2019年の流行語大賞にノミネートされるなど、社会的な関心を集めた「サブスクリプション」サービスから、優れたサブスクサービスを表彰する『日本サブスクリプションビジネス大賞2019』(主催:一般社団法人日本サブスクリプションビジネス振興会、代表理事:佐川隼人)が9日開催された。記念すべき第1回のサブスク大賞は、おもちゃのサブスクサービス『トイサブ!』(運営:(株)トラ―ナ)がグランプリを受賞した。
(左から)ロザン・宇治原史規さん、グランプリを受賞したトラーナの取締役竹山真紀氏、
日本サブスクリプションビジネス振興会・代表理事の佐川隼人氏
『日本サブスクリプションビジネス大賞2019』は公募型で、実際に運営されているサブスクビジネスのなかから、優れたサービスを表彰するもの。サブスクビジネスの振興と新たなサービス創出のきっかけを目的に創設された。
ロザン・宇治原氏「今年はサブスクが広がってきた年」
初のサブスク大賞には100以上のサービスがエントリーされ、そのなかからグランプリ(賞金100万円)、シルバー賞(賞金50万円)、ブロンズ賞(賞金20万円)、スポンサー賞(さくらインターネット賞・GMOペイントゲートウェイ賞・Paidy賞、各賞金20万円)、優秀賞(5社)の受賞企業11社が表彰された。
サブスクアンバサダーに就任し、サブスク大賞の表彰式プレゼンターを務めたロザン・宇治原史規さんは、冒頭の挨拶で「関西を中心に情報番組に出させていただいているが、今年1年はこういうサブスクが新しく出てきました、こういうサービスが話題になっています、など、テレビのなかでも取り上げる機会が増えてきたので、本当に(サブスクが)広まってきて、みんなが期待していると感じています」と語った。
グランプリを受賞した『トイサブ!』は、対象となる0歳から3歳の乳児・幼児に向けて、同社独自の月齢別玩具評価データを活用し、成長に合わせたおもちゃや知育玩具を隔月で配送するサブスク・レンタルサービス。15年からサービスを開始し、現在の利用者は2200世帯を超えるなど、利用者が拡大している。料金は月額3340円(税抜)。玩具の種別は1500以上で、これまで提供した玩具の総数は6万点以上に及ぶ。
佐川氏「『トイサブ!』がおもちゃの課題を解決してくれる」
『トイサブ!』を運営するトラーナの取締役・竹山真紀氏は、受賞後の挨拶で「どんなおもちゃを選んだらいいのか、スペースの問題、選ぶ時間がなかったりとか、親の立場である自分たちが悩んでいた課題を解決したいと思ってこのサービスを始めました。会員数もまだまだで、課題も多いのですが、こうして期待を込めて皆さんに選んでいただいたことを、本当にうれしく思います」と、目を潤ませながらコメントした。
グランプリを受賞した『トイサブ!』について宇治原氏は「小さい子供がいるので、すぐにでも利用したい。おもちゃはお金がかかり、数も増え、どこで止めていいのかわからへん、というのがある。サブスクであれば、親の立場からすごくいいなぁと思った。本当にすぐにでも利用したい」とコメントした。
佐川理事は「おもちゃは月齢とか年齢ですぐ使えなくなる。そうなると無限に増えていく。それを知り合いにあげたりするが、大半はおもちゃ室にあり、エコでもなく、(多すぎるおもちゃに)イラっとしてしまうことがある。そういった状況を(トイサブ!)が解決してくれるのでは、と思います」と今後に期待を込めた。
(中央)Jocyの鈴木みずほ社長
シルバー賞は『メゾン』、Jocy鈴木社長「美容室に毎日通える文化を作りたい」
シルバー賞は『MEZON(メゾン)』(運営会社:(株)Jocy)が受賞。美容室のサブスクリプションサービスで、シャンプー・ブロー・ヘアケアなどのメニューが月額1600円(税抜)から使い放題となる。18年からサービスを開始し、現在は提携する美容室が約400店、利用者は2万5000人以上となる。
Jocyの鈴木みずほ社長は「美容室の数は現在、全国に約25店、コンビニの4倍あります。私たちは美容室の価値を再定義したいと思って、このサービスを立ち上げました。3カ月に1回、髪の毛をカットする場所から、ヘアケアによりコンビニ感覚で毎日でも通えるような場所に変えたい。そうすることで、美容室業界の繁栄に貢献したい。そのためにサブスクは最適な手段。美容室に毎日通う文化を作っていきたい」と話した。
ブロンズ賞はパーソナライズ・スキンケアの『Optune』
ブロンズ賞は『Optune(オプチューン)』(運営会社:資生堂ジャパン(株)が受賞した。「Optune」は同社のパーソナライズ・スキンケア・ブランド。最先端テクノロジーを活用し、毎日の肌状態と肌環境をIoT機器で把握。今の肌に合わせて調整されたスキンケアが自動的に提供される。月額1万円(税抜)。今年の7月から本格的にサービスがスタートした。
さくらインターネット賞は、カメラ機材のレンタルサブスクサービス『GooPass(グーパス)』(運営会社:カメラブ(株))、GMOペイメントゲートウェイ賞は最新技術を利用した機能性が高いダイソン製品を、月額1100円(税抜)でお試しで利用できる『ダイソンテクノロジープラス』(運営会社:ダイソン(株))、Paidy賞は月額390円(税抜)で早朝・深夜集配や毛玉取りなどが利用し放題のクリーニングのサブスク『ネット宅配クリーニング「リネット」』(運営会社:(株)ホワイトプラス)がそれぞれ受賞した。
優秀賞は『安否確認サービス』(運営会社:トヨクモ(株))、『URIHO』(運営会社:(株)ラクーンフィナンシャル)、『every pass』(運営会社:(株)JR東日本ウォータービジネス)、『OFFICE PASS』(運営会社:(株)日本経済新聞社)、『レターパックダイレクト』(運営会社:(株)JPメディアダイレクト)の5サービスが受賞した。
日本サブスクリプションビジネス振興会は、大手から中小スタートアップまで、サブスクビジネスを展開していたり、新規参入を検討する幅広い企業140社が会員登録している団体。月例会での交流やワークショップなどで、実践に近いサブスクリプションビジネスのノウハウを提供している。来年は大規模イベントを年2回実施するほか、月例会イベントを定期的に開催する。6月には1日間限定のサミット「サブスクEXPO(仮)」を新たに開催する予定。
日本サブスクリプションビジネス振興会 登壇理事・執行役メンバー
■『日本サブスクリプションビジネス大賞2019』
https://subscription-japan.com/award/
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