国民生活センターが8日発表した「PIO-NETにみる消費生活相談の概要」によると、17年度の「化粧品」「健康食品」の相談は16年度に引き続き増加していることがわかった。特に「お試しだと思ったら定期購入だった」という相談が依然として多く寄せられている。また、「通信販売」に関する相談の全体に占める割合は約33.7%で、販売購入形態別では最も多かった。
定期トラブル、17年度の相談件数は1万8497件
国セン、「PIO-NETにみる消費生活相談の概要」を公表
同調査は、全国消費生活情報ネットワークシステム「PIO-NET(パイオネット)」によって収集した17年度の消費生活相談情報をまとめたもの。同センターでは「17年度のPIO-NETにみる危害・危険情報の概要」「17年度の越境消費者相談の概要」についても併せて公表している。
「PIO-NET」への相談件数は約93.7万件で16年度に比べて増加。中でも利用した覚えのないサイトから利用料を請求される「架空請求」に関する相談が、約19.9万件と前年度から倍以上に増加した。
商品ジャンル別では、「化粧品」が第3位となり、消費者がホームページやSNSなどで広告を見て、「お試し価格」「初回無料」など通常価格より安い価格で購入したところ、実際は定期購入契約だったという相談が増加した。定期トラブルに関する17年度の相談件数は1万8497件だった。同様の相談は、第12位の健康食品でも寄せられている。また「紳士・婦人洋服」が第5位となり、インターネット通販で洋服を注文した際に粗悪品が届いたり、商品が届かなかったりするケースが見られた。
豊胸サプリや酵素サプリ摂取で体調不良招いたケースも
「危害・危険情報の概要」では、17年度に寄せられた危害情報が1万1265件(前年比410件減)、危険情報が3251件(同332件減)だった。
危害情報は、商品別では第1位は「食料品」で3022件(26.8%)、第2位は「保健・福祉サービス」で2634件(23.4%)、第3位は「保健衛生品」で2227件(19.8%)だった。
相談の一例として、「プエラリア・ミリフィカを含んだ豊胸サプリメントを飲んだら生理が止まり、飲むのを止めたら体調が戻った」「ネット通販で酵素食品を購入し、3日間程飲んだところで下痢をした」などがあった。
CCJ相談、海外ECの解約・決済関連のトラブル多く
17年度国民生活センター越境消費者センター(CCJ)に寄せられた越境消費者取引に関する相談については、相談件数が4086件に拡大した。相談内容の97%は「オンラインショッピング」に関するもので、決済手段に関する相談では「クレジットカード決済」に関するものが77%と約8割を占めた。
トラブル別では、「解約トラブル」が36%を占めたほか、「詐欺疑い」が18%、「商品未到着」が10%、「模倣品到着」が8%となった。商品・サービス別では「衣類」「履物」「身の回り品」が多かった。トラブルのあった事業所在地(※判別できたもののみ)については、「アメリカ」が31%で最も多く、次いで「中国」13%、イギリス8%の順だった。
■国民生活センター「17年度のPIO-NETにみる消費生活相談の概要」
■国民生活センター「17年度のPIO-NETにみる危害・危険情報の概要」
■国民生活センター「17年度の越境消費者相談の概要」
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