から、近年はネットの印刷通販サービスなどで引き合いが増えているという。「BtoBは、まだBtoCの10分の1程度の事業規模ですが、伸びしろは極めて大きく、この分野も伸ばしていきたいと考えています」(柴田社長)。
新たに「ポイントプログラムの充実」「BtoB」に取り組む同社だが、これらを発展させた新事業も見据えているようだ。
「優秀な人材・企業風土」を武器に新事業展開へ
事業資産をベースに新たな事業を発展させていく際、キーになるのが人材。柴田社長は「BtoCの後払いが収益の柱ですが、BtoCの伸びだけに頼らない会社にしていきたい。会社が持っている独自のノウハウを生かせば、さまざまな展開が見込めます。弊社にはそれを可能にする優秀な人材と、企業風土があります」と話した。同社の平均年齢は28歳。4月からは13人の新卒社員が入社した。ただ、同社は採用に力を入れているわけではなく、自然と優秀な人材が集まってくるのだという。大手企業からの内定を断って、同社に入社を決めた社員もいるとのこと。「収益力と事業資産があり、新たな事業展開が見込めることを、学生側がチャンスと捉えているようです」(柴田社長)。経営者志向を持ち、有望な中小ベンチャーへの就職を希望する学生から支持を集めているようだ。
ただ、柴田社長が新卒社員に同社を選択した理由を聞くと、決まって「誰と会っても仕事を楽しんでいる姿が伝わってきたので」といった答えが返ってくるという。これは柴田社長が築き上げた企業風土の賜物だろう。柴田社長が理想とする企業は「自分の人生は自分で切り開くといった独立志向を持つ社員が集まり、それぞれが自分の人生を謳歌している」といったもので、現在はそのような環境になっているという。実際に、GPTWジャパンが2月に発表した調査「2015年版日本における『働きがいのある会社』ランキング」では、同社が「従業員100‐999人以上」部門で22位に入った。
柴田社長は「既存の事業を拡大させるのであれば、経験豊富な中途社員を増やした方が結果は出るでしょう。しかし、3年~10年後の事業発展を見据えた場合、優秀な若手社員が必ず強みになります」と語る。同社は逆境のなか、後払い決済という新たな事業を作り出した生みの苦しみを経て、オペレーション機能や与信の判断力など、強固な事業基盤を構築した。これからは若い世代の力を背景に、事業をさらに発展させる段階に来ている。同社がどのような事業展開を見せるのか、今後の動向に注目が集まる。
(了) (文・山本剛資)
後払い決済はスマホに最適?ネットプロテクションズが急成長する理由①
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<プロフィール> ■柴田紳(しばた しん) (株)ネットプロテクションズ 代表取締役社長(CEO) 一橋大学を卒業後、日商岩井株式会社(現・双日株式会社)に入社。ベンチャーキャピタルのITX(株)在籍時に事業再建を任され、(株)ネットプロテクションズに取締役として出向。2004年、同社の代表取締役に就任。
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