首都圏は「STAY HOME週間」の真っただ中。新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めようと、一層の外出自粛が求められている。そんな中、EC・通販業界では、本業を取り巻く現状を見据えたEC化支援や運送・宅配従事者へのサポートをはじめ、展開するサービスの工夫などで関連業者への支援を強めている。地元愛に満ちた医療関係者への寄付もあった。
eBay Japanは東京都トラック協会にハンドジェルを寄付
インターネット総合ショッピングモール「Qoo10」を運営するeBay Japan(合)は、商品を依頼主に届ける運送・宅配従事者の感染の予防対策支援として、東京商工会議所を通じ、(一社)東京都トラック協会にアルコール・ハンドジェル500mL 600本の寄付を決めた。
「コロナ禍」に伴う外出自粛要請や在宅勤務が強化される中、オンラインショッピングへの期待と需要が高まっている。同時に、運送・宅配業務への負担も増しており、従事者の感染を予防する取り組みが急務となっている。支援物資となるアルコール・ハンドジェルは、5月中に届けられる予定という。
北の達人、医療従事者に向け北海道に1000万円寄付
札幌市に本社を置く(株)北の達人コーポレーションは、地域の医療従事者のために役立ててと、北海道に1000万円を寄付した。地域医療を守るため、医療用資機材の整備などに充てる寄付金を募った道の呼びかけに、いち早く呼応した。
北海道は早くから感染者が発生し、いま第2波ともいえる感染拡大の危機を迎えている。そんな中、最前線で奮闘する医師や看護師をはじめとした医療従事者は、医療物資や人員確保などが十分ではないなど厳しい環境下で、ウイルスに立ち向かっている。木下勝寿社長は、「混乱は続き、肉体的、精神的にも負担が大きく、大変な局面。医療従事者の皆様には心から敬意と感謝の意を表します」との言葉を添えた。
クックパッド、「マートステーション」活用の非対面宅配を飲食店に開放
クックパッド(株)は、飲食店や総菜店向けに、自社の生鮮食品EC「クックパッドマート」を活用した「非対面テイクアウト/宅配システム」を開発し、30日から提供を開始する。同時に、出店を希望する飲食店や惣菜店の募集を始めた。
売り上げが大きく落ちている中小の飲食事業者の中には、デリバリーやテイクアウト(店頭販売)、移動販売などへの業態転換の動きも出ている。こうした動きに、自社の生鮮宅配ボックス「マートステーション」を販売の拠点とするアイディアを提供。売上確保の支援策として、経費の一部を負担する。
■「クックパッドマート」出店に関する問い合わせ
GMOシステムコンサル、EC構築パッケージを半額に
GMOインターネットグループのGMOシステムコンサルティング(株)は、ECサイト構築パッケージ『ecOrigins byGMO』の初期ライセンス費用を、通常価格の半額で提供している。コロナ禍で影響を受けた事業者の「EC化支援」の取り組みだ。
催事の中止や来店客の減少といった事態に見舞われ、厳しい経営状況におかれている事業者は少なくないことから、ECサイトの早急な構築やオムニチャネル化など、EC化や既存サイトのリプレイスへの要望が数多く寄せられているという。
6月30日までに新規申し込みをした事業者に、パッケージ導入時の初期ライセンス費用を半額で提供する。「ecOriginsB2C」の300万円を150万円に、「ecOrigins受発注(B2B)」の300万円を150万円に、「ecOrigins受発注Lite(B2B)」の80万円を40万円に。いずれも税抜きで、期間は今後の社会情勢をみながら、延長する場合もあるとしている。
出前館、シェアリングデリバリーの配達代行手数料を引き下げ
また、出前サービスの(株)出前館は、飲食店の売上確保のために出前を開始しやすい環境を提供しようと5月1日から、シェアリングデリバリーの配達代行手数料(商品代金の30%)を期間限定で23%にする支援施策を決めた。
シェアリングデリバリーは、配達機能を持たない店舗でも、出前館に加盟する複数の店舗でシェアすることでり出前を可能にするサービスだ。2017年から開始し、関東と関西エリアを中心に、北海道と宮城、愛知、広島、福岡の各県で展開している。導入することで、店舗は新たに配達員を採用しなくても出前サービスを実施でき、利用客にとっては、これまで以上に多様なジャンルの出前を注文できるようになる。
全国的に外出自粛が求められている中、飲食店も営業短縮を余儀なくされているが、出前の需要は拡大傾向にある。出前館への出店を希望する飲食店も、通常月に比べて3~4月は3~4倍に上っているという。支援施策は10月31日まで。
和心、『伝統工芸復興プロジェクト』を始動
和ファッションサイト「The Ichi」(座市)」を運営する(株)和心はこのほど、新型コロナウィルスへの対策支援として『伝統工芸復興プロジェクト』を始動した。感染拡大の影響で、仕事が止まっている全国各地の焼き物の窯元やメーカーへの支援策として、復興と福袋をかけた『復袋』のEC販売を始めた。
物販店の一時閉店や営業短縮、外国人の激減などの影響は、伝統工芸や地場産業の担い手の仕事を奪い、作品は行き場を失っている。全国のものづくりの灯を消さないためにも、いまだからこそできることと、「全国の焼き物を持続させて」と消費者に呼びかけている。『復袋』には「輪島塗」「京焼・清水焼」「波佐見焼」「美濃焼」「九谷焼」「有田焼」がある。単身者用から家族用まで、さまざなまな『復袋』を用意している。
■「伝統工芸復興プロジェクト」
クラシルストア、掲載費用・販売手数料無料を継続
食品ECサイト「クラシルストア」を運営するdely(株)は、新型コロナウイルスの影響を受けている生産者や飲食店、宿泊業者への支援企画『食べて街のお店を応援しよう!』の実施期間を、6月末まで延長する。3月から、サイトへの掲載費や販売手数料、掲載に必要な撮影費などのコンテンツ製作費をすべて無料としていた。
同じ「食」を扱う立場から、予約や来店客が減っている生産者と飲食店のサポート策で、9日からは予約客のキャンセルなどで頭を悩ます宿泊業者への支援も開始。無償での掲載期間は「掲載開始から1か月」だったが、現状をみる中で「6月末日の出荷分まで」とした。
「クラシルストア」は、ヤフー(株)が運営する「PayPayモール」への出店を決めた。これにより、「クラシルストア」に参加する店舗の商品をPayPayモールでも販売することが可能になり、大幅な販路の拡大が期待できるとしている。
全国各地の飲食店や宿泊業者に、「食べて街のお店を応援しよう!」に参加してもらうことを目的に、Yahoo! JAPANが運営する地域情報サービス「Yahoo!ロコ」、(株)一休が運営する高級ホテル・旅館の予約サイト「一休.com」とも連携し、支援を進めていく考えだ。
■「クラシルストア」飲食業・宿泊業・食品業界応援企画 応募フォーム
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