(株)インテージは25日、この1年、日用消費財の中で何がより買われたかを、生活者の平均購入金額の伸びから振り返る「好調カテゴリーランキング」を発表した。伸び率1位は「デザートドリンク」。大ヒットとなったタピオカブームがけん引した格好と言えそうだ。
健康志向の上位独占を切り崩す
調査を始めてから3年連続で「健康志向」関係が上位を独占したが、今年は大きなトレンド変化が。購入額の伸び率ランキング1位は、前年比131%の「デザートドリンク」だった。その原動力になったのが、タピオカドリンク。全国各地にショップがオープンし、店の前には長蛇の列という光景が定番になった。原材料の不足が報道され、「タピ活」という言葉もでき、社会現象になるほどの盛り上がりを見せた。
2016年の調査開始以来、1位になるカテゴリーの最大の理由は健康志向だったが、単純においしさ、そしてインスタ映えに象徴されるSNSの発信力などで選ばれたことで、今後のトレンドが変わる潮目が来たのかも知れないと分析している。
2位ビネガー、3位カツオ油漬けに
1位こそ「デザートドリンク」に譲ったが、2~4位はやはり健康志向関連だった。2位は「ビネガードリンク」と「カツオ油漬け缶詰」が、それぞれ124.2%で並んだ。
「ビネガードリンク」は17年、18年と、ともに前年比118%で4位だったが、今年はさらなる伸び。健康のために酢の入ったものを飲むというのは完全に定着してきているようで、特に50~70代で売れている。
「カツオ油漬け缶詰」は、昨年1位で魚缶詰ブームを作ったサバ缶の流れ。イワシ缶を経て、比較的安価なカツオにまでブームは波及してした。僅差の4位は123.8%の「かに足かまぼこ」だった。
はやり廃りが大きい食品・飲料関係が上位を占めることが多い中、今年5位に入ったのが「バス用クリーナー」。こすらないで洗剤をかけて少し放置し、その後洗い流すだけでいいという新商品が大ヒットとなった。今までの概念をひっくり返した画期的な商品が、カテゴリー全体の売り上げを大きく伸ばしている。手軽に済ませたいという、生活者のニーズを考えると、今後さらに売り上げを伸ばしていく可能性を秘めている。
大人用紙おむつ、マスクもTOP10入り
6位は昨年1位の「サバ缶」。7位は主力商品の好調さに加え、インフルエンザ予防にも効果があると言われた「紅茶ドリンク」が入ったが、8位は「大人用紙おむつ」、9位も「マスク」と、こちらにも食品・飲料以外が入った。
「大人用紙おむつ」は高齢化社会を進んでいる日本を象徴するカテゴリーでもあるが、履くタイプのものだけでなく、CMでも流されることが多い軽失禁用パッド型などの売り上げが伸びている。マスクは16年、17年でも5位に入っている右肩上がりの定番カテゴリーだが、今年も天候不順などもあり、風邪・インフルエンザ対策などで需要が増えている。少し値が張るが高機能なものが主流になる傾向も見えてきた。
過去調査比較でも目立つ健康志向
過去3年の順位を見ると、やはり目につくのは健康志向。16年は「甘酒」が182%と圧倒的な数字をたたき出し、続いて「蜂蜜」「ヨーグルトドリンク」などの顔ぶれになった。17年も「甘酒」が187%で2連覇。「トマトジュース」「米飯用穀物(もち麦など)」と続いた。18年は2強の戦いとなったが、151%で「サバ缶」が1位、2位に148%で「サラダチキン」。3位以降は「無糖炭酸水」など飲料が続いていた。
19年は新たな潮流が見られたが、健康関連はメディアでも多く取り上げられているだけに、20年以降も底堅い需要がありそうとの見方を強めている。
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