(株)ユニクロを運営する(株)ファーストリテイリングが9日発表した2020年8月第2四半期(19年9月~20年2月)の連結決算は、売上収益が前年同期比4.7%減の1兆2085億1200万円、営業利益が同20.9%減の1367億3600万円、純利益が同 11.9%減の1004億4400万円となった。
国内は減収増益、EC売上は8.3%増も成長は鈍化
減収減益の主な要因として、新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより、韓国と中国圏が大幅な減収減益となったことを挙げている。
国内ユニクロ事業の売上収益は4635億円(前年同期比5.7%減)、営業利益は716億円(同5.7%増)と、減収増益となった。暖冬の影響で冬物コア商品の販売に苦戦したことから、Eコマースを含む既存店売上高は同4.6%減。Eコマース売上高は525億円(同8.3%増)と増収だったが、店舗と同様の理由で伸び率が鈍化した。なお、春物商品の立ち上がりは好調だったが、2月下旬以降は新型コロナウイルスの影響で売上収益は大きく落ち込んでいる。
中国では2月にユニクロ全店舗臨時休業
海外ユニクロ事業の売上収益は5412億円(前年同期比6.7%減)で、営業利益は532億円(同39.8%減)。地域別では、中国圏は減収、営業利益は大幅な減益となった。中国大陸は、20年1月下旬まで好調を維持していたが、1月末に新型コロナウイルス感染症が蔓延した影響で、売上収益は急激に落ち込んだ。2月は最大395店舗を臨時休業し、大幅減収となったことで、上期6か月でも減収減益となった。なお、中国大陸の売上収益は、店舗の営業再開(一部を除く)に伴い、3月以後は回復基調にある。
韓国は、19年7月からの日韓関係の影響に加え、新型コロナウイルス感染症の影響で既存店の売上高が大幅な減収となり、営業利益の赤字幅が拡大した。その他、アジア・オセアニア地区(東南アジア・オーストラリア・インド)は大幅な増収増益となった。特にインドネシア、フィリピン、タイでは、2 桁の増収増益。19年12月に1号店を出店したベトナムも、計画を上回る業績となっている。
米国では暖冬の影響で苦戦
米国は暖冬の影響により冬物商品の販売に苦戦したことから、営業利益は赤字となり、欧州は2桁の増収増益。特にイタリア、スペインの販売が好調で、ロシアも既存店売上高は2桁の増収と好調な販売となった。
ジーユー事業の売上収益は1322億円(前年同期比12.9%増)、営業利益は158億円 (同12.0%増)と、大幅な増収増益になった。マストレンドを捉えたニットカーディガンや、ニットセットア ップに加え、暖冬に対応した薄手のアウターがヒットしたことにより、既存店売上高は増収。利益面では、引き続き素材の集約や早期発注を行ったことで原価率が低下。売上総利益率は同0.4ポイント改善し、営業利益は大幅な増益を達成した。
業績予想は再度下方修正
同社は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大を受け、20年8月期(19年9月~20年8月)の業績予想を下方修正した。暖冬の影響で1月9日に下方修正していたが、再修正後の売上収益は前回比.10.7%減の2兆900億円(修正前は2兆3400億円)、営業利益は同40.8%減の1450億円(同2450億円)、純利益は同39.4%減の1000億円(同1650億円)を見込んだ。
現段階では確度の高い業績予想の算出は難しく、3月の実績に加え、4月と5月は引き続き大幅減収、6月以降に徐々に正常化する仮定で算出したとしている。
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