2018.03.16 通販会社
すべての原料が日本製、コスメブランド「ALL-J」の利用者が急増
スキンケアブランド「ALL-J」(オールジェイ)を展開する化粧品の通販会社(株)季然堂は、すべての配合成分を日本製にした化粧品『ALL-J AJ モイスチャーゲルクリーム』を開発し、2017年12月に出荷数が3万本を突破するなど、利用者が急増している。保湿にこだわった独自性が強い商品は、国内に限らず、海外からの引き合いも増えているという。化粧品市場の競争が激化するなか、なぜヒット商品を生み出すことができたのか、季然堂の佐藤則雅社長に聞いた。
世界に展開できる日本製の化粧品を開発
――会社設立の経緯について、お聞かせください。
佐藤 私の父親は、地元で調剤薬局や介護事業などを経営しています。実家の会社を手伝う選択肢もあったのですが、世界に展開できる事業がしたいという願望があり海外に目を向け、より海外のことを知るために20代の頃にヨーロッパやアメリカ、アジアの国々を旅していました。海外で改めて気づいたのは、「日本の良さ」や「日本製品」の品質の高さです。
メイドインジャパンの製品は品質が高く、現地での信頼も高かった。ただ、国産の商品のなかには、日本で製造したけれど、中身はほとんど海外のものであったり、日本製と言えるのか疑問がある商品も存在します。そこで、理想の日本製品を開発し、世界に打って出たいという意欲が沸いてきました。
日本製の強みを活かすことができる「食品」か「化粧品」で、日本ならではの商品を開発することにしたのですが、母親と姉が化粧品メーカーに勤務していたことなどで馴染みがあり、知識もあった「化粧品」で、世界に出ていくことに決めました。リサーチを進めたところ、化粧品は数十種類以上の原料の組み合わせでできていますが、全成分日本製をコンセプトとした化粧品のブランドはまだ存在していないことがわかりました。そして、すべての配合成分が日本製の化粧品を開発するため、2014年6月に季然堂を設立したのです。
サティス製薬との出会いで商品開発が進展
――すべての配合成分を日本製にするには、どのような苦労があったのでしょうか?
佐藤 「ALL-J」は、原料をすべてメイドインジャパンにすることが前提だったのですが、まず製造できる受託企業がありませんでした。100社程度の化粧品の受託企業に問い合わせをしたところ、「できる」という回答をもらったのが4社でした。各社に試作品の製造を依頼し、サンプル品でテストマーケティングしたところ、お客様に喜んでもらうことができたのは、サティス製薬さんのサンプルのみでした。
サティス製薬さんは、国産の天然物を用いたオリジナル原料をたくさん持っている化粧品OEM製造会社だったので、全原料を日本製にするオールジャパン製品が製造しやすい会社でした。
それが14年の夏頃のことです。そこからサティス製薬さんとの二人三脚で製品開発に取り組み、3年の開発期間を経て、16年に製品化しました。「さらさらでべたつかない」をコンセプトに、若いときに近い肌のような、べたつきのない保湿感を実現させると、日本製であることや使用感の評価も高く、16年9~11月の「@cosme」口コミランクで1位となりました。また、サティス製薬さんはネット通販の幅広い見識を持っていたため、開発から製品化、広告展開まで、スムーズにビジネスを軌道に乗せることができました。
――今年の2月には、新商品の3製品を発表しました。
佐藤 16年に販売を開始し、販売数を伸ばしてきたのですが、保湿が物足りない人に向けたアイクリームなど、利用者のニーズに応えるために、すべての原料をメイドインジャパンにした「ALL-J」のラインナップを拡大することになりました。
新商品の開発にあたり、製品開発の責任者を交え、サティス製薬さんとの打ち合わせを17年9月から開始。目標は今年の1月に開催された「第6回 国際化粧品展」で、新商品を発表することでした。
まず、化粧水、アイクリーム、リップクリームなど、10アイテムの提案を受け、そのなかから、7アイテムの試作品を完成させました。最終的に、『AJ モイスチャーゲルクリーム』の前後に使う親和性が高い3アイテムを製品化することに決定。いずれも石油系界面活性剤や合成香料などは使用せず、天然の植物の力を活かした商品。試作から5~6回の改良を重ね、お客様に満足していただける商品に仕上げることができました。
展示会にも間に合い、「ALL-J」ブランドとして、アイクリームの『ALLーJ モイストリッチアイ マルチ V コンセトレイト』、洗顔石けんの『ALLーJ スムースリッチスキン フェイシャルソープ』、クレンジングオイルの『ALLーJ スムースリッチスキン クレンジングオイル』の3つの新商品を今年の1月にリリースしました。約3カ月という短期間で製品化することができたのは、サティス製薬さんの力によるところも大きかったと思います。
「ALL-J」ブランドの海外展開を加速
――今後の展望についてお聞かせください。
佐藤 目標はあくまでも、全世界で「ALL-J」ブランドを展開していくこと。展示会でも、海外企業から反響が大きく、特にアジア圏からの需要が高いと感じました。中国の企業と大手ECモールに出品する計画もあります。
国内市場では、通販だけでなく、百貨店、デパート、ドラッグストアなど、実店舗での販売に力を入れたいと思います。国内だけでなく、インバウンド需要も取り込み、ブランド力を高めていきたいです。
また、展示会では、アマゾンジャパン合同会社のバイヤーの方がブースに来場し、Amazon.co.jpで「ALLーJ」の卸売販売に関する提案を受けました。Amazonで「プライム」マークが付き、会員向けの配送サービスが利用できる化粧品になることは大きな魅力でしたので、Amazonに出品することになりました。現在はAmazonの「Beauty」カテゴリで4商品を販売しています。反応も上々です。
今後は「ALLーJ」の商品ラインナップを拡大し、アジア圏を中心に販路を広げ、欧米にも進出しようと考えております。
――本日はありがとうございました。
(山本 剛資)
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