日本郵便(株)はこのほど、第34回「全日本DM大賞」の受賞社を発表した。フュージョン(株)が「制作者」として最優秀賞のグランプリを受賞。EC・通販関連では、「広告主」として(株)千趣会が金賞を受賞したほか、(株)アテニア、ゆこゆこホールディングス(株)などが銀賞。そのほか、(株)DECENCIAやエーザイ(株)の通販事業などが銅賞を獲得した。
フュージョンが制作5作品で受賞
同賞は、ダイレクトメール(DM)施策に対する日本最大のアワード。実際に発送されたDMの戦略性やクリエイティブさ、実施効果の3軸から評価。今年のテーマ「生活者につながる決め手のピース」に、705点が集まり、グランプリ以下30点の作品が受賞した。
Web広告やSNS、Eメールなどによるコミュニケーションが主流になる一方、アナログ媒体であるDMに対する関心は依然として高い。ターゲットに直接、リアルな媒体を届けられるという性質上、デジタルメディアにはないインパクトで消費者のインサイトに影響を与えている。
フュージョンは受賞作5作品にかかわり、13年連続のDM大賞受賞となった。DM施策単独で戦略性とクリエイティブが優れていたことに加え、デジタル施策の補完、相乗効果で成果を上げた点が評価された。
GPはTKGの受験生向け「母子手帳DM」
グランプリ受賞作は、親子の会話で絆を深める『受験生の母子手帳DM』。(株)東京個別指導学院が広告主で、フュージョンが制作。入塾して間もない受験生の保護者に向け、入塾に対する満足度を高めることで、子どもの友人や兄弟の紹介を促すことを目的としたDMだ。
母と子の絆や愛情を象徴する「母子手帳」を模した冊子型のDMで、勉強面の指導だけではなく、塾生の成長や家庭への支援を大切に考えている塾の姿勢が伝わり、紹介への大きな動機付けにつながった。この施策からの紹介による入塾者数は、通常の施策に比べ約2倍、
入塾への1人当たりの獲得コストは、通常時に比べ7割減だった。
千趣会はコスメXマスギフトで金賞
同じく、フュージョンの手によって金賞を受賞したのは、『ベルメゾンからのコスメクリスマスプレゼント』。アドベントカレンダー形式で、DMがコスメのクリスマスプレゼントに。人気の6ブランド10商品のパウチサンプルを届け、クリスマス当日までの期間にさまざまなコスメを試してもらい、キレイになりながらクリスマスを迎えるストーリーをDMで実現した。
ただのサンプリングにならないよう、パウチを外した際も、思わず目を引くイラストが出てくるクリエイティブも工夫。DMを送付した顧客の60%以上が化粧品を購入し、化粧品以外の購入も含めると70%を超える反響があった。
ゆこゆこHDやアテニアが銀賞に
銀賞(審査委員特別賞 データドリブン部門)に輝いたのは、『ゆこゆこWEB閲覧パーソナライズドDM』で、制作は自社と大日本印刷。利用者が宿泊予約サイト「ゆこゆこネット」で閲覧した宿情報をもとに、一人ひとりに最適な宿泊施設を案内したはがきを送付するダイレクトマーケティング施策を2019年5月から実施。DM送付により、レスポンス率が2.3倍にアップした効果が評価された。
一番のポイントは「ゆこゆこネットで見た宿」が、はがきに印刷されている点。はがきには、一人ひとりに合わせたおすすめの宿泊施設だけでなく、ゆこゆこネットのURLとQR コードを掲載したほか、ネット予約限定で使用可能なクーポンを掲載することで利用者の興味関心を喚起することに成功した。
(株)宣伝会議が発行する月刊「宣伝会議」、月刊「販促会議」、月刊「ブレーン」の各5月号(すべて4月1日発売)の3 誌上で受賞作品の一部を紹介。併せて、DM の成功事例を収録した「全日本DM大賞年鑑2020」を、4月初旬に全国主要書店で販売する。
そのほか銀賞にはアテニアによる「顧客『今』をパーソナライズ。新規顧客フォローDM」も入選した。
DM0制作・エーザイのDMが銅賞に
銅賞には、エーザイ通販の「美チョコラ」の「商品価値高め継続率大幅UP!伴走型サポーターDM」が入選。制作は(株)ダイレクトマーケティングゼロで8年連続・通算35部門での受賞となった。
ディセンシア、関西テレビハッズも入選
DECENCIAによる「日本初の肌体験を贈る!すぐ使いたくなるサンプルDM」(制作:同)も銅賞となった。
そのほか日本郵便特別賞として、EC・通販関連からは関西テレビハッズの「保存性を高めレスポンスを5カ月維持した上位向けDM」(制作:フュージョン)も入選した。
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