ソフトバンク(株)の子会社であるSBペイメントサービス(株)はこのほど、ECサイト(物販、デジタルコンテンツ)における決済手段の利用実態に関するアンケートの結果を公表した。調査期間は昨年12月初旬の10日間。1年以内に物販サイトで商品を購入した10~80代の男女1986人と、デジタルコンテンツを購入した10~80代の男女1173人を対象にした。
ECサイトで利用する決済手段は「クレジットカード」が8割
ユーザーがECサイトで最も利用する決済手段は、物販サイトとデジタルコンテンツサイトとも「クレジットカード」が約80%と圧倒的。次いで「コンビニ決済」(6.6%)で、クレジットカード決済の浸透度の高さが顕著だった。この2つに次いで、男性は「代引き」、女性は「後払い」を選択する傾向が特徴だ。それぞれ、商品の受け取りと一緒に支払いができる点、手元に届いた商品を確認してから安心して支払いたいという傾向が表れているようだ。
物販サイトで顕著なのが、10~20代のクレジットカード決済の低さ。「そもそも持っていない」こともあるが、特に若年層のユーザーをターゲットとする場合は、クレジットカード決済以外の手段を用意する必要があるといえる。一方、デジタルコンテンツサイトでは、女性はコンビニ決済(10.4%)、キャリア決済(5.7%)の傾向が高かった。女性ユーザーの獲得による売上拡大を狙う場合は、コンビニ決済やキャリア決済の導入検討も重要になりそうだ。
ポイント貯蓄・カード明細で管理などでクレジットカードが人気
こんな理由で決済手段が選ばれている---- アンケートから。
〈クレジットカード決済〉
・手数料がかからず、クレジットカードのポイントも貯まるから(28歳/女性)
・セキュリティー面でも安心して決済ができるから(51歳/男性)
・楽だし、発送までのスピードが早いから(29歳/女性)
・カード明細が見られて、管理がしやすいから(53歳/男性)c
・現金の持ち合わせがなくても、後払いで対応できるため(48歳/女性)
クレジットカード決済は、ポイントを貯められる点や、カード明細を受けとって管理ができる点などが、ユーザーに選ばれる理由となっているようだ。
〈コンビニ決済〉
・クレジットカードを持っていないから(20歳/女性)
・家のすぐ近くにコンビニがあり、支払いがとても便利だから(28歳/男性)
・現金で支払いたいから(28歳/男性)
・クレジットカードの不正利用やスキミングを防ぐため(63歳/女性)
・クレジットカード情報をむやみに入力したくない(32歳/女性)
コンビニ決済の場合、コンビニエンスストアを頻繁に利用するユーザーにとっては比較的メジャーな決済方法のよう。クレジットカードの利用に不安を感じている人も見受けられた。
〈キャリア決済〉
・手軽に支払いが出来るから(34歳/男性)
・携帯料金とまとめて支払えるのが楽だから(24歳/女性)
クレジットカード決済よりも簡単にPCやスマートフォン上で決済を完了できる手軽さや、携帯料金とまとめて一括で支払いができるといった利便性の高さが理由のようだ。
〈プリペイドカード決済〉
・チャージした分だけ使えるので、使い過ぎ防止にも役立つ(19歳/男性)
・クレジットカードは持ってなく、手数料がかからず少額決済に便利(47歳/男性)
・ゲーム提供会社の指定のうち一番使い勝手が良いから(60歳/女性)
デジタルコンテンツでは、電子書籍やゲームなどのユーザーは未成年の割合も高いため、クレジットカードを持っていない、チャージした分だけ安心して利用できるという理由が多い。
物販サイトでは6割が「いつも利用する決済手段がないと購入しない」
では、ユーザーが最も利用する決済手段が対応していない場合、どうするのか。物販サイトでは62.5%のユーザーが購入しないことが判明。物販サイトに比べると独自の商品、サービスが多いデジタルコンテンツにおいても、51.5%が購入しないことが分かった。いずれのユーザーも当該サイトでの購入をやめ、希望する決済手段が利用できる他のECサイトで同じ商品、サービスを検索し、購入する傾向が見られた。これらの結果から、SBペイメントサービスは、ユーザーの購入率向上には、自社ECサイトのターゲット層を理解し、必要な決済手段を見極め、適切な決済手段を導入することがポイントになると分析している。
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