(株)ネットプロテクションズはこのほど、同社が提供する「NP後払い」「NP掛け払い」、さらに後払い決済事業全体に関する2018年度の実績を公開した。
累計取引件数は1.8億件突破
同社は「NP後払い」「NP掛け払い」「atone(アトネ)」に加え、18年には台湾でカードレス決済サービス「AFTEE(アフティ-)」をリリースしている。これらにより、サービス全体の年間流通総額は3000億円を突破。さらに、02年度のサービス開始時からの累計取引件数は1.8億件を超えた。同社は、サービスラインアップの拡充と利用者の広がりが、これらの達成を後押ししたと分析している。
主力事業のクレジットカード不要の後払い決済「NP後払い」の年間流通金額は2500億円を突破。市場規模5720億円(矢野経済研究所調べ)から算出すると43%を占め、業界シェア1位が判明した。大手企業では64%が導入しているシェアの広がりも奏功し、流通額は年々増加。02年度からの累計流通総額は1兆円を超えた。
「NP後払い」ユニークユーザーは数は1350万人、10人に1人が利用
「NP後払い」の年間ユニークユーザー数は、昨年度の1200万人から150万人増え、1350万人を超えた。15歳以上の総人口1億1094万人(総務省統計局調べ)からの算定では、日本人の10人に1人以上が利用しているサービスに成長した。
ポイントプログラム「NPポイントクラブ」の会員数は250万人。サービス開始から8倍に膨らんだ。「NP後払い」と「atone」の加盟店は、250万人のNP会員に対し、ポイントアップキャンペーンやメルマガを通じての販促が可能となっている。ユーザーを会員資産化し、加盟店向けの販促プログラムを開放している後払い決済事業者は、同社が唯一だ。
BtoB・企業間後払い決済サービス「NP掛け払い」の取扱高は430億円で、累計取扱高は1100億円。前年度対比の成長率は継続して140%超の水準を維持し、18年度も148%の成長率となった。11年のサービス開始以来、順調に事業拡大し、現在では同社の「第二の事業」となっている。
「NP掛け払い」が請求書を送付したユニーク買手企業数は25万社となった。日本の企業数359万社(19年度版・中小企業白書より)からの算定では、年間で約15社に1社が利用しているサービスとなった。
「NP掛け払い」取扱高も順調に拡大
年間取扱高の増加とともに、各業界での「NP掛け払い」取扱高も順調に伸びており、取扱高10億円を超える業界が17年度の7業界に対し、18年度は10業界になった。中でも食品、ソフトウェア、建材の3業界での伸びが顕著で、食品、ソフトウェア業界では取引額が昨年比の2倍、建材業界では約3倍に成長している。
加えて、18年度は多くの新しい業種業界に導入が進んだ年度でもあった。民泊関連業や法人向け旅行代理業、自動車部品関連業、商工会議所など、幅広い業種業態に「NP掛け払い」の提供が始まっている。
新業種の中でも、酒販関連業への導入が数多く進んだ。現金でのやりとりが主流で、事業者の多くが決済業務に時間をとられるという課題を抱えていた。「NP掛け払い」は現金集金の手間と未回収リスクを無くす効果的なサービスとして受け入れられ、結果的に数多くの導入につながったと考えられる。
従来の商習慣では自社でリスクをとる形での掛売り提供が一般的だったが、「NP掛け払い」の規模拡大や導入が進む業界業種の拡大をみると、掛売り業務をアウトソースすることは、広く一般的になりつつあると考えられるとしている。
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