ECでの詐欺やなりすましなどの不正対策を提供するかっこ(株)は、通販事業者に手軽に不正対策に取り組んでもらうため、自社の不正検知サービス「O-PLUX」を利用するユーザーに、RPA連携をオプションとして提供している。内容と効果を知ってもらおうと、連携第1号企業の「クレジットカード不正が導入2、3カ月でゼロになった」という事例を29日、公開した。
不正検知の「O-PLUX」とRPA連携で、不正防止+業務効率化
「O-PLUX」は、クレジットや後払い、代引きの各決済における詐欺やいたずら注文、転売目的での大量注文など幅広い不正を見抜き、EC事業者の利益率向上し、社内審査工数軽減などに貢献。EC事業者や大手モールなど1万以上のサイトに導入実績を持つ。
また、「RPA」(Robotic Process Automation)は、バックオフィス業務などをはじめとするホワイトカラー業務を、ソフトウェアに組み込まれたロボットが代行する取り組み、およびその概念を指す。19年1月時点で国内企業の導入率は32%(MM総研調べ)だという。
RPA連携について同社は、従来のシステム開発をしない連携方法では、審査対象の抽出や実行、審査結果の確認をするためには人が介入し行っていたが、その運用作業をRPA連携にすることで、すべて自動化が可能になる取り組みとしている。
作業工程を80%削減、クレカ不正もゼロに
RPA連携を初めて導入した(株)ユーピーエスが運営するECサイトでは、クレジットカード不正対策として利用。統括マネージャーは「これまでは、自社で怪しい注文を独自の判断基準でフィルターをかけ3人体制でチェックをしていた。O-PLUXのRPA連携にしたところ、作業にかかっていた時間が以前と比べ約80%削減でき、クレジットカード不正においても、導入2、3か月後からほぼなくなった」と、端的に効果の大きさを挙げた。
同社は福岡市に本社を構え、男性の育毛に関する商材を提供。自社ECサイトでの決済は、クレジットカードとAmazon Pay、後払い、代引きの4種類で、利用比率としてはクレジットカードとAmazon Payが多いという。
定期購入商品が不正のターゲットに
同社が受けていた主な不正は「チャージバック」。商品単価が比較的高いうえ、狙われるのはセット価格で割引率の高い定期購入商品だ。発生頻度としては、17~18年は定期的に波が来るように発生し、19年ごろは毎月数件、被害額は10万円前後という状況が続いていた。
O-PLUXの導入はそのころ。物流会社からの紹介だった。導入前にトライアルができたのも良かった。その期間にチャージバックが発生しなかったこともあり、正直「めちゃくちゃすごい」という感覚はなかったが、目視審査工数を減らしたいという期待にズバリと応えてくれたので、「人の目に代わる新しいツールとして活用できる」とすぐに導入を決めた。
RPAで業務量の80%を削減
導入実感を得たのは2~3か月後。クレジット決済代行会社(PSP)から、チャージバックの連絡が来なくなった。チャージバックは判明するまで数か月~半年ほどタイムラグがあるので、導入後に連絡があったものはO-PLUX導入以前の注文分だった。注文情報のチェックにかかわる業務量が80%ほど削減され、担当者の負荷が大幅に減った。
CSV連携で運用開始後にRPAを組み込んだが、削減できた業務量80%のうち半分くらいはRPAが貢献している。審査を行うにあたり、注文情報をCSV形式で吐き出し、ハッシュ化してからO-PLUXに投げる、という流れがあるが、これがRPAによりまるっとなくなった。小さな作業かもしれないが、ちょっとしたミスや確認など積み上げればそれなりの時間になる。
(かっこの同社へのインタビューは6月19日)
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