楽天(株)が13日発表した2017年12月期第3四半期(1~9月)連結決算は、売上高に該当する売上収益が前年同期比20.9%増の6764億7700万円、営業利益が同58.8%増の1201億6200万円、四半期利益が同63.9%増の726億4700万円となった。
RakutenDirectが好調
インターネットサービスとFinTechともに好調だったほか、ライドシェアリングへの投資で得た評価益の228億円、「The Grommet」の売却益50億円などを計上したことで、大幅な増益となった。
インターネットサービスは、売上収益が同22.3%増の4827億2200万円、セグメント損益は同106%増の831億8100万円となった。売上高が同20.1%増と好調だったRakutenDirect(株)の貢献もあり、楽天市場などを含む国内ECが好調で、大幅な増収となった。また、ライドシェアリングの評価益のうち、213億円をその他インターネットサービスに計上したため、利益が倍増した。
第3四半期(7~9月)期間では、国内ECの売上収益が同30.1%増の1006億円、営業利益が同6.7%減の193億円となった。営業利益はCtoCビジネスなどへの投資の影響を受け、マイナスとなった。国内EC流通総額は、同13.7%増の8559億円となった。
FinTechは、売上収益が同11.4%増の2437億5900万円、セグメント損益が同8.2%増の532億2200万円となった。「楽天カード」の会員増加でショッピング取扱高が伸長し、増収となった。また、利便性と安全姓の向上を目的に、基幹システムを全面刷新したことなどで経費が増加したが、増益を維持した。
楽天マーケティングの成長、三木谷氏「確信」
第3四半期の楽天市場モバイル流通総額比率は、同4.4ポイント増の64.2%となった。楽天市場の流通総額のうち、楽天カード決済の比率は、過去最高の54.3%となった。
ラクマとFRILを合わせたCtoCビジネスの年換算流通総額は、1000億円を突破した。
2012年から17年までの投資パフォーマンスは、6年間の投資額が1508億円で、このうち内部収益率(IRR)は34%、投資利益率(ROI)は70%となり、投資に対して1065億増の2573億円の資産価値が見込まれている。
海外投資が成功している秘訣について、同社の高澤廣志常務執行役員は「全米の消費財のデータなどを見て、投資前にどのようなサービスが盛り上がってきているのか、投資後もどう伸長していくのかを慎重に見て判断しています。過去の投資とは異なる、成功の確度が高い投資が実現できている」と語った。
7月に設立した楽天データマーケティング(株)は、10月の広告主への提案件数が7月と比較して1.8倍、提案金額が11倍に増加した。売上・利益の拡大は1月以降と見込んでいる。同社の三木谷浩史会長兼社長は、同社について「これまではいけるかなと思っていたが、確信に変わってきている。グーグル、ヤフーに次ぐレベルの売上規模に持ち上げたい」と語った。
楽天モバイルの契約者数は11月で140万人に達した。MMD研究所による調査によると、MVNOマーケットシェアは、フリーテルを買収したことで、9月で25.9%となり、2位に倍の差をつけてトップに立っている。
また、三木谷氏は配送サービスについて「新しいイノベーションがラストワンマイルについては必要だと考えている」と語り、フードデリバリーサービス「楽びん」や「あす楽」、「Rakuten-EXPRESS」などの配送サービスに加え、新たな配送サービスの開始を示唆した。
(山本 剛資)
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