(一社)新経済連盟(新経連)は7日、組織内に設けている9つの現行プロジェクトチーム(PT)に加え、2020年から新たに、「AI」「オープンイノベーション」「SDGs/ESG」の新規PTを発足させることを明らかにした。政策提言活動の実践強化に向けた対応といえそうだ。
政策提言活動の実勢強化へ
新経連は、IT(情報通信技術)のさらなる戦略的な利活用を軸とした新産業を推進、発展させることが、少子高齢化などの構造的問題を抱える日本が国際競争に勝ち抜き、経済成長を続けていくためには不可欠な要素とする。そのために喫緊の課題と位置付ける政策や諸制度の環境整備に貢献するため、民間の立場からの政策提言を重視している。
「未来の技術やサービスを開拓する企業が構成する団体として、現在の技術やサービスの限界に縛られることなく、来たるべき社会経済の姿を構想し提示していく」ともうたう。
ブロックチェーン・フィンテックも
新たにつくったPTが取り組む重点活動次の通り。
・「AI PT」/ビジネスへの実装に向けた規制改革や人材育成に関する調査、政策提言
・「オープンイノベーションPT」/資金や規制など、さまざまな課題に直面しているスタートアッ
プ企業振興に関する政策提言、オープンイノベーションへの寄与
・「SDGs/ESG PT」/SDGs、ESG投資の理解促進活動や今後の取組内容の検討
新経連はこのほか、20年には「移民受入れ」「フィンテック」「ブロックチェーン」などについて、会員企業の声を取り込んだ具体的な政策提言をめざす考えを示した。
三木谷代表理事も重要性を強調
新経連の三木谷浩史・代表理事も1日の年頭所感で同様の見解を表明。併せて、新規PTに加わった項目についての重要性と緊急性を強調していた。
新経連の既存PTと活動内容は次の通り。
・「グランドデザインPT」/デジタルシフトに対応した経済のグランドデザインの政策提言など
/「プラットフォーマー規制の論点」について日本記者クラブで講演(19年9月)ほか
・「イノベーション促進PT」/時価総額1兆円クラブを目指す具体策の政策提言など/20年度
税制改正に関する提言を発表(19年8月)ほか
・「移民・共生政策PT」/外国人受入れ等によるダイバーシティの実現を目的とした政策提言
など/「日本の移民政策の確立に向けた提言」を政府に提出(19年9月)ほか
・「ベンチャーフィランソロピーPT」/フィランソロピーエコシステム形成のため、公益法人制度
の改革などの政策提言など/「社会的起業促進のあり方について」(17年12月)ほか
・「Fintech推進PT」/フィンテック、キャッシュレス、仮想通貨推進のための政策提言など/
「決済」法制に係る制度整備について連名で要望書を提出(19年8月)ほか
・「シェアリングエコノミー推進PT」/ホームシェア、ライドシェア、配送シェアなどの推進のた
めの政策提言など/「年末年始及び夏期等繁忙期におけるトラック輸送対策」改正案への
意見提出(18年12月)ほか
・「不動産市場拡大推進PT」/不動産テック市場の拡大などにより、住宅投資額累計と住宅
資産額の差分=「失われた建物価値」 500兆円の解消に向けた政策提言など/不動産・
新産業革命 -名目GDP600兆円に向けた成長戦略-を国交相に提出(17年2月)ほか
・「教育改革PT」/グローバル人材育成のために必要な教育環境整備に関する政策提言な
ど/国立大学協会と意見交換(19年1月)ほか
・「SOGIエンパワーメントPT」/ダイバーシティ・インクルージョンの推進/「LGBTなど性的マ
イノリティへの理解促進」第1回セミナーを開催(19年8月)ほか
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