楽天(株)が28日発表した「楽天市場ヒット番付2017」は、東の横綱が「ゆとり世代のタイムライン消費」、西の横綱が「アラフォー世代のアルバム消費」となった。
「楽天ヒット番付」は、「楽天市場」のデータや外部データ、SNSなどから、1年の消費動向や社会情勢を振り返り、その年を象徴するキーワードを抽出し、番付で発表するもの。
各世代の消費ギャップが顕著に
今年の「楽天ヒット番付」は、各世代間のギャップが大きく反映された。横綱になった東の「ゆとり世代のタイムライン消費」では、消費意欲が低く、お金をあまり使わない世代とされていた「ゆとり世代」が、「SNSタイムライン」に流れる情報から「自分の好みに合った商品やサービスをすくい取る」という新しい消費傾向が顕著になっていることから、横綱に選ばれた。
「ゆとり世代のタイムライン消費」でブームとなった『黄色スカート』は、前年比3.18倍の売れ行きで、鑑賞目的で植物ガラス瓶に入れた『ハーバリウム』(同2110倍)、電球の中に色鮮やかなソーダを入れた『電球ソーダ』(同20.9倍)、白ワインにオレンジの皮を入れて色をつけた『オレンジワイン』(同3.8倍)なども、タイムライン消費によって売れ行きが好調だった。
西の「アラフォー世代のアルバム消費」は、懐かしいアルバムをめくるような感覚で、懐かし商品を購入する消費行動。盗難などが発生し、社会問題にもなった『NIKEエアマックス95』、キアヌ・リーブスが主演映画で着用して売り切れが続出した腕時計『CASIO G-SHOCK』、『スーパーファミコン』など、90年代に流行したさまざまな商品が復刻され、アラフォー世代が懐かしの品々に飛びついた。
大関は、東が「天才キッズ需要」で、西が「シニア軽量消費」となった。「天才キッズ需要」は、知育玩具全体の売上が同40%増になるなど、我が子の可能性を引き出したい親による知育玩具特需のこと。将棋関連商品の売上は、同2.58倍に上った。
『シニアの軽量需要』では、軽いメガネ(同59%増)、軽量シューズ(同42%増)、軽量家電(掃除機)など、既存の商品を軽量化したものが、シニア世代に人気を集めた。スマートフォンを利用して商品を購入するシニア世代が増えていることが、背景にある。
1回利用しアプリで販売の「ワンタイム消費」が前頭に
関脇は「ライフスタイルの変化」によるもが選出され、東が「平日ナイトオフ」、西が「週末ナイトアウト」となった。平日の夜は自分で過ごす時間が増加し、『フットピロー』(同28%増)やアロマ、お風呂グッズなど、心を癒やす商品が人気を集めた。また、平日の夜を資格関連の勉強に充てる人も多く、『資格関連商品』も同31%増となった。
「週末ナイトアウト」では、自分の心の豊かさを満たす消費、家族やグループ、共通の趣味に関する消費の需要があった。ナイトプールのブームを受け、『浮き輪』(同20%増)、『防水カメラ』(30%増)などが人気を集めた。
小結は東が「ずぼらハンドメイド」、西が「お手軽ロカボ」。「ずぼらハンドメイド」は手間をかけずにハンドメイドが体験できる商品のことで、『ズバゲッティ』、『アクセサリーキット』(同2.52倍)などが人気を集めた。「お手軽ロカボ」では、『コンニャク米』(同47%増)、『グルテンフリー』(同2.18倍)が好調で、手軽に始める「ロカボ」(低糖質)商品が人気を集めた。
前頭は東が「あえて○○売れ」、西が「ワンタイム消費」。「あえて○○売れ」では、『硬い桃』(同46%増)、『高級茶漬け』(同94%増)と、一般流通経路には乗らない、ニッチな嗜好性の商品が売れた。「ワンタイム消費」は、あまり使わない商品を購入し、1回使用してからすぐにフリマアプリなどで販売するといった新たな消費スタイル。『ウェディング小物』(同40%増)や『レンタル商品』(同35%増)が人気だった。
同番付では、2018年の「期待消費キーワード」も発表。『冬に販売するマンゴー』や『冬の水着』などの「季節逆転アイテム」や、『メンズ化粧品』などの「男女逆転アイテム」(ユニセックス)を、期待株に挙げた。
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