楽天(株)は15日、ファッション領域での新構想『Rakuten Fashion』の実現に向け、ファッション産業で活躍し、ノウハウを持つプロフェッショナルを迎えた「有識者会」の設立を公表した。有識者・アパレル企業との連携を深め、ブランドとユーザー双方に魅力的なプラットフォームへの進化をめざす。同日、都内で記者発表会も実施した。
記者発表会のようす
(写真左から、マッシュHDの近藤広幸社長、楽天・三木谷氏、GINZAの元編集長・中島敏子氏、(株)ジュンの佐々木進社長)
楽天ブランドアベニューは楽天ファッションに、UI/UX刷新…実店舗送客も
『Rakuten Fashion』はファッション関連事業者を、デジタル面を中心にワンストップで支援するとともに、ファッション領域において付加価値の高いサービスをユーザーに提供するプラットフォーム構築をめざす新構想。あわせて、「Rakuten BRAND AVENUE(楽天ブランドアベニュー)」は「Rakuten Fashion」に改称。UI/UXの刷新も行った。記者発表会であいさつした三木谷浩史会長は「楽天は“場”。ファッションウィーク東京の冠スポンサーにもなった。その名に恥じないよう、東京ファッションの代表となるようなサイトにしていき、構想を実現させたい」と意気込んだ。
また三木谷氏は「ECだけでなくリアルの店舗にも送客していく。これも大きな取り組み」とも話した。
「Rakuten Fashion」構想は、楽天グループのアセットを活用し、需要予測、受注管理、決済などのシステムや、物流フルフィルメントサービス、海外販売支援サービスなど、商品の企画・生産から販売までを効率化するデジタルソリューションをワンストップで利用できるようにする。よりオープンなプラットフォームを構築し、ファッション産業のさらなる活性化を図ることが狙いだ。
ファッション事業者からは「楽天スポーツ領域」「他ブランド」のコラボに期待する声
新構想にはファッション関係者から様々な期待が寄せられている。各社からの期待の声は下記の通り。
「他社のブランドとクロスコーディネートしたファッション特集の企画の実施。1ブランドではできない見せ方・提案を一緒に挑戦してみたい」(株式会社ジュン アダムエロぺ事業部 EC担当課長 雨宮丈洋氏)
「東北楽天ゴールデンイーグルスやヴィッセル神戸のグッズやアイテムを参加ブランドがアレンジして発売するなど、ファッションとスポーツの融合を試みたい!」(同・ピス事業部 企画 伊藤亜美氏)
「FashionWeekスポンサーサイトとして、コレクションブランドがすべて集結して購入できるような、日本のFashion=Rakuten Fashionというイメージが定着することを期待します」(株式会社マッシュスタイルラボ MD本部 副部長兼SNIDEL-CERFORD担当 前田知佐氏)
「日本のファッションを共に盛り上げていただきたい。各ブランドの価値観を高めていける存在、場となり、商品価値を下げずに、ブランド価値を伝えるマーケットの確立を是非お願いしたい」(株式会社ウサギオンライン 取締役副社長 塩澤亮氏)
11月1日付で有識者会を設立、GINZA元編集長などが就任
今回新たに設立した有識者会では、サイトデザインやユーザーコミュニケーションなどの強化に取り組むほか、アパレル企業との意見交換を積極的に行い、UI/UXの改善やサービス開発などを含めたプラットフォーム運営に反映していく仕組みの構築を進める。
有識者会の設立は11月1日。メンバーに、GINZA元編集長の中島敏子氏 (エグゼクティブ ファッション クリエイティブディレクター)、Numéro TOKYO編集長/ファッション・ディレクターの田中杏子氏 (アドバイザー)、スタイリストの熊谷隆志氏 (アドバイザー)の3氏を予定している。
有識者会メンバーからの期待の声は次の通り。
「クリエイティブでアイデアがつまった、メディアとしての発信力も期待します。このサイトにいけば東京のあたらしいものが見つかる、といった唯一無二のサイトに発展してほしいです」(田中杏子氏)
「新たなRakutenFashionに僕自身、期待に胸膨らませています。微力ながらお役に立てるよう、務めて参ります」(熊谷隆志氏)
「ファッションECの巨大勢力化」に期待する声も
記者発表会には、有識者会メンバーである中島敏子氏が参加。楽天ファッション構想の賛同ブランドからは、(株)マッシュホールディングスの近藤広幸社長と(株)ジュンの佐々木進社長が登場した。
「ユニクロの普及で日本のファッションレベルは1段階上がったと思っている。楽天ファッションによって、日本のファッションレベルのレイヤーをさらにあげることに繋がるのではないかと期待している。ファッションによって明日を楽しくさせるためのプラットフォームとして成長してほしい」(中島敏子氏)
「楽天ファッションには長期間続くものになってもらい、ファッションにおける“登竜門”的な存在になってほしい。現在、日本のファッション業界は1強時代に突入してしまっているのではないかと感じている。巨大勢力が単一だと、ルール決めがプラットフォーマー主導になってしまいかねない。ただ、巨大勢力が複数あれば、切磋琢磨して健全な秩序やルールが生まれるのではないかと期待している。そんな中で、楽天ファッションはファン想いのサイトを実現し、巨大勢力になっていってもらいたい」(マッシュHD 近藤社長)
「楽天のファッション部門に対する本気や、商売に対する熱い姿勢を強く感じている。楽天の圧倒的な顧客基盤と有識者のクリエイティビティがかけ合わさると、とんでもないものが出来上がるのではないかと期待している」(ジュン・佐々木社長)
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