佐川急便(株)は30日、自社を含む宅配事業者の社名をかたる不審な電話が多発していると明らかにした。理由をつけて個人情報を聞き出す手口だが、同社は「第三者の住所や電話番号などの個人情報をお聞きすることはありません」とし、事例を挙げて類似した不審な電話への注意を呼びかけている。
佐川急便が不審な電話に注意喚起
同社では、住所などが不明瞭だった場合や、代金引換の荷物を届ける際などに、事前に電話することはあるが、その他の用途で個人情報にからむ問い合わせはないとした上、不審な電話があったら担当営業所または「ご意見・お問い合わせ」へ一報を、としている。
♢さまざまな理由で住所・名前・携帯電話の番号を聞き取り
≪事例1≫ 佐川急便と名乗る男から、「伝票が雨に濡れて読めないので確認させてほしい」との電話。「住所と名前を教えてほしい」「息子さんへの贈り物ではないか?息子さんの名前は」と聞かれた。不審に思い、出荷人に問い合わせしてほしいと伝えると、「濡れていて
わからない」と返答し、電話を切って以降、連絡はなかった。
≪事例2≫ 佐川急便のドライバーを名乗る男から「カード会社から本人確認の荷物がある。本人しか受取れないので、本人の在宅時間と携帯番号を教えて欲しい」と言われ、家族が教えた。その後、荷物は来ず、連絡も無かったので、本人に確認したがカード会社から届く予定の荷物は無かった。佐川急便に確認をすると該当荷物はないと言われた。
≪事例3≫ 佐川急便コールセンターの前田と名乗る人物から、「本日、娘さん宛に本人確認が必要な宅配便で発送する荷物があるので、詳しい住所を教えてほしい」との電話があった。電話を受けた家族が旧姓で荷物が送られるはずはないと不審に思い、佐川急便に確認の電話をした。
≪事例4≫ 佐川急便のAと名乗る者からB社に「御社の近くで荷崩れをした時に、若い男性の方に手伝っていただいたのでお礼がしたい。社員の名前を教えて欲しい」と電話があった。
不審に思ったB社が弊社営業所に確認したが、Aという社員は存在しなかった。
≪事例5≫ Aさん宅に「佐川急便です。大阪から荷物が来ているのですが、住所と名前の確認をさせてください」と電話があり、心当りが無いながらも住所・名前を伝えると、「携帯番号も教えてほしい」と言われたので、不審に思い一旦電話を切って営業所に連絡したが、誰もそのような電話をしていなかