アマゾンジャパン合同会社が8日から期間限定でオープンした「Amazon Holiday 2017 ポップアップストア」は、「渋谷モディ」6フロアと「渋谷丸井」を利用した各ブース、ビルの入り口に置かれた「Amazon Holidayツリー」など、(株)丸井の協力により、ビル全体でAmazonの「サイバーマンデーセール」を盛り上げるこれまでにない大規模なイベントになった。このポップアップストアから、アマゾンジャパンの今後の店舗戦略を探った。
「エポスカード」利用者の購入先1位はAmazon
丸井は2007年からシューズやバッグなどのファッションアイテムをAmazon.co.jpに出品するなど、アマゾンジャパンとは重要なパートナー関係になっている。出店者であることだけでなく、(株)丸井の青野常務によると、マルイのクレジットカード「エポスカード」の年間利用額が最も多いのは、自社店舗ではなく、Amazon.co.jpだという。丸井ユーザーとAmazonユーザーは相性がいいことなどから、今回のポップアップストア出店に至り、丸井側はAmazonに格安の料金で展示スペースを提供した。
また、丸井はECサイトと店舗が共存するような店舗づくりを進めており、一部の店舗で実施している「ラクチンきれいシューズ 体験ストア」など、店舗で試着し、ECで購入する戦略を進めている。店舗でAmazonのサービスを体験してほしいというAmazonの取り組みと、丸井の戦略は共通点もある。アマゾンジャパンの渡辺朱美バイスプレジデントは、「丸井の考える将来の店舗と、お客様のお役に立ちたいという想いが合致したことが、今回のポップアップストア出店につながった」と話している。
アマゾンは目的ごとに店舗を出店
今後の店舗出店について渡辺氏は、「これまでの店舗は期間限定のイベントで、毎回目的が異なっている。プライムデーでは、プライムプログラムの10周年を記念し、プライムデーのプログラムの特典を知っていただきたいという目的。お酒のストア『Amazonbar』は、Amazonのお酒の品揃えを知っていただきたいことから。今回はAmazonユーザーだけでなく、Amazonを使っていない人たちにも、Amazonのさまざまなサービスと豊富な品揃えを知っていただきたいという想いで出店した」と語った。
今後については、Amazonのサービスを触れることができる場を重視していることから、常設店舗の出店を含め、販売事業者などと連携した取り組みの可能性が期待できそうだ。
「サイバーマンデーセール」はEchoで注文も可能
ポップストアの渋谷マルイ8Fは、Amazon Echoが体験できる「Amazon Echoシリーズ タッチ&トライコーナー」。「Echo」に声をかける言葉は、スピーカーに内蔵されているAIの「アレクサ」が一般的だが、「アレクサ」以外にも「エコー」、「コンピューター」、「アマゾン」の4種類から選択できるという。「アマゾン、今日の天気は?」と、話しかけることもできる。「サイバーマンデーセール」の商品は、Echo経由でも購入できるが、PrimeNowはまだ利用できない。
「Amazonフレッシュ コラボカフェ」(渋谷モディ9F)では、「Amazon フレッシュ」の食材を利用した各種メニューを提供。担当者によると、現在、「Amazon フレッシュ」で販売が伸びている商品は「日常的に利用する野菜、肉など」だという。また、「思いのほか売れているのが、お米」とのこと。「Amazonフレッシュ」では、金曜日に精米したお米を精米当日に送ることができる「精米日当日入荷『あきたこまち』を販売しているが、新鮮なお米のおいしさが好評で、注文が伸びているという。
「PS VR新作ゲーム&アプリゲーム体験」(渋谷モディ8F)では、プレステVRを装着し、新作のゲームを体験することができる。また、アプリゲーム体験では、著名なユーチューバーと対戦できる。
「Amazon Fashion ホリデースタイル」(渋谷モディ3F)では、ホリデーシーズのコーディネートなどの展示で、「Amazon Fashion」の世界観を体験することができる。ファッションアイテムのカードが壁に立てかけられ、このカードの裏にはQRコードが印字されている。このQRコードをスマートフォンで読み込めば、Amazonの商品ページに飛び、商品が購入できる。同フロアでは、QRコードで何品も商品を購入しても、30日間であれば返品無料で、何度でも試着できる点をアピールしていた。
(山本 剛資)
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