2019.05.20 コラム
20年には市場規模109兆円!急成長中の市場、越境ECとは?
世界的に通販市場が拡大していることや、一時の中国の「爆買い」が終焉したものの、依然として訪日外国人のインバウンド消費が拡大していることもあり、日本の商品を海外でも購入できる越境ECで、日本の商品が売れ行きが好調です。また、越境ECを利用して海外に商品を展開する日本国内の企業も増えています。今回は世界のユーザーや事業者からも注目を集めている越境ECについて、詳しく解説していきます。
越境ECとは?
越境ECとは、海外でECサイトを展開して、商品の販売やサービスの提供を行うことです。
今までは、海外へ販路を広げる際には、現地で法人の設立や商品を販売してくれる取引先を探さなければいけなかったので、膨大な時間とコストが必要でした。しかし、海外でECサイトを展開する越境ECを利用すれば、今までよりも少ない時間とコストで簡単に海外に販路を広げることができるようになりました。
成長過程にある越境EC市場
2018年の世界の越境EC市場は、約74兆円といわれており、2020年には109兆円まで達すると予想されています。このうち、地域別では中国を中心とするアジア太平洋地域が約4割を占めており、西欧と北米が約1割、その他が約0.6割となっています。
特に、中国市場は非常に大きく、経産省による電子商取引に関する調査では、中国の越境EC市場は2兆7566億円で、このうちの1兆2070億円が日本商品の購入額となっており、越境EC市場の約半分を日本商品が占めています。このデータから、中国で、いかに日本商品が人気なのかがわかります。
越境ECの拡大理由
なぜ、越境ECが拡大しているのか?その主な理由を4つ紹介します。
日本市場の縮小などで海外展開が加速
日本のEC市場では、競合商品が多く、価格競争になることが多い。しかし、海外では競合が少なく、品質の高い日本商品はニーズが高い。なので、日本ではあまり人気のない商品出会っても、海外市場では珍しい商品となり、日本のECサイトと比べ、売れる可能性が高くなる。このような背景から、多くの企業が海外市場に注目している。そして、現地に法人を持たなくても海外販売ができる、越境ECを開始する企業が増えてきている。
EC市場の世界的な拡大
インターネット、そしてスマートフォンの普及によって、いつ、どこにいてもショッピングを行うことができるようになりました。また、安価でスマートフォンを手にできるようにもなり、多くの国でスマートフォンからインターネットにアクセスできるようになりました。
スマートフォンの利用者が増えることにより、多くの人がECサイトを利用するようになります。また、世界的に市場を拡大させているAmazonや、T-mallやJD.comといった中国企業のECサイトがアジア市場で拡大していることなどにより、世界的にECが定着化しています。結果として、インターネット・スマートフォンの普及が越境ECの拡大へと繋がっているといえます。
日本商品の世界的なニーズの高まり
日本商品はその品質の高さから、世界的にもニーズが高いです。越境ECを利用すれば、そんな日本商品を、海外の消費者は日本に訪れる必要がなくなるので、積極的に日本商品を購入するようになります。また、訪日外国人による、インバウンド消費では、一度購入した商品を気に入れば、越境ECでリピート購入をすることができます。このように、わざわざ日本に行かずとも日本商品を購入することができれば、消費者側からしても、非常に便利です。
中国市場で越境ECの規制緩和
また、中国で越境ECが盛んになったは例を挙げると、中国政府が規制緩和し、貿易港に自由貿易区を設けたことが大きく影響しています。この貿易区の倉庫に持ち込まれる海外商品は関税が緩和され、保税倉庫への商品の配送が簡単になりました。中国と日本は、距離的にも近く、商品の配送の時間・コストが大幅に削減されたことから、日本企業も越境ECを開始し、出店する企業が急増しています。
規制緩和は、日本商品の販売コストを押し下げる効果もあり、中国人消費者にとって、日本商品を越境ECで購入することが、一般的なものになりつつあります。数年前の爆買いブームが終焉したのは、多くの企業が越境ECで出店したことによって日本の商品が安く購入できるようになったことが、大きな理由の1つになっているといわれています。
越境ECを開始する方法
越境ECは、5つのタイプに分類することができます。代表的なサービスとともに、順番に1つずつ説明していきます。
(1)海外事業者が運営する大手ECモールへの直接出店
代表的サービス:Amazon.com、eBay、Qoo10、T-mall、JD.com、Lazada.com
Amazon.comなどの、すでに海外事業者が、運営しているECモールに直接出店する方法です。自分で1からサイトをつくる必要性がないので、ECモールに出店後すぐに、商品を出品することができます。
(2)日本企業が運営するECモールに出店
代表的サービス:Rakuten Global Market、豌豆公主(ワンドウ)、24ABC、Zenplus
日本企業が運営するECモールなので、日本人によるサポート対応などがあるので、海外事業者が運営するECモールに比べると、言語に関する問題がなく、商品を出品することができます。しかし、海外事業者が運営するECモールに比べると、集客力が劣ってしまいます。
(3)越境EC代行サービスを活用
代表的サービス:越境EC X、越境EC運営代行・国内向け支援サービス(飛躍)、越境ECサポートサービス(ブランジスタ)
越境EC代行サービスでは、代行会社にもよりますが主に、海外のECサイトの運営や配送、現地購入者へのカスタマーサポートなどの作業を代行してくれるサービスです。
(4)越境EC連動型のECシステムを活用
代表的サービス:shopify、LaunchCart
越境EC連動型のECシステムを活用することによって、海外の消費者が、日本で運営しているECサイトから商品を購入することができるようになります。
(5)自社のECサイトから海外に配送
代表的サービス:Buy Smart Japan、Tenso、World Shopping BIZ
自社のECサイトを、海外消費者向けの購入代行サービスである、Buy Smart Japanなどに登録することによって、海外消費者が商品を購入後、海外に商品を配送してくれます。
・まとめ
今後も成長が見込まれる「越境EC」。海外に新しくECサイトを作成しなくても、代行サービスなどを利用することによって、既存のECサイトでも海外の消費者に商品を販売することができます。利用する際には、いくつかの注意点がありますが、今後の成長度合いを考えれば、メリットのほうが大きいです。インターネット・スマートフォンが普及した今、越境ECに挑戦してみてはいかがでしょうか。
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。
資料DLランキング
-
1
【EC事業者様向け】ECを最短で軌道に乗せる最新のソリューションとは?
-
2
2024年プライムデー速報
-
3
越境ECウェブインバウンド白書2024
-
4
EC売り上げを最大化するマルチチャネル商品戦略
-
5
ECでの商品購入に直結するデジタル広告の実態調査
ニュースランキング
-
1
楽天グループと日本ロレアル、パートナーシップ契約締結へ合意
-
2
年末年始に消費したいもの、「外食・旅行」の割合が増加
-
3
コスメ際「@cosme BEAUTY DAY」、限定アイテムなど最新情報を公開
-
4
モルカー×ゴディバのZOZO箱、ランダム梱包で配送開始…限定100万個
-
5
レシピと食材をセットに…Oisix「手作りおせち」の予約受付開始