2018.08.10 通販系書籍
最強のコピーライティングバイブル
同書のサブタイトルは「伝説の名著3部作が1冊に凝縮!国内成功100事例付き」。これがすでにコピーのようで、この本のすべてである。
伝説の名著3部作とは、『ザ・コピーライティング』(ジョン・ケープルズ著/1932年発刊)、『伝説のコピーライティング実践バイブル』(ロバート・コリア著/1937年)、『ザ・マーケティング【基本篇】』『ザ・マーケティング【実践篇】』(ボブ・ストーン+ロン・ジェイコブス著/1975年)のこと。
この3部作はマーケッターにとって伝説の書と言われているが、筆者はマーケッターではなく、聞いたことがあるが読んだことはない。その凄さはマーケッターにしかわからないと思うので、同書の監修者・解説者である神田昌典氏の言葉を借りると、「『論語』『猛子』『老子』『荘子』を1冊にまとめる」というようなものだそうだ。
超約では3部作から必要な部分を大胆に抜き出し、PART1~5の構成で体系化している。PART1の項目は「戦略を練る」で『ザ・マーケティング』を超訳し、PART2は「グイッと惹きつける」で『ザ・コピーライティング』を超訳し、PART3は「すぐ行動させる」で『伝説のコピーライティング実践バイブル』を超訳。この3ステップを現場で使いやすいように体系化した。
伝説の名著にも弱点がある。それは、最新事例や国内の例がないことだ。同著では、サントリー、ソフトバンクなど、1度は見たことがあるような広告が次々に登場する。特に感心するのはPART2のキャッチコピー「最強35の型」。事例紹介で登場する有名企業の広告は、この「最強35の型」にきちっと当てはまっているのだ。事例紹介では著者による成功事例のポイントや、広告で成功した結果などが解説されており、わかりやすく面白い。
PART4は「テスト!テスト!テスト!」。テストの重要性を訴えかける。伝説の名著の著者たちが異口同音に言い続けている言葉でもあるそうだ。PART5は「超訳サマライズ:本書をつかいこなす」で、同書の体型的習得法を解説している。
読み終えた正直な感想は、「これならコピーライティングができそうだ」だった。本当にテストがしてみたくなった。実践の場がないのだが……。同書はコピーライターや、企業の広告宣伝担当者、広告代理店のクリエイティブ担当者など、広告に携わる多くの人にとっては必読の1冊と言える。
特に業界が浅く3部作をまだ読んだことがない人は、約2000ページの名著を260ページで読めるだけでもお得である。また、既読の人にとっても、3部作のポイントを振り返ることができ、最新事例も紹介されているため、必携の1冊となるだろう。
【著者プロフィール】――――――――――――――――――――――――――――――――――
横田伊佐男(よこた・いさお)
CRMダイレクト(株)代表取締役。シティグループ、ベネッセグループにて、一貫してマーケティングに従事し、約6000商品のプロモーションを経験。大手企業100社超のコンサルティング契約を体系化し、2008年に独立。「超訳力」を駆使したマーケティング研修講座は、企業などから依頼が絶えない。著書に「一流の人はなぜ、A3ノートを使うのか?」(学研パブリッシング)、「ケースブック 価値共創とマーケティング論」(分担執筆・同文館出版)がある。
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