米国のマンハッタン・アソシエイツ(株)が27日発表したオンラインショッピングに関する意識調査によると、日本市場では米国や中国に比べてキャッシュレス化で遅れが見られることが分かった。
日本はキャッシュレス化の意識・ニーズに遅れ
同調査は、米国・中国・日本の18歳以上の一般消費者、各500人以上を対象としたインターネット調査によるもので、調査期間は17年12月14日~20日。
まず、実店舗での支払い方法についての質問では、好ましい支払い方法として、日本では「従来型のレジカウンター」が65%と圧倒的に多かったのに対し、中国では「売り場でのモバイルPOS」(38.0%)と「アプリによるスキャン&ゴー方式の無人レジ」(20.8%)という新しい支払い方式への支持が58.8%と過半数を占めていた。
この結果から、中国では半数以上の消費者がキャッシュレスでの支払い方法を求めているのに対し、日本では依然として過半数の消費者が従来型のレジによる支払い方法を好ましいと感じていることが明らかになった。同社は「日本ではキャッシュレス化への消費者の意識や必要性がまだ高まっていない状況にある」と分析している。
日本ではポイントプログラムなどが購買を促す要因に
また、買い物をする際に大切な要件を聞いたところ、日本では70.8%の消費者が「ポイントカードなどの優待プログラム」が重要と感じているのに対し、米国では「お買い得感」(68.6%)や「他にはない商品」(54.9%)が重要と答えた人の割合が高く、中国でも半数を超える人が「お買い得感」(57.4%)、「他にはない商品」(51.8%)と答えていることが分かった。
この結果から、日本のショッピングではポイントプログラムなどが購買を促す要因となっていること、ショッピングの際に優待制度の有無を重視していることが分かる。
ショッピング体験の質や内容を高めることが必要?
同じ販売店が運営する店舗とオンラインショップで同じ会社のサービスという印象を受けるかどうかの質問では、日本では、店舗以外の販売チャネルでは、店舗と同等のサービス体験を受けていると感じる割合が他国に比べて低く、「できているとは感じない」という回答が3割を大きく超えた。このことから同調査では、「購入価格や在庫情報などを含めた、顧客のショッピング体験の質や内容を統合管理していくことが、日本の小売業でより必要とされている可能性があることが推察できる」としている。
好ましい到着日、日本は「翌日着の宅配便」
また、オンライン購入時の配送費について、配送費に抵抗感があるかどうかの質問に対しては、中国では「いつも抵抗感はない」(34.8%)、「同日/翌日配送ならば抵抗感はない」(34.8%)との回答が合計で約7割近くに達した。また、中国で「抵抗感がある」と答えた人は4.6%と極めて低かった。一方、日本では「購入するものによる」(39.2%)、「抵抗感がある」(22.8%)、米国では「購入するものによる」(35.8%)、「抵抗感がある」(31.9%)との回答が多かった。
好ましい商品の到着日についての質問では、日本では「翌日着の宅配便」を選択した人の割合が59.2%と最も高く、米国と中国では「2営業日以降着の宅配便」(米:66.5、中:58.6%)が占める比率が高かった。これらの結果について同社は、「国土面積の広さや、宅配便など配送システムの普及状況などにより、消費者の要求に違いが現れている可能性がある」と分析し、さらに詳しい調査が必要だとしている。
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