ベストセラー『売り上げがドカンとあがるキャッチコピーの作り方』の著者 竹内氏が、ネット販促のノウハウを網羅した指南書である。

　2年連続「楽天市場」で「ベスト店長賞」を受賞した著者が、豊富なコンサル経験をもとに「ネットで売れる商材」「売れない商材」の見分け方を紹介。2008年刊行のベストセラー『ネットで売れるもの売れないもの 商品選びで成否の8割が決まる』に、スマートフォン、SNS、大手ショッピングモールでの販売攻略法などを加筆修正した全面改訂版である。

　まず、冒頭で「かつてインターネットでは何でも売れたが、ここ数年で状況は劇変した。現在は明らかに『売れるもの』と『売れないもの』が存在する」とネットの過大な幻想を打ち消し、実体験をもとに「ネットで売り上げを伸ばすために使える販売手法」を深く分析、分かりやすく説明している。一例をあげると……。

・インターネット上で「売れる商品」というのは「検索されやすい商品」のことである。
「グーグルアドワーズ」のキーワードツール（現在は「キーワード ツール」が終了し、「キーワード プランナー」が代替ツールとなっている）を使用して検索数調査を行うと、対象商品を一カ月間に何人が検索し、その商品に対して興味をもっているかが推測でき

・「買わせるキャッチコピー」ではなく、「クリックさせるキャッチコピー」をつくることが大事。
家具なら「部屋が一回り広く見えるガラステーブル」のように購入後のイメージを沸かせるコピーを、飲食関連なら「ふわふわ生クリームたっぷりのワッフルケーキ」のように味をイメージしやすい表現を強調するとクリック率があがる。このほかにもクリックさせるキャッチコピーを多数紹介。

・広告は“安かろう悪かろう”の世界。売り上げに対し10～20％かけなければ、ショッピングモールでのビジネス展開は難しい。
「家具、家電」の検索性の高い商品は、売れ筋商品を紹介する広告枠や、新生活を意識する時期の広告枠をおさえ、広告露出を絶やさないことが重要。「食品、アパレル、雑貨」は、低価格の「フロントエンド商品」で集客し、メールマガジンで高額な「バックエンド商品」を販売する手もある。

・スマートフォンの普及により、「地域名＋商品名」「地域名＋サービス名」など、「地域名を含む検索キーワード」の需要が高まる。
地域を絞り込んでサービスを探す人は意外に多い。例えば「ガーデニング工事　千葉県」「探偵　浜松市」「貸し教室　渋谷」などは検索数は多くないものの、これらを検索する人は「買う気マンマン」である。また、地域名を含むキーワードは、地域内だけの企業になるので競争もゆるくなる。

　このほかにも、「『買う気マンマン』のお客をかき集める『検索キーワード』の作り方」、「商品ジャンル別『クリックさせるキャッチコピー』の作り方対策表」、「ネットで売り上げを伸ばすための『使える販促方法』」、「それでも『ネットで売れないもの』を売りたい時は？」など、経験に基づいた情報を惜しみなく披露。

　また巻末には、商品カテゴリー別にまとめた「お役立ち ネットで売れるもの・売れないもの事典」を収録し、「インテリア関連」「フード、ドリンク関連」「美容関連」など14分野176業種について、ネット上での“売りやすさ・売りにくさ・攻略法”を解説しているため、読者自身のビジネスに当てはめて活用できる。

　全体的に、2008年当時にはなかったスマートフォンによる販促や、「アマゾン」「楽天市場」をはじめとした大手ショッピングモールの台頭、さらには「Facebook」などのSNSによる販促まで、ネット販促のあらゆるノウハウに焦点が絞られ、2008年版の内容を完全に書きなおした“別モノ”となっている。

【著者プロフィール】――――――――――――――――――――――――――――――――――
竹内　謙礼（たけうち　けんれい）
中小企業の販売戦略、人材教育などを行う経営コンサルタント。
有限会社いろは代表取締役
大学卒業後、雑誌編集者を経て観光牧場の企画広報に携わり、通信販売や実店舗の運営、企画立案などを行う。楽天市場に出店したネットショップはオープン3年目で年商1億円を達成。2年連続で楽天市場のショップ・オブ・ザ・イヤー「ベスト店長賞」を受賞。現在はセミナーや講演会、企業の人材教育のほか、低価格コンサルティングサービス「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として、多くの中小企業経営者に対してのネット通販やキャッチコピー戦略の指導を積極的に行っている。著書に『売り上げがドカンとあがるキャッチコピーの作り方』『安売りしないでお客をガッチリつかむ技術』（日本経済新聞出版社）、『御社のホームページがダメな理由』（中経出版）など。