2018.05.10 通販系書籍
ゼロからはじめる通販アカデミー
通販で勝つための方程式が書かれた本。
著者は通販大手ベネッセコーポレーションに約10年間勤務し、同社でナンバーワンのレスポンス実績を上げた後、化粧品通販会社、エクスボーテでCRM事業部長として1年間で黒字化を達成、2年後には300%以上の成長を果たすことに成功した人物。独立して通販専門のコンサルティング会社「ダイレクトマーケティングゼロ」を立ち上げて現在に至る。
「データベースを元にKPI(業績目標の達成度を定量的に把握するための指標)をコントロールしていけば、勝てる」というのが著者の持論。こう書くと大変難しい本だと思ってしまうが、実はわかりやすい本だ。
1章では、“自社のために”つくる事業計画書について説明している。収益計画をきちんと立てておけば、システム開発費などの固定費にお金をかけ過ぎて、肝心の広告宣伝費のための資金が足りなくなるなんてこともないからだ。
2章は商品開発。「社長の思い入れで商品開発してしまった」「原価率の高い商品を大量仕入れしている」なんていうのはNG。魅力的なリード商品開発のテクニックを伝授する。
3章では、新規顧客獲得方法を伝授している。商品の特徴や顧客ターゲットによって、選ぶべき広告媒体は変わってくる。費用対効果を上げる勝ちパターンを探る。
4章では、やっとのことで獲得した新規顧客を、利益を生む優良顧客に育てる方法を解説する。二回目購入者の割合「F2転換率」や、リピート率アップの秘訣が書かれている。
5章では、今や通販に欠かせないウェブサイトについて取り上げます。閲覧者は多いのになかなか売り上げにつながらなかったり、既存顧客に飽きられて閑古鳥が鳴くウェブサイトにありがちな問題を、すっきり解消する方法を紹介する。
6章と7章では、バックヤードにあたるコールセンターと物流のポイントを解説。どちらも地味な存在と思われがちだが、競争力を左右することも。コストは勿論、戦略的な視点でとらえることが重要だと説く。
そして最後の8章では、組織について取り上げている。フロントヤードとバックヤードの摩擦、属人的な業務、全体最適の視点が欠けた組織風土など、起こりがちな組織の問題を克服し、メンバーのモチベーションを一気に上げる秘訣が書かれている。
この本に書かれたことは全部、著者自身が通販会社の一員として経験したり、クライアントとしっかりパートナーシップを組んだコンサルティングを通して実践してきたことばかり。通販ビジネスを外からしか見ていない人には、決して分からないことや把握できない数字を惜しみなく開示している。
事業計画から商品開発、販売促進から組織づくりに至るまで、ここまで幅広くかつ具体的に、通販ビジネスの課題攻略法をまとめた本にはなかなかお目にかかれない。
【著者プロフィール】――――――――――――――――――――――――――――――
田村雅樹(たむら まさき)
株式会社ダイレクトマーケティングゼロ代表取締役社長
1972年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、通販大手のベネッセコーポレーションに勤務。
同社で10年以上ダイレクトマーケティング業務に従事し、ナンバーワンのレスポンス率記録を持つ。
ベネッセ退社後、大手通販化粧品「エクスボーテ」のCRM事業部長に就任。赤字事業を1年で黒字化、2年で300%以上の成長をさせる。
2009年に独立し、通販専門のコンサルティング会社「ダイレクトマーケティングゼロ」を設立。メーカーから教育機関にいたるまで様々な企業を顧客に持ち、通販事業の立ち上げ、立て直し、および売上増に貢献。その実績は国内外で認められ、2013年には「DMA国際エコー賞」を受賞。日本郵便主催の「全日本DM大賞」では、金賞をはじめ通算15部門受賞。講演、寄稿等多数。一般社団法人通販エキスパート協会認定、通販エキスパート。
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