2019.07.03 通販支援
BtoBでなぜ「ASP型のWEB受発注システム」が利用されるのか?
BtoB(卸売)のネット通販市場が活性化している。経済産業省の調査によると、2018年のBtoB-EC市場は、前年比8.1%増の344兆2300億円で、BtoC-EC(17兆9845億円)の約20倍となった。それでも、BtoB(卸売)企業の全体からすると、大部分の企業が、電話やFAXでの受発注をメインにしている。ところが、最近になってBtoB向けの受発注システムを利用し始めるケースが増えてきた。BtoB専用受発注システム「サブスクストアB2B」を4月に開始したテモナ(株) B2B事業部長の細田和宏氏に、BtoB-EC市場の現状や「サブスクストアB2B」の可能性について聞いた。
テモナ(株) B2B事業部長の細田和宏氏
独自開発システムからクラウド型に切り替えも
なぜ今になって受発注をネット上のシステムで実施する企業が増えているのか。そこには働き方改革により業務を効率化する風潮が出ていることなど、さまざまな要因があるという。
細田氏は「ほとんどのBtoB(卸売)企業は、いまだにFAXや電話での受発注のみで運営しているケースが多いです。その中で、いち早く受発注をシステム化した企業も、システム開発会社に依頼した、独自開発のシステムを利用している企業が多く、大規模になると、システムに数億円の投資をしているケースもあります。新しい機能を入れようとすると、既存システムのリニューアルに多額の費用がかかるため、そのままの機能で独自システムを継続して利用している企業も少なくありません。
ただ、独自に開発したシステムでできることは現在、ASP型のサービスで行うことが可能です。既存のシステムへの機能追加で多額の費用を支払うより、ASP型サービスを活用した方が大幅にコストを削減できるということがわかってきましたので、ASP型の受発注システムを利用する企業が増えてきました」と語った。
旧来の商習慣から脱却する会社も
また、受発注をアナログで管理し、電話やFAXによる受発注を継続している会社もいまだに多い。「BtoBの取引は多種多様の取り決めがあり、電話やFAXなどによるアナログの受発注を行い、エクセル等で管理をしている場合、非効率でミスも多くなります。ネット上のシステムを使えば、劇的に改善できるのですが、過去から続いている商習慣をなかなか変えられずにいました。ただ、現在は働き方改革の影響や、書類を紙でなく電子媒体で保存する会社も増えてきていること、受発注管理システムが低コストで使用できるようになったことなどから、ネットでの受発注を推進していく傾向になっています」と話し、ようやくアナログから脱却する企業が出ているのだという。
BtoB受発注システムで3つの効果
細田氏によると、アナログ管理を行っている企業が、ネット上の受発注システムを利用すると、コスト削減、業務の効率化、売上拡大という3つの効果があるという。
細田氏はあるベーカリーの事例を挙げた。そのパン屋では、毎回、定期的に専用の小麦粉を発注しているのだが、忙しくなるとつい発注を忘れ、残り少なくなってから気付いてFAXで注文し、発注先から「その納期には間に合わない」とトラブルになることが多かったという。
こういったケースは、注文する側もされる側もお互いに業務に負担がかかってしまうが、定期発注が可能なシステムを導入すれば、解決する。こうした課題は、飲食業や雑貨など小売業で多い。最近はスマートフォンで受発注を行う店舗が増えているという。
「サブスクストアB2B」の特長とは?
そのようなニーズに応え、クラウド型のBtoBの受発注管理システムは増えつつあるが、どのようなサービスがいいのだろうか。テモナでは、BtoCの定期通販システム「たまごリピート」で培ったノウハウをベースに開発したサブスクリプション対応のBtoB受発注システム「サブスクストアB2B」を提供している。
「サブスクストアB2B」は、BtoBの取引に必要な機能をワンストップで提供するクラウド型のシステムで、受注管理から出荷管理、商品管理、顧客管理、請求・入金管理、問い合わせ・販促・広告管理まで、BtoBでの取引に必要なあらゆる機能を取り揃えている。ショップ画面や管理画面はスマートフォンでも確認でき、スマホから簡単に操作できる。
細田氏は「『サブスクストアB2B』は、市場にある受発注管理システムと比較して、定期注文に対応していることや、自動の販促メールを配信するCRM機能、問い合わせ対応、広告管理など、BtoCの便利な機能が実装されている点が強みです。それに加え、請求書の管理・作成、入金管理機能という販売管理ソフトの提供する範囲もカバーしています。これらの機能をワンストップで提供しているBtoBのシステムは『サブスクストアB2B』以外にないと思います」と、サブスクストアB2Bのメリットを語った。
サブスクストアB2Bで請求書の概念が変わる?
また、請求、入金管理についても特長がある。「『サブスクストアB2B』の導入企業は、掛け率や締め日の管理、決済方法の選択など、全般的な顧客管理ができ、注文情報や出荷管理も行えます。さらに、請求書の管理・作成から入金管理まで行うことができます。特に請求については、顧客のマイページに請求書のPDFデータが自動で格納されるため、請求書を送付するという概念がなくなり、請求書の印刷・封入の作業や郵送コストもなくなります。郵送してほしいという企業は、請求書を管理画面からダウンロードして、発送すれば済みます」(細田氏)と話す。
数百通単位の請求書を発行・送付している会社もあり、こういった会社がサブスクストアB2Bを導入すれば、作業に関わる人件費や郵送コストを大幅に削減できる。
BtoBならではの取引にも細かく対応している。細田氏は「WEBでの受注なので、通常は注文が入ると自動的に取引が発生してしまいます。取引先の情報(反社チェック等)を確認してから取引を開始したいケースもあるので、承認制の機能を設け、管理画面上で承認をしないと注文ができないという機能もあります。また、取引先ごとの掛け率設定や、商品の表示・非表示の選択も可能です。例えば、販売する通販サイト側に、西日本の限定商品であれば、東日本の顧客がアクセスした場合にその商品を非表示にしたり、細かい設定ができます」と話した。
これらの機能は開発時に、「売上を向上させる機能」、「工数を削減して効率化する機能」、「買う側の満足度が上がる機能」という3つの機能に集中した結果だという。細田氏は「これからも随時、新しい機能を追加していきます」としている。
BtoB(卸売)企業は、取引先に負荷をかけているアナログの受発注を、両者が効率化するWEB受発注に切り替える時期に来ている。そのWEB受発注システムの導入については、リスクが少ないASP型であり、必要な機能がすべて揃っているBtoB専用の受発注システムである『サブスクストアB2B』が、中小企業を力強く支える費用対効果の高い選択肢と言えるだろう。
(山本剛資)
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。
資料DLランキング
-
1
【EC事業者様向け】ECを最短で軌道に乗せる最新のソリューションとは?
-
2
2024年プライムデー速報
-
3
越境ECウェブインバウンド白書2024
-
4
EC売り上げを最大化するマルチチャネル商品戦略
-
5
ECでの商品購入に直結するデジタル広告の実態調査
ニュースランキング
-
1
Rcawaiiで「Happie nuts」復刊キャンペーン
-
2
年末年始、4割が帰省・旅行を中止に…電子マネーでお年玉送金も
-
3
アマゾン、2020年~23年に静岡県へ総額55億円超を投資
-
4
【11月23日9時更新:物流配送状況】日本郵便/ヤマト運輸/佐川急便/西濃運輸/福山通運
-
5
ヤマト運輸、ポイント贈呈キャンペーン「宅急便大還元祭」を開始