(株)ZOZOがこのほど発表した2020年3月期(19年4月~20年3月)連結決算は、売上高が前期比6.0%増の1255億1700万円、営業利益が同8.7%増の278億8800万円、純利益は同17.6%増の188億400万円となった。
3Q以降は高単価の季節商品販売が苦戦
同社は発表直前に今期の業績予想を下方修正。消費税率アップや天候不順の影響などで、第3、第4四半期の売上高が計画未達としていた。
通期の商品取扱高は、前期比6.6%増の3450億8500万円。第2四半期までは期初計画並みの成長率で推移していたが、第3四半期以降は、高単価の季節性商品の販売が低調に推移。また、第4四半期で有料会員サービス「ZOZOARIGATO」の値引施策なども影響し、商品取扱高成長率は、期初計画比で低い水準に留まった。
売上高については、販売費および一般管理費は858億3200万円(前期比8.2%増)。商品取扱高に対する割合は24.9%と、同0.4ポイント低下し、営業利益率は対商品取扱高比 8.1%と、前期比で0.2ポイント上昇した。
「受託ショップ」は安定的な成長維持
受託ショップと買取ショップ、ZOZOUSEDの3つの事業形態で構成する「ZOZOTOWN事業」は、商品取扱高が3248億4600万円(前期比4.1%増)、売上高は1025億1700万円(同3.4%)となった。構成比で89.4%を占める、各ブランドの商品を受託在庫として預かって受託販売を行う受託ショップは、取扱高が3088億8800万円(同4.7%増)、売上高は873億1200万円(同5.6%増)となった。
受託ショップは1332ショップを運営。新規出店数は184ショップで、純増92ショップとなった。主な新規出店ショップは、BEAMSが展開するオンライン限定ブランド「BeAMS DOT」、老舗国産シューズブランド「ASAHI SHOES」など。
「PayPayモール」の売上高は17億円に
19年12月から、ヤフー㈱が運営するオンラインショッピングモール「PayPayモール」へZOZOTOWNを出店。商品取扱高は61億9900万円で、商品取扱高に占める割合は1.8%。売上高は17億7400万円となった。
ユーザー個人の体型に合わせた自社企画アパレル商品を販売する「PB事業」は、商品取扱高が12億5500万円(前期比54.6%減)で、商品取扱高に占める割合は0.4%(前期実績0.9%)。売上高は12億4500万円(前期比54.6%減)となった。
「BtoB事業」の商品取扱高は33.5%増の120億3200万円
ブランドの自社ECサイトの構築および運営を受託している「BtoB事業」の商品取扱高は 120億3200万円(同33.5%増)で、商品取扱高に占める割合は3.5%(前年同期実績2.8%)。売上高(受託販売手数料)は23億6500万円(前年同期比15.0%増)となった。受託サイト数は 50サイト(19年12月末は47サイト)となっている。
同事業では第3四半期以降、ZOZOTOWNの出店ブランドを対象にZOZOTOWNと自社ECの在庫一元化を図ることで機会損失の最小化をめざす、フルフィルメント支援に特化したサービス「Fulfillment by ZOZO」を開始した。
21年3月期(20年4月~21年3月)連結業績予想については、新型コロナウイルス感染症の拡大とその収束の見通しが不透明で、信頼性の高い業績予想の算定は困難なことから、未定とした。
この続きは、通販通信ECMO会員の方のみお読みいただけます。(登録無料)
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。