キューサイ(株)は16日、創業55年目を機に、コーポレートスローガンとロゴを刷新した。「青汁の会社」というイメージから脱却し、さらなる成長をめざす。同時に、新スキンケアブランド『Skinkalede(スキンケールド)』を新発売、主力商品の改称、企業サイトとショッピングサイトのデザインも一新する。そのほか、医薬品通販事業への参入することも明らかにした。同日、都内で記者会見を行い神戸聡社長が方針を発表した。
新ロゴを掲げる神戸社長、写真左の台に一新した主力商品や新商品が並ぶ
目指す姿は「脱・青汁だけの会社」
10月に創業55年目を迎えた同社は、「ケール青汁」や「ひざサポートコラーゲン」をはじめとするヘルスケア事業や、「コラリッチ」などのスキンケア事業を展開。ラインアップは現在80商品を超えている。18年度の製品別売上高の構成比はヘルスケア51%、スキンケア46%となっている。一方、同社の調査では一般消費者のイメージは「青汁だけの会社」という印象が根強く、イメージと事業活動の実態にギャップを感じていたという。
そんな中、同社は「青汁だけの会社」から、「お客さまのしなやかな生き方をかなえ、支え続ける会社」へとイメージ転換を図る。ロゴやコーポレートスローガンの一新に加えて
- 既存事業の進化
- 新事業の創造
- 顧客接点の拡大
に取り組んでいく。
新スローガンは「生きるを、しなやかに。」…ロゴも一新、青と緑の中間色を企業カラーに
新コーポレートスローガンは「生きるを、しなやかに。」。強固な強さではなく、どんなうねりの中でも柔軟に生きていくことができる「しなやかさ」をお客さまへ提供していきたい、そして私たちも「しなやか」な企業であり続けたいという姿勢や想いを表現した。
「一日一日を大切に、丁寧に、前向きに。季節の移ろいや時代の変化を楽しみながら、いつでも自分らしく。そんなお客さまのしなやかな生き方をかなえ、支え続けてまいります」
「生きるを、しなやかに。」を組み込んだ新しいロゴは、キューサイの「Q」が特徴的だ。「Question=常に問いかけること」「Quest=探求していくこと」「Quality=高い品質であること」の3つの想いを込め、そこから生まれる「´」は気づきを表すアテンションとして表現した。
コーポレートカラーには、同社の原点である青汁を想起する緑色と地球を想起する青色の中間色を採用。これまでの伝統と新しい未来への想いが融合した色となっており、「Q’SAIブルー」と名付けた。
キューサイグループとして一体感を醸成するため、グループ会社の(株)キューサイ分析研究所と(株)キューサイファーム島根も、あわせてロゴを刷新する。 なお、特定保健用食品(トクホ)を中心に通販を展開していた日本サプリメント(株)については「18年夏に売却している」(神戸社長)としており、現在キューサイグループは上記とキューサイ本体、投資会社の4社体制となっている。
主力商品「ケール青汁」は「ザ・ケール」にリニューアル
「既存事業の進化」に向けては、主力である青汁事業も大きく変革させる。青汁事業からケール事業へと移行し、主力商品シリーズ「ケール青汁」の商品名とパッケージをリニューアルする。商品名には、青汁を飲むということだけではなく、スーパーフードであるケールを摂るということの価値を提供したいという想いを込めた。2020年1月から順次、切り替えるという。
・「ケール青汁(粉末タイプ)」 ⇒「ザ・ケール」
・「はちみつ青汁」 ⇒「ザ・ケール+ハチミツ」
・「ケール青汁(粉末タイプ) 善玉菌プラス」 ⇒「ザ・ケール+乳酸菌」
・「ケール青汁(粉末タイプ) カテキンプラス」 ⇒「ザ・ケール+カテキン」
・「キューサイ畑の青汁」 ⇒「ザ・ケール マイルド風味」
・「ケール青汁(冷凍タイプ)」 ⇒「ザ・ケール 冷凍タイプ」
・「キューサイ繊維青汁ツージー」 ⇒「ザ・ケール ツージー」
・「粒青汁」 ⇒「ザ・ケール 粒タイプ」
04年の発売以来、ひざ関節の曲げ伸ばしを助ける商品として主力商品の一つになっている機能性表示食品『ひざサポートコラーゲン』のパッケージもリニューアル。機能性表示食品だからこそ可能な訴求をパッケージで全面に押し出していく。こちらも20年1月から順次、切り替えを予定している。
