「１０日間でまさかの２カップＵＰ！」などの表示に根拠なし

　ＧＬＯＲＩＡでは「ｐｉｎｋｙ　ｐｌｕｓ」について、ＰＣサイトやスマホサイトのランディングページ（ＬＰ）に、容易に豊胸効果が得られるかのような表示を行っていた。「ツイッターやｆａｃｅｂｏｏｋで話題のバストアップサプリ！」「『プエラリア』で満足できなかった女性」「９４％が２カップ以上ＵＰを実感」「１０日間でまさかの２カップＵＰ！」「２大豊胸成分を１粒にギュ～っと濃縮！」「うつむくと胸が邪魔して下が見えない！」「生活習慣改善」「成長ホルモン分泌促進」「バストアップが成功する条件をクリア」「ハリ」「弾力」「美肌」「ツヤ」「理想のバストがあなたのものに！」などと表示していた。

　ただ消費者庁が不実証広告規制に基づき根拠を示す資料を求めたところ、「含有されている成分に関する文献などが提出されたが、表示を裏付ける合理的な根拠とは認められなかった」（表示対策課・食品表示対策室阿部洋介室長）と言う。

　消費者庁が違反を認定した表示期間は、１６年９月９日から１７年９月２８日まで。命令内容は、「違反の内容を一般消費者に周知徹底する」「再発防止を講じ、社内に周知徹底する」「今後同様の表示を行わない」−-ことの３つ。  ＧＬＯＲＩＡでは「命令内容を真摯に受け止め、再発防止に取り組んでいく」としている。「ｐｉｎｋｙ　ｐｌｕｓ」については「現在販売を中止しており、販売再開をするかどうかは今後検討していく。このまま終売とする可能性もある」（同社）と言う。

　バストアップサプリ関連では、１７年３月に（株）ミーロードに景表法の措置命令が出されている。そのほか、バストアップ訴求の健康食品原料「プエラリア・ミリフィカ」についても、１７年７月に国民生活センターから「健康被害を引き起こす恐れがある」などとして注意喚起がなされたり、厚労省と消費者庁から保健所などに宛て、健康被害の発生状況等を調査するよう通知が出されていた。

食品表示対策室の阿部室長は７月末付で異動

　なお、本件や「肥満効果」をうたうサプリに関する措置命令の記者会見に臨んだ阿部室長は、７月末日付で大臣官房国際部国際経済課通商交渉情報分析官兼消費・安全対策局消費者行政・食育課付に異動となる。阿部室長は農水省・北海道農政事務所旭川支局長などを歴任した人物。食品表示対策室長としては、抗加齢協会のイベントなど、健康食品や機能性表示食品の広告規制に関するセミナーにも精力的に登壇した。

（古川　寛之）