(株)メルカリが11日発表した「60代以上のフリマアプリ利用実態」調査によると、60代以上のフリマアプリ利用は、単に「お金を得る」ためではなく、他者との「つながり」のためにフリマアプリを利用している傾向が見られた。
60代以上のフリマアプリ利用者、平均資産額は約2500万円
「60代以上のフリマアプリ利用実態」の調査は、全国のフリマアプリ利用者・非利用者1648人を対象に実施した意識調査によるもので、調査期間は19年2月16日。監修は慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科前野隆司教授が担当した。
同調査によると、60代以上のフリマアプリ利用者の平均資産額は約2500万円で、非利用者より約400万円多いことが判明。利用者の平均資産額は約2500万円で、非利用者は約2100万円だった。また、フリマアプリ利用者の半数が「歳を重ねても働き続けたい」と回答。一方、非利用者は38.8%にとどまるなど、利用者は非利用者と比較して就労意欲が高いことがわかった。
60代以上と20代の比較では、「インターネットやWEBサービスを使いこなしている」と答えた人の割合が、60代が61.7%、20代が61.4%となった。この結果から同社は、60代以上のフリマアプリ利用者は20代と同程度「インターネットやWEBサービスを使いこなしている」としている。
60代以上は「社会とのつながり感じた」が20代の約3倍
他に、フリマアプリ利用後の意識の変化を60代以上と20代とで比較。60代以上がフリマアプリの利用を始める目的として、「不要品の処分」(79.6%)、「欲しいものをお得に購入」(51.7%)、「お金を得る」(35%)と答えているのに対し、20代は「お金を得る」(71.6%)、「不要品の処分」(67.7%)、「欲しいものをお得に購入」(38.8%)と答えた。「お金を得る」という利用目的では、60代と20代との間で約2倍の意識差が見られる。その一方で、フリマアプリ利用後の意識変化については、フリマアプリ利用で「社会とのつながりを感じるようになった」と回答した60代以上の人は、20代と比較して約3倍に上った。
実際に、60代以上の利用者の個別意見として、「大きな壺を数点ずつ出品したが、購入してくださった人とは今も交流が続いている。使ってくれる人がいることがお金を得ることよりうれしい」(74歳男性)、「日本中の購入者・出品者等、他者とのコミュニケーションを取れることに喜びを感じる」(72歳女性)、「生きがいができたように思うし、人と人とのつながりの大切さも実感するようになった」(62歳男性)などの声が得られている。
こうした結果について、前野教授は「60代以上のフリマアプリ利用は『お金』のためではなく『つながり』のためであるという傾向が明らかにみられる。また、フリマアプリを利用するシニアは利用しないシニアよりもリッチで働く意欲が高い。リッチな人はモノ・心ともに余裕があるので、その結果としてフリマアプリを利用したとも推測できる」と分析している。
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