(株)PRECS(プレックス)が提供する「リピスト」は、月額1万4800円からネットショップが運営できるショッピングカートシステムとして人気を集め、サービス開始から約3年で導入企業が約350社に上るなど、順調にユーザー数を拡大させている。最近では、(株)E-Grantのリピート通販用CRM/MAツール「うちでのこづち」や、LINEでユーザーとコミュニケーションができる「Offical Web App」(OWA)との連携が話題となった。最新のツールやサービスとの連携を含め、発展を続ける「リピスト」の人気の秘密に迫った。
事業規模別の4プランでスタートアップから事業拡大を支援
リピストは、同社のASP型ECサイト構築システム「PRECS」で得たノウハウをベースに、単品通販向けの機能を盛り込み、定期購入・頒布会向けに開発したショッピングカートシステムだ。特長はネット通販を開始する際の初期費用を抑え、企業の成長に合わせて必要な機能を追加できること。単品通販をスタートアップする際のコストを抑えたい企業向けのサービスとなっている。
プランは下記の4イプがある
・「ライトプラン(月額1万4800円・初期費用2万9800円)」
・「スタンダードプラン(月額3万9800円・初期費用69800円)」
・「プレミアムプラン(月額6万9800円・初期費用9万8000円)
・「エキスパートプラン(月額14万8000円・初期費用39万8000円)」
同システムを利用して、これから単品の定期通販ECサイトを運営する通販企業のほとんどは「ライトプラン」を選択している。ライトプランは、LPフォームやFTPの開放、受注管理機能、定期管理・分析機能、広告効果測定機能など、ネット通販を開始するのに最低限必要な機能に絞り込んだプランとなっている。
同社のASP事業部統括マネージャーの岸田隆氏は「スタートアップ時はさまざまな経費がかかるため、ECショップ運営のコストは大きくなってしまう。この段階では、それほど多くの機能は必要なく、通販会社は『リピスト』のライトプランを利用すれば、浮いた経費を広告費に回すことができます」と話す。広告から受注が伸び、安定してきた段階で、必要な機能の追加やプランアップをしていけば、運営コストを抑えることができる。
健康食品の通販会社A社は、「ライトプラン」からスタートして半年で「エキスパートプラン」にプランアップし、2年で年商20億円を超えたという事例もある。
LP一体型申込フォームでCV率を平均20%アップ
リピストの主な機能は、「商品ページ(LP)一体型申込フォーム」「ステップアップメール」「アップセル機能」「会員属性(顧客ランク機能)」「広告効果測定」「電話受注対応システム」などがある。
最も評価が高い機能が全てのプランの標準機能である「LP(商品ページ)一体型申込フォーム」。この機能のためにリピストを利用するユーザーも多いという。同機能では、LPと申込フォームが一体化したページを作成できる。2クリックで購入が完了するため、途中離脱を防ぎ、コンバージョン率をアップさせることができる。実際に同フォームを導入後のコンバージョン率は、平均でスマートフォン23%、全体で20%アップしている。
「広告効果測定」機能も、全プランの標準機能で、購入者の購入経路が確認できるため、集客プロモーションなどに活用できる。「LTV測定」画面では、初回購入時の来店時からの記録を保管するため、1年後の費用対効果を集計できる。
リピストユーザーからは、管理画面の操作性の高さも評価されているようだ。会員数や注文がどんなに増加しても、操作性が落ちることはないという。岸田氏は「リピストはフロント側とバックヤード側で、サーバーを2つに分けています。このため、アクセスが急激に増加した場合などでも、通常と同じ環境で作業できます。また、管理画面の操作性や分析ツールの結果画面などは、今後もさらに使いやすさを追求していきたいと思います」と語った。
リピスト 管理画面
同社が掲げる「Promise-5つの約束」の1つには、「導入後のサポートも一切妥協いたしません」という記載があり、サポート面も充実している。導入したばかりで使い方わからないケースなどのサポートはもちろんのこと、販売戦略やLTVを高める施策などのアドバイスや、勉強会にも随時個別で対応している。
最新ツールとの連携でユーザー環境をサポート
PRECS ASP事業部統括マネージャーの岸田隆氏
リピストは最新ツール・サービスとの連携を進め、ユーザーの環境をバックアップしている。8月4日には、LTV・リピート売上の向上をサポートするリピート通販用CRM/MAツール「うちでのこづち」と連携。同連携で、「リピスト」のECカート機能から「うちでのこづち」が提供するCRMマーケティングアクション(メール配信・DM配送・アンケート・SNSプッシュ通知など)までを一貫する環境を整えた。
8月末には、WEBサービスとLINEアカウントを連携するサービス「Offical Web App」(OWA)の提供を発表した。こうした最新ツールとの連携について岸田氏は「現在は広告費が高騰化しています。リピストユーザーのCVRを上げるためにも、新規顧客が購入しやすいカートにすることが重要で、他サイトとのID連携なども効果的な施策の1つ。また、LTVを高めるためにも、CRM専門ツールとの連携を強化したいと考えていたため、『うちでのこづち』との連携を開始しました。一括メルマガ配信で売上を築く時代はとっくの昔に終わっています。LINEでのコミュニケーションはその1つの例で、メールに代わる方法によって、エンドユーザーとのOne to Oneのおもてなしをお手伝いしたい」と話した。
リピストには「もっと手軽に定期通販を!」というコンセプトがあり、文字通り、手軽にリピート通販を開始できることが最大のメリットだ。売上拡大とともに機能追加やプランアップしていけば、コストも削減できる。また、売上規模が拡大した場合でも「エキスパートプラン」などの上級プランで対応が可能となり、面倒なシステム移行の必要がなく、事業立ち上げから事業が拡大しても、一貫して慣れ親しんだシステムで通販サイトを運営できる。新たにネット通販を開始する企業だけでなく、一通りの機能を使いながらもECサイト運営のコストを抑えたい通販企業にとっては、有益なサービスとなるだろう。
(山本剛資)
この続きは、通販通信ECMO会員の方のみお読みいただけます。(登録無料)
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。