「感染爆発を抑止できるギリギリの重大局面だ」。新型コロナウイルスの感染拡大について、東京都の小池百合子知事が感染を広げない行動をとるよう、改めて呼びかけた30日、EC・通販業界でも支援の輪が広がりを続けている。マスクなどの物資供給や、通販会社ならではのコンテンツ力を生かした感染防止拡大の呼びかけなど「危機意識」を共有し、今できること、得意とする専門領域を生かした行動ばかりだ。
アイリスはマスク50万枚を供給
アイリスオーヤマ(株)は同日、マスクが手に入りにくい状況を受け、一般財団法人「東京都人材支援事業団」に50万枚のマスクを供給することを決めた。マスクの供給は、同団体がマスクの寄付を検討する中、都からの紹介を通じて対応するもので、都内の社会福祉施設などに配布される予定だ。
ジャパネットは特設サイトで呼びかけ
(株)ジャパネットホールディングスは同日、感染拡大を防ぐための行動を伝えるために特設WEBサイトを開設した。「いつもと違う日常の気付きを共有することで、少しでも前を向くことにつながれば」としている。
当たり前の日常が失われている「今だから気付けること」「今だからできること」をテーマに、特設サイトは、ジャパネットのCMキャラクターを務めるシンガー・ソングライターのさだまさしさん、サッカー選手の吉田麻也さん、タレントの高橋みなみさんらによる動画を立ち上げた。
さらに、医療現場で闘う人への感謝の気持ち、家にいる時間が増えたことでの小さな発見など、多くの「#今だから気付けること」の声を集め、動画で伝えていく。専門家の監修のもと、新型コロナウイルスを理解し、正しく行動するための「#今だからできること」も公開。Twitterで、「#今だから気付ける」メッセージを募り、一部をジャパネットのショッピングMCが読み上げ、動画としてサイトで紹介することも考えている。
IKEAは33億円の物資を30カ国に寄付
イケア・ジャパン(株)は同日、親会社であるIngkaグループの緊急支援として、30か国のコミュニティへ、約33億円(2600万ユーロ)相当の現物寄付をすることを明らかにした。リスクの高いグループと、その救済にあたる人々を優先し、病院や医療センター、避難所で使用できるベッド、寝具、食品やおもちゃなどの必需品の寄贈に注力するという。
現在、Ingkaグループが運営する全世界380中、282のイケアストアが臨時休業中。中国では、武漢地区以外のすべてのイケアストアが営業を再開したという。ショッピングセンターを運営するIngka Centresでは、2000のテナントに対し、閉店した期間の賃料と共益費の免除も明らかにした。
LINEは3社と組み感染防止を呼びかけ
新型コロナウイルス感染危機に対し 正しい情報を発信するプロジェクト『想像力で世界を救え』を同日発足させたのは、LINE(株)エンターテイメントカンパニーと、ワンメディア(株)、(株)GOの3社だ。
プロジェクトは「#想像力で世界を救え」「#COVID19」のタグで、国連が推奨する6つの行動ガイドラインに基づいた「正しい対応」をコンテンツとして配信、広く情報発信していく。併せて、プロジェクトに賛同するあらゆるクリエイター、インフルエンサー、タレント、専門家、企業の情報発信・コンテンツ制作を3社によるサポート体制を構築するとしている。
ビジネス支援の動きも加速
また、(株)ホロンシステムは同日、新型コロナウイルス関連の助成金申請書が作成できるクラウド環境を無償提供すると発表した。休業など、業績悪化対策のために新設された助成金活用の支援が目的だ。社労士事務所や一般企業などを対象に、最長2か月無償とし、クラウド上で簡便に作成できる無償ユーザーアカウントの提供を開始した。
「助成金クラウド」が対応する主な新型コロナウイルス関連の助成金は、両立支援等助成金(小学校休業等対応コース)、小学校休業等対応助成金、雇用調整助成金 休業など。新しい様式にも速やかに対応する予定だ。
なお、「通販通信ECMO」を運営する(株)アドブレイブも、新型コロナウイルスの影響を受けるEC・通販支援企業向けのサポート活動を行っている。Webセミナーの告知掲載の無償提供やオンラインリード獲得のサポートを実施している。
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