2019.10.16 コラム
リピーターと新規顧客、マーケティングではどちらを優先すべきか
ネットショップでの通信販売などに限らず、全てのビジネスにおいてリピーターは重要といわれています。
「2:8の法則」にも代表されるように、サービスや商品を繰り返し利用してくれるファンの存在が、企業の収益の大部分を占めているのが好ましいとされています。
実際に、「リピーターを大切にし、特別に扱うべき」と指南する記事も多く見られます。
とはいえ、スタートアップの段階では新規顧客を増やすための施策も重要です。
結論、新規顧客もリピーターも大切にするべきです。しかし、この時に大切なのが「新規顧客のセグメント(分類)」です。新規顧客の中には、一時的に増加する流行客も存在するため、この層を深追いすることは得策とはいえません。
この記事では、ひとくくりに捉われがちな新規顧客の詳細について解説していくとともに、新規顧客・リピーターそれぞれに向けたマーケティングについて、改めて解説していきます。
また、リピーターを作り出す3つのポイントについても紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
そもそもリピーターの定義とは
まずはリピーターの定義を明確にしましょう。リピーターとは、自分たちの商品やサービスに愛着を抱き、継続して利用してくれる存在です。
言うまでもなく、全てのリピーターも最初は新規顧客です。その中でも、リピーターは最初の顧客体験が良好で、「自分が求める価値を提供してくれる」と確信するポイントが合ったと考えられます。
つまり、リピーターを増やすためには、新規顧客がどのような過程で「今後もこの商品(サービス)を利用しよう」と思うに至ったかを突き止めることが大切です。
新規顧客がリピーターになるまで
バイヤーズリモースを乗り越えた顧客層
「バイヤーズリモース」とは、商品を買った後に生じる「本当にこの商品を買って良かったのだろうか」という後悔や不安に近い感情のことです。
新規顧客であれば、程度の差こそあれ、バイヤーズリモースが生じると考えられます。
つまり、自社が提供する製品やサービス、アフターフォローによって、このバイヤーズリモースを払拭できれば、顧客は継続して購入をしてくれるようになる可能性があります。
なぜなら、顧客にとっても他の同業種と比較し、選別するプロセスは非常に労力を要するものだからです。
新規顧客を獲得するためには、まずは顧客の「選ぶストレス」を軽減し、バイヤースリモースが大きくならないようなサービスを提供する必要があります。
リピーターの価値を再確認する
バイヤーズリモースをくぐり抜けたリピーターは、自社にとって非常に多くのメリットをもたらしてくれます。
こちらから積極的なマーケティングをせずとも、消費行動を起こしてくれるからです。また、一度に多くの製品を買い置きしてくれる可能性もあります。定期購入などのサービスを利用してくれる確率も高まります。
リピーターの中でも、商品やサービスに格別の愛情を持つファンになってくれれば、MOM(口コミ)によって、自社の存在を拡散してくれる存在にもなり得ます。
実際に、インフルエンサーをはじめ、遠く有名な存在の人が「良い」というよりも、周りにいる身近な人たちの消費行動に影響を受けやすいことが分かっています。
このように、ビジネスの観点からみても、リピーターは自然かつ強力な広告になってくれる可能性があるのです。
2種類の新規顧客。「流行客」と「初回客」
リピーター客を作り出す上で、もちろん新規顧客に向けたマーケティングは欠かせません。
ただ、見極めるべきなのが、流行客か初回客のどちらであるかという点です。
流行客とは、セールやキャンペーンなどに反応して購入をした顧客層を指します。一概にはいえませんが、「ただ安いから」という理由で、購入に至った可能性が高いのです。
流行客を増やすために、無理にキャンペーンや割引を続けることは利益率を下げてしまうことにもなるため、注意するべきです。ただし、継続して購入することのメリットを見出してもらうなどの一定努力は必要です。
一方で、初回客とは、自身の判断軸を元に購入をした層です。
リピーターを増やすためには「なぜ、初回客が買ってくれたのか」を考えましょう。
初回客が少ない場合は「なぜ少ないのか」を考え、自社サービスや商品の魅力が適切に伝わるような施策を打ち出す必要があるでしょう。
初回客をリピーターにするためにできる3つのこと
1 「WHY」の部分で共感を得る
ここでいうWHY(理由)とは、アメリカの著名講演家サイモン・シネックが提唱する「ゴールデンサークル」の中で登場するコンセプトのことです。
「WHY」とは、「なぜ、自社が存在するか」「なぜ、その商品やサービスを提供しているか」という本質的な問いのことです。
このゴールデンサークル理論については、上記講演動画をぜひご覧ください。
企業のWHYに共感をして消費行動を起こしてくれる人は、「その製品を使っている自分」そのものに価値を見出すため、有料顧客になる可能性が見込めます。
そのため、ホームページ上に理念やスタッフの姿勢、顧客に対する想いなどをしっかりと明記しておくことも大切です。こうした企業の想いに反応する層も一定数いるということを踏まえ、サービスを展開していきましょう。
2 定期的に購入することのメリットを与える
次に、リピーターが求めるのは「お得意様」として扱ってもらえること。定期購読できるメルマガや会員誌や会員限定のイベントやセール情報などを提供し、新規顧客と明確な区別をしていくことは大切です。
特に取り扱う商材がサプリや日用品など、定期的に消費されるものであれば、定期購入による割引キャンペーンなどを打ち出していくことも大切です。
3 リピーターを飽きさせない
3つ目に大切にしたいポイントは「リピーターを飽きさせない」ということです。
定期的なサイトリニューアルや季節に応じたキャンペーンなど、リピーターを飽きさせないための工夫を凝らしていく必要があります。
そのほか、リピーターだけでのオフラインイベントなど、コミュニティの場を作り出すことで、顧客同士の結びつきを深めることもできます。
こうしたコミュニティはオンライン上でも作ることができます。例えば、食材や健康飲料が商材であれば、より美味しく味わうための創作レシピをユーザーから募るなど、様々なアイディアが考えられます。
リピーターを得るためのブランディングを
前章の3つでお伝えしたことは、リピーター獲得のための単なるハックではなく、自分たちのブランディング(差別化)を図る上でも重要です。
リピーターに対して満足感を与えるだけでなく、新規顧客に向けてのリワード(定期的にサービスを利用することのメリット)としても示すことができます。
自分たちの顧客層を見て、新規顧客(特に流行客)が多い場合は、自社のブランディングを再考することが、リピーター獲得への近道になるでしょう。
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