2020.03.31 通販支援
ルタオも導入決定!「NP後払い」大規模アップデートの舞台裏
後払いサービスを提供する(株)ネットプロテクションズは2019年11月、後払い決済サービス「NP後払い」の大規模なシステム・サービスのアップデートを実施した。19年11月のアップデートは「フェーズ1」と位置づけ、即時与信機能を含む複数の機能をリリースした。「NP後払い」はBtoC事業者向けの後払い決済サービス。導入企業は4万社以上、年間ユニークユーザーは1350万人以上と「日本で10人に1人が使っている決済」に成長を遂げている。アップデートの概要や実施背景について、同社の柴田紳社長と鈴木史朗取締役CTOに聞いた。
ネットプロテクションズの柴田紳社長(写真左)と鈴木史朗取締役CTO
即時与信を含む4機能を追加
「NP後払い」はサービス提供開始からおよそ18年が経過。今では、さまざまな企業が「後払いサービス」を提供しているが、ネットプロテクションズでは国内で最も早くから後払いサービスの提供を始めており、19年度の取扱高は2500億円を超えた。創業から後払いに関するサービスを磨き続け、国内における最大の「後払い決済の総合プロバイダー」と自負しているという。「NP後払い」の導入先はEC・通販企業が中心だが、最近では、現金集金を行う訪問・役務事業者などにも導入が広がっている。
今回のアップデートで即時与信を実装する以外に、請求・支払いの個別最適化(パーソナライズ化)や与信通過率向上機能の追加予定、さらにシステム稼働率99.9%を目指す。
鈴木:当社は約20年にわたって累計およそ2億件の取引データを蓄積しています。過去に未払いがあったり、利用上限金額を超えていたりするケースを除いて、単に情報が乏しいという理由で不条理に与信NGにすることはありませんでした。そのため当社に蓄積されてきたデータは、利用者が支払い可能かどうかに関するピュアな情報なのです。これらの量・質ともに高いデータに基づいて詳細な分析を行なってきたことにより、さらに精度の高い与信審査が可能となりました。
これまでは一部で目視による与信審査を行なっていたという。今回アップデート追加された即時与信により、迅速かつ幅広く審査を通すことができるようになりEC・通販企業からは期待を寄せられているという。
ネットプロテクションズでは社内にデータサイエンスの分野でディープラーニングを取り入れた実証実験を始めているほか、新卒採用等で人材を強化している。こうした取り組みを通じて実装した仕組みは、機械学習を活用して高速かつ精度高く与信審査が実行できる点において、国際的なクラウドサービスからも高い評価を受けている。
高い与信通過率を保持した即時与信
鈴木:アップデート以前は即時与信に対応しておらず、与信通過まで最大2時間を要していました。この間、EC・通販企業は出荷ができず、「今すぐ出荷したい」という加盟店の希望に応えることが出来ていませんでした。また、アフィリエイト経由で注文がある場合は、取引が完了した場合に報酬が発生するため、広告費のロスが発生していました。一方、時間をかけて審査をする分、与信通過率が高められ、不条理なNGを出さずに済むため、機会損失を抑える点でメリットを感じていただいていました。柴田:「NP後払い」の利用企業として、定期購入を要する健康食品や化粧品といった企業が多いです。定期購入する顧客はEC・通販企業にとって優良顧客であり、その与信をNGにすることはあってはなりません。その点で、今回追加された当社の即時与信機能では、迅速かつ幅広く審査を通すことができるため、ロイヤルカスタマーの継続利用のさらなる促進に繋がります。鈴木:当社では約18年間に渡って後払い決済の運用を行ってきた過程でおよそ2億件の取引データを蓄積している点や、クレジットカード会社では把握し切れない「何を購入したのか」という部分まで把握できている点により、今回のアップデートを実現させることができたと思っています。さらに、幅広い業態の店舗や販売手法に対応してきたことで分析が緻密にできるようになりました。セキュリティ面においても、これまでに商材や取引における不正を見抜くリスクマネジメントを徹底してきた点が、アップデートの実現に寄与しています。
ルタオが導入決定!即時与信に期待
これまで与信精度を高く保つために折り合いをつけていた部分を、今回のアップデートによって解消できたことにより、これまで以上に多くの加盟店や利用者に対して、利便性高く後払い決済を提供することができるようになった。
柴田:当社の加盟店であり「小樽洋菓子舗ルタオ」のECサイトを運営するケイシイシイ(株)様は、2015年から「NP後払い」を導入し、今年から即時与信を実装する予定です。これまでは「『注文が完了した』と思っているお客様に対して、審査がNGになったという連絡を後から送ることが心苦しい」といった意見を頂いていました。今回の即時与信を含むアップデートを受けて「電話・メール・手紙をお送りするためにスタッフが割いていた時間を省くことができる」「審査保留やNGになった取引を目視する時間を大幅に削減できる」と期待する声をいただいています。
加盟店へのCRMを強化することに対しても、力を注いでいる。
柴田:外部委託を含め、加盟店対応を行うコールセンターを150席ほど設けています。特に自社で「後払い決済」を実施してきた企業が「NP後払い」に切り替えるにあたって、企業ごとの既存の運用方法を維持したままけ導入したいという声が多いです。例えば、顧客ごとに個別の対応が必要な場合でも、当社のコールセンターで柔軟に対応ができるので、その点が強みです。鈴木:およそ18年間で、定期販売、予約販売、電話注文などの多様な販売手法に対応してきました。審査や請求を行うにあたってのナレッジが蓄積されてきたことにより、他サービスとの差別化を図れているのです。これまで培ったノウハウを社内で共有することで、社内の誰が対応しても同様の品質が維持できるように取り組んでいます。
「後払い決済のパイオニア」としての今後のサービスの展開について、柴田社長は以下のように述べる。
柴田:今後も、安定したインフラサービスとして、社会のニーズに合った価値を提供し続けていきます。最近では、自社で後払い決済を運用してきた事業者が「NP後払い」を導入するケースが増えているため、決済を当社にアウトソースすることで、不正利用を防ぐためのリスク管理コストやや未回収コストを軽減できる点において、通販における生産性の向上を通じて、業界の発展に寄与していきます。
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