2019.12.26 コラム
イチから解説!ITP2.0でインターネット広告はどう変わる?
Web広告に従事する人にとって、Appleが発表したITP(Inteligent Tracking Prevention)2.0は大きな衝撃となりました。
2018年6月に発表されたITP2.0によって、Safari上でサードパーティcookieを用いたマーケティングが大きく制限されるようになりました。
本記事では、これによって生じた変化を解説するとともに、広告担当者が打つべき手について解説します。
「サードパーティcookie」などの専門用語も改めて、わかりやすく説明していきます。
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ITP2.0とは
ITPとはSafariのトラッキング防止機能
ITPとは、ひとことで言うと「ユーザー閲覧履歴の保存を規制するセキュリティシステム」だと考えましょう。これはAppleが提供するインターネットブラウザ「Safari」にのみ適用されます。
具体的には、ITP2.0アップデートによって、サードパーティcookieを保存することが不可能になりました。(ファーストパーティcookieに関しては情報は保持されます。)
これにより、ユーザーの過去の閲覧内容をマーケッターが把握できなくなりました。ユーザーの追跡ができないため、特定のWeb広告手法が難しくなったことから、大きな話題を呼んでいるのです。
知っておきたい「cookie」の種類
2019年現在、ITP2.3が最新版となっておりこちらについても後述していきますが、大きなパラダイムシフトとなったのは、ITP2.0です。
このITP2.0のインパクトを理解するには、cookie(クッキー)について理解する必要があります。
cookieとは、「自分が見ているWebサイトを通じて、使用しているデバイスに送られるさまざまな情報」のことです。
このcookieのおかげで、サービスにログインする際のIDやパスワード入力の手間が省けるなど、快適にネットサーフィンができるようになっているのです。
このcookieには2つの種類があります。
ファーストパーティcookie
アクセスしているサイトのドメインから発行されるcookieです。使用はそのドメインに限定され、該当サイトのなかでのみ情報の取得や保持が可能になります。
サードパーティcookie
アクセスしているサイト以外のドメインから発行され、ドメインをまたいでの使用が可能となるcookieを指します。
例として、サードパーティがユーザーの複数のサイトでの検索行動を追跡し、広告表示に影響するというもの。
自分がある特定のECサイトで気になる商品を探していたとしましょう。その後、違うWebサイトを訪れたときに、同じようなジャンルの広告が掲載されたいた...という経験はないでしょうか?
これがいわゆるターゲティング広告と呼ばれるもので、ユーザーによっては、「自分のWeb上での行動を見られているようで気味が悪い」と感じる方もいるようです。
こうした背景もあり、Appleが対策に乗り出したと考えられています。
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ITP2.0がWeb広告に与える影響とは
サードパーティcookieに依存をしている場合、ITP2.0によって下記のような影響が生じると考えられています。
広告やアクセス数の正確な計測が困難になる
リマーケティングが困難になる
ユーザーの情報精度が落ちるため、ターゲット広告が機能しづらくなる
ちなみに現在(2019年10月)にITP2.3が施行されていますが、こちらはファーストパーティcookie(Javascript)の保存期間が1日に変更となりました。
ITP2.0による規制を潜り抜けるために、ファーストパーティcookieをJavascriptで生成する手法を採る広告媒体が増えたことを受けてのアップデートと考えられます。
スマートフォンユーザーの多くはSafari
日本では他国に比べ、iphoneの所有率が高いのが特徴です。したがって、デフォルトの検索ブラウザであるSafariで検索するユーザーが多いと考えられます。
現在、サードパーティcookieに依存した広告を行なっているのであれば、ITPアップデートに対応した広告手法を打ち出していく必要があります。
ITP2.0を踏まえ、マーケティング担当が取るべき対応とは
ITP2.0やそれに続くアップデートに対応していくために、どのような対策を取るべきでしょうか?
まずはGoogleアナリティクスの活用を
Googleアナリティクスはユーザーのプライバシー等の観点から、ファーストパーティCookieを使用しています。
そのため、正確な流入数を判断するためにも、Googleアナリティクスを活用しましょう。また、コンバージョンの計測のためにGoogleタグマネージャーを使用するのも手です。
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ITPの最新動向にも注意!
ITPのアップデートは今後も行われていく可能性がある。現在は、アドテク企業がアップデートごとに抜け道を探し、appleがそれを制御するといういたちごっこ状態が続いています。
そのため、ユーザーのプライバシーを尊重しないやり方を選んだとしても、今後は規制されてしまうと考えられます。ますます、Webマーケティングにモラルが問われる時代が到来しています。
一時的な抜け道となる方法を選んだとしても、すぐにアップデートで規制されてしまう可能性もあるため、持続可能な施策を打ち出していくことが賢明といえるのではないでしょうか?
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