新型コロナウイルスの感染拡大に対応する緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大される中、ECの多様性や可能性を生かした支援が相次いでいる。実店舗を含むショップの売上が減少している業者へのEC化促進や集客支援、生産者や消費者向けの「マルシェ」「バザー」の独自開催など、それぞれが持つ強みとネットワークを生かした動きだ。
レスポンシブデザインでスマホファーストなECサイトの構築を支援する(株)ロックウェーブは、5月末まで初期費用無料などと新規参入者・リニューアル検討社を支援する。初期費用の優遇以外には、「ECサイト構築/リニューアルパック」を特別価格として4割引の18万円で提供、サイトリニューアル時に必要な顧客情報や購入履歴のデータ移行やURLリダイレクト設定などの作業費も半額近い特別価格13万円で提供する。
▽関連資料
対象となるのはレスポンシブECサイト構築クラウド型プラットフォーム「aishipR(アイシップアール)」とレンタルECサイト構築クラウド型プラットフォーム「aishipRENTAL」。「aishipRENTAL」も初期費用無料などで提供となり、商品のレンタル型EC参入なども検討しやすくした。
◇テモナはデポジット機能リリース
サブスクリプションビジネス支援サービスを提供しているテモナ(株)は、店舗向けサブスク支援サービス『サブスクアット(サブスク@)』のデポジット機能をリリースし、新型コロナウィルス対策支援の一環として、最大半年間の無償提供を決めた。即日で、サブスクサービスおよびデポジット機能を利用できるという。
デポジット機能とは、プリペイド型のデジタルチケットで、サービス利用代金などを予め入金して積み立てておくこと(前払い)ができる機能だ。入金した会員には特典を設定するなどのインセンティブを提供することも可能で、利用者を含めた双方にとってメリットのある仕組みとして運用することができる。
テモナは、新型コロナウィルス対策による外出自粛や予約キャンセルといった社会情勢もあり、店舗型(対面型)サービスは安全・衛生面だけでなく売上減少に対する対策が急がれている。将来のサービス代金などの支払い保証のための預かり金、いわゆる「デポジット機能」を提供することで、店舗経営をサポートできると考えたという。
◇ECシステムでテイクアウト対応!
ECシステムを活用して、飲食店のテイクアウト注文を簡単に導入できる仕組みを提供する動きもある。カートシステム「e-shopsカートS」を提供する(株)ハンズでは、飲食店向けにテイクアウトのオンライン注文システムの3カ月間無償提供を開始した。
通常のECサイトオープンは、ドメイン取得からページ作成など、サイトオープンまでに準備期間が必要だが、少しでも早く販売を開始できるよう、飲食店オーナーが商品を登録するだけですぐに販売を開始できるようにしたプランを用意、3カ月間の無償提供を行う。
テイクアウト注文をオンライン上で受付、店頭で商品を渡す。事前決済ができるため、受け渡しのオペレーションもスムーズにできることがメリットだと言う。
参入お悩み支援・集客補助の動きも
♢無償で開設〜運用開始サポート
(株)アルスキューブは、ECサイト導入支援サービスを開始した。実店舗での売り上げが減少、または実店舗営業が困難な場合などに、新しくECサイトを立ち上げたいと考えている店舗向けのサービスだ。
すでに、売上が落ち込んでいる飲食店や酒類販売店から、「情報を必要な人に届けられない」や「ECサイト開設の方法が分からない」「初期投資にかかる費用などの支払いが難しい」といった相談を受けているという。同社は、無料でECサイトの導入から運用開始までを完全サポートするとし、実店舗担当者には同社から案内する事項に答えてもらうだけで、導入に時間はかからないという。
◇shopify活用で無償立ち上げ支援も
ECブランドを複数展開する(株)NODOCAは、店舗販売のみのメーカーや小売業者、飲食関連事業者などに、Eコマース・ネット通販の支援を無償で行うサービスを開始した。店舗の売上が減少している業者のEC化を初期費用なしでサポートする。
Eコマースプラットフォーム「shopify」などを使ったサイトの構築から、月間獲得想定数や目標LTVに合わせた企業選定、既成フルフィルメントの適正調査、オペレーション構築をサポートするほか、立ち上げ後のショップ運営代行やCRM 施策設計と実行、マーケティングプランの設計と実行などのEC化パッケージサービスだ。
◇食と暮らしメディアからEC送客!