ケールの化粧品「スキンケールド」も発売開始、30〜40代女性取り込みへ
新たな化粧品ラインを投入する。「ケールの神秘を美しさに変える」をコンセプトに、「コラリッチ」に続くスキンケアの第2ブランド『Skinkalede(スキンケールド)バランシングローション』が誕生。第一弾として、ケールの成分をたっぷり閉じ込めた化粧水を16日に新発売した。さらにラインナップを追加していくという。200mlで約2か月分。通常価格は税込み4180円。
神戸社長によると「これまでも『コラリッチ』という化粧品ブランドを展開してきていたが、青汁のイメージが強すぎたこともあってか”キューサイの化粧品”という認知が今ひとつだった。青汁の原料でもあるケールを大々的にフューチャーした化粧品を持って”キューサイの化粧品”」と狙いを話す。加えて「『コラリッチ』は比較的シニア層からの支持が厚い商品。30〜40代の女性にも広く使っていただけるようなブランドにしていく」(神戸社長)と意気込む。「研究開発も進めており、強力なラインアップを順次拡充していく」ともしている。
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医薬品通販「キューサイ医薬堂」も始動へ…まずは常備薬の仕入れ商品から開始
新事業にも取り組んでいく。大きな動きとして、20年には医薬品通販事業に参入する。「まずは、いわゆる”常備薬”の仕入れ販売を行っていく。当社のお客さまには地方部に住み”買い物難民”に当たる方も少なくない。そうしたお客さまからのニーズに応えるべく医薬品通販を手がけていく。無論コールセンターには登録販売者を常駐させる。採用も進んでいる」(神戸社長)という。準備が整い次第、「キューサイ医薬堂」として始動する予定だ。
そのほか、グループ会社のキューサイ分析研究所も新事業を展開していく。食品遺伝子検査と味分析マリアージュに取り組んでいくという。「味分析マリアージュ」とは、味覚センサーによって味の組み合わせを検出・数値化して、例えば「赤ワインとミルクアイスの絶妙かつ美味な組み合わせ」といったような”マリアージュ”を編み出し、小売店や流通に対しての販売戦略提案を行っていくというものだ。
店販流通も拡大へ、既存顧客のロイヤリティ向上にも取り組み
顧客接点の拡大も進める。既存の顧客のロイヤリティを高めるべく「メンバーズシッププログラムの刷新」や、キューサイのファン同士が交流を深めることができるファンサイトの創設を行う。メンバーズシッププログラムについては、「例えばロイヤルサロンへのご招待を行うなど、お客さまと直接対面でコミュニケーションができる場を設けたい」(神戸社長)とした。
キューサイ商品の店販流通網の拡大も進める。21年までに、スキンケア商品を取り扱う店舗を280店舗(19年10月時点では92店舗)、ヘルスケア商品を扱う店舗を5000店舗(19年10月時点では114店舗)まで広げる構想だ。そのほか外食産業などに向けた業務用青汁の卸売りも拡大を図る。神戸社長は「店販、業務用商品を含めて卸売の部門と考えている。明確な数値目標は明らかにはしていないが、例えば売上高に占める比率にして10%など、会社全体においてインパクトの大きい事業に成長させたい」と話している。
親会社のコカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス(株)の18年12月期の決算によると、キューサイグループを中心に構成する同HDの「ヘルスケア・スキンケア事業」の売上高は前年同期比8%減の274億4400万円。事業利益は同6%増の53億3700万円だった。19年12月期中間期(19年1月–6月)決算では、売上高が前年同期比16.1%減の123億600万円、事業利益が43.7%減の16億円だった。
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