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通販業界は市場が拡大しているものの、ECの競争は激化し、WEB広告による新規顧客獲得がこれまで以上に難しくなっている。WEB広告の成果の指標となるCPA(Cost Per Action=顧客獲得単価)は、多くの通販会社のWEB広告で上がり続けている。レスポンスを上げるハードルが高くなったこの時代に、成果報酬型のオフライン広告サービスが成果を上げ、通販業界で利用する企業が急増している。紙のアフィリエイトとも言える新たな広告サービス「インターペーパー」を提供する(株)インターカラーの代表取締役藤澤孝氏に話を聞いた。
(株)インターカラー 代表取締役藤澤孝氏
通話時間で料金が発生、紙媒体の成果報酬型広告の利用が拡大
同社は新聞やラジオ広告などのオフライン媒体で、これまでになかった成果報酬型の広告「インターペーパー」を提供している。WEB広告では、注文があった場合に広告料が発生するアフィリエイトサービスが人気だが、「インターペーパー」は紙版のアフィリエイトといったサービスだ。オフライン広告の空き枠を活用し、まずは無料で広告を掲載。コールトラッキングのシステムを利用し、広告を見た人からかかってきた電話の通話時間を計測して、30秒以上になると電話1件当たりの広告費が発生する仕組みだ。30秒以上の電話は、ほとんどが注文につながる電話だという。
広告掲載料が無料で、リスクなしで信頼度が高い新聞に広告が出せることから、通販業界で利用企業が拡大している。利用企業は7月末の時点で327社となり、これまで掲載した商品数は531商品に上る。広告出稿企業の業種は美容、健康、食品の通販が中心となっている。
成果を上げるにはノウハウも必要
新聞などの紙媒体に無料で広告が出稿でき、成果報酬で課金されるという費用対効果が確実に見える有益なサービスだが、成果を上げるにはノウハウも必要だ。
藤澤氏は「電話1件あたりの料金は、お客様で設定することになりますが、1件あたり100~200円など、安い単価だと掲載できません。空き枠が発生した際、広告主を選択するのは媒体側なので、成果報酬の単価が高いクライアント様を選ぶ傾向があります。なので、目標のCPAと受注率を計算し、損をしない成果報酬単価でエントリーするのが肝となります」と語る。
商品にもよるが、例えば、CPAの目標が1万円で100件電話がかかってくるとしたら、電話で購入してくれる率が80%と計算すると、エントリーする金額は8000円が適正となる。過去の事例や商材、クリエイティブの内容などから、おおよその電話件数を計算し、損をしない成果報酬単価でエントリーすることが成功の秘訣だとしている。
また、健康や美容関連商材の場合、初回の購入を安くして、2回目でリピート購入をしてもらう流れを作ることが必須になるという。これはWEB広告でも同様だが、紙媒体では電話応対がキーになる。電話応対で新規購入者から信頼を得られると、その後のリピート購入につなげられる。このため、同社では優秀なコールセンターの紹介も実施している。
エントリーする成果報酬価格の設定や成果が出る広告クリエイティブ、コールセンターでの対応法など、新事業を展開するなかで培ったノウハウを、クライアントに提供すことで、多くの企業がインターペーパーを利用して成果を上げている。
3000件以上の受注でCPA1500円の事例も
では、「インターペーパー」を利用した通販会社は、どのような成果を上げているのだろうか。藤澤氏は「最も効果があった事例は、カステラなどのお菓子を販売するメーカーさんの事例です。3000件以上の問い合わせがありました。食品は季節商材で、カステラは秋から春によく売れます。秋口には、みかんを販売する会社様が2000件の電話がありました。電話の9割方が受注に結び付いています」と語った。また、「食品以外にも美容・健康に関する商品のレスポンスが高く、400件以上の成果が出た事例もあります」とした。
商品によって異なるが、平均の電話件数の目安は、食品は1000件以上で、美容・健康は100件以上だという。ただ、件数があってもCPAが高くては意味がない。電話件数とCPAを見ると、前述したお菓子を販売する食品通販企業のO社は、3405件の電話が入り、CPAは1500円だった。サプリメント販売企業R社は、103件の電話あり、CPAは2000円に収まった。また、化粧品販売企業のK社は、273件の電話で、CPAは1700円だった。WEB広告ではCPAが1万円以上かかることも多くなっているなかで、CPAが5000円以下になる成功事例が多数出てきている。