(株)トラストリッジが運営する食と暮らしのライフスタイルメディア「macaroni」は、BASE(株)のECプラットフォーム「BASE(ベイス)」と協力し、ショップの集客支援を始めた。実店舗の集客状況の悪化やイベントの中止などで困っているショップ運営者に対し、今後の事業継続やショップ運営の支援を目的に、「macaroni」を通じて集客のサポートを行う。
受付期間は30日まで。「BASE」の利用者を対象に、「グルメ&おでかけ」カテゴリーで、おうち時間を楽しむことができる商品などを記事コンテンツ化して紹介、またはmacaroni公式インスタグラム内で商品やショップの紹介をする。
◇ECサイト開発から集客マーケまで一括支援
(株)Crewは、新型コロナウイルスの影響を受ける小売業者向けに、同社の「ECサイト開発パッケージ+SNS集客マーケティング支援」を期間限定無料で提供するキャンぺーンを開始。
EC販売が初めての小売事業者を対象に、簡単・スピーディにEC販売を開始することを目的とし、ECサイト開発からSNSでの集客までを一貫してサポートする。申込期間は20日から5月8日まで。
オンライン催事開催も広がり
◇クックパッドはOLマルシェ
クックパッド(株)は、「コロナ禍」の影響で中止・延期となった食イベントのオンライン開催をサポート。『#おうちで楽しもう』マルシェを、生鮮食品EC「クックパッドマート」アプリで、毎週末に開催する。現在はiOS版のみの対応で、Android版は順次対応予定という。
外出自粛などが中長期に続く見込みが高いことから、一時的な生産者支援ではなく、継続的なつながりの場が必要と、「オンラインマルシェ」の開催を決めた。開催日は金・土・日曜日。「マルシェ特設サイト」を開設し、毎週の開催情報や出店者情報を発信していく考えだ。生産者団体や販売者団体、地域の生産者、飲食店など販売者からの出店を募集している。出店に関する初期費用や固定費用は無料。
同社は併せて、クックパッドマートで購入した商品を自宅まで配送する宅配サービスを、東京都と神奈川県の一部で正式に提供を始めている。
◇「おうちバザー」をWEBで
お店とみんなを元気にする催し『おうちでバザー』のWEB開催を決めたのは、夫婦2人で運営する広告支援団体Creative・Capital 。サイト上で買い物やイベントステージ、ワークショップなど、実際のバザーのように出会い、話す楽しみが体験ができるオンラインイベントだ。
新型コロナウイルスの影響で、営業やイベントを自粛している販売者・小売業者の支援、自宅で過ごす全ての人に楽しい体験をしてもらいたいと発案。開催日の5月4~5日に向けて出店者やイベントステージの出演者の募集をスタート、22日まで受け付けている。
参加手数料は無料。販売するWEBページの作成は運営側が行い、決済までを「おうちでバザー」WEBサイト上で行う。お店や商品のPRも兼ねて、お店のWEBサイトやInstagramなどのSNSアカウントのURLを、「おうちでバザー」のページに記載することも可能。いままで通信販売を行なったことがない人や、ECサイトを持たない人でも出品できる。なお、『おうちでバザー』のWEBサイト公開は4月下旬となる。
「通販通信ECMO」支援企業サポート継続
◇4/24にOL媒体説明会
なお現在、当「通販通信ECMO」では「新型コロナウイルス対策支援」を5月末まで延長して提供中。支援内容としては、EC・通販支援企業向けに資料掲載昨日の「データのアップロード」やキャッチコピーのアドバイスなどのサポートを5月末まで無料提供。そのほかウェブセミナー告知の無料掲載や、メルマガ広告などの半額提供もサポート提供期間を延長し、5月末まで提供を続けます。また、4月24日にオンライン媒体説明会も開催します。
また、本記事は随時更新予定。EC・通販支援企業で無償提供などのEC企業向け支援を実施しているサービスの資料をアップロードいただければ、本記事にて資料DLを促す導線も用意し掲載。支援内容をご連絡いただいた上で、アカウント発行や資料をアップロードください。