注文時の決済は後払い決済がメインで、個人情報を打ち込む心理的なハードルもなく、一旦、電話をかけさえすれば、購入率は平均で8割以上に上るという。
コールトラッキング活用で媒体側を説得
リスクがなく、効果が高い新たな広告サービスを提供し、利用企業を増やしている同社だが、なぜこのようなサービスを開発できたのだろうか。「弊社は以前、新聞広告を中心にした紙媒体の広告代理店でした。2010年には年商10億円にまで事業が拡大したのですが、そこから売上が右肩下がりになりました。WEB広告も開始しましたが、ライバル企業が強くてあまりうまくはいかかず、紙とWEBの知識を活かして、3年前にこの事業を思いつきました。2年前には新聞や雑誌の広告面に空き枠が目立つようになり、マネタイズ方法を考えました」(藤澤氏)と、新サービス開発のきっかけについて語った。
ただ、紙媒体のアフィリエイトを着想したのは先見の明があったが、実際にサービス化するには苦労が絶えなかったという。
「媒体側からは『空いた広告枠を有効活用したい』という話をよく聞いていたのですが、成果報酬型の広告には、やはり抵抗感がありました。最も大きな問題になっていたのは、オフラインではコンバージョンの確認がとりにくいという点。そこでコールトラッキングのシステムを活用し、電話が鳴った時点からの秒数を計測する仕組みを取り入れ、客観的な数値を示したところ、賛同していただける媒体が出てきたのです」(藤澤氏)と初期段階の苦労について語った。
提携する媒体社は現在、176社・団体(新聞58社、フリーペーパー74社、雑誌33社、ラジオ9社、地方自治体の広報誌2団体)に上る。同社は現在でも提携するメディアを開拓中だが、紙媒体の商習慣が色濃い媒体社には、空いた広告枠を成果報酬で提供するメリットについて、理解してもらうのが大変だという。
※提携メディア数は2018年12月時点
WEB広告は「競争過多」、成果報酬の紙媒体は「競合不在」?
広告市場では、新聞・雑誌・ラジオの広告費が年々減少する一方、WEB広告は伸び続け、今やテレビ広告を抜こうとするかの勢いがある。ただ、WEB広告市場では多くの企業が参入し、多種多様な広告サービスが乱立していることなどから競争は激化している。
藤澤氏は「現在のWEB広告はレッドオーシャン(競争過多)になり、レスポンスを上げるが難しくなっています。以前と比較して、CPAも大きく上がっています。成果報酬型のオフライン広告はブルーオーシャン(競合不在)で、価格競争がなく、安価で新規が取れます。WEB広告で成果が上がらず、紙媒体に戻ってくる会社が、インターペーパーで成果を上げています」と話し、紙媒体に価値を見出す会社のニーズを拾い上げているという。
また、WEB広告と紙媒体を比較した最も大きな特色として、藤澤氏は利用者層の違いを挙げた。「新聞などのオフライン媒体は、WEB広告と利用者層が異なります。WEB広告は40代以下の利用者が多いですが、新聞は60代以上のシニア層の購読者が多いです。なので、オフライン媒体は60代以上のシニア層にアプローチしたい通販会社に適しています」としている。
シニアの層は、WEBを多用する若い世代よりも裕福で、リピート率が高い。さらに新聞広告などの媒体を信頼し、検索をして競合他社との比較をすることもないという。一度、商品を気に入ってもらえれば、継続して購入してくれるのだ。
レスポンスを高める取り組みを強化
今後について藤澤氏は、「通販会社はLTVを向上させるために、さまざまなWEB上のテクニックを駆使している会社も多いですが、シニア層の方々にとっては、電話応対が最もLTVを高める施策になることもあります。ただ、電話以外のニーズもあるため、現在は電話以外のレスポンスの受け皿を検討中です。媒体とクライアント様の満足度を高めるために、レスポンスを高める取り組みを強化し、サービスを拡充させていきたいと思っています」と抱負を語った。
カタログ通販からECへ、通販業界の潮流がネットに移っていったのは10年数年ほど前のことだった。その流れに沿うように、多くの通販会社が紙からWEBに、広告をシフトしていった。そして再び、WEBの利点を取り入れた新しいサービスとして、紙媒体がスポットを浴びている。空き枠が埋まらず、下降する広告費に悩む媒体社、WEB広告では勝機を見出せない通販会社にとっては、「インターペーパー」が起死回生の一手となるかもしれない。
(山本 剛資)
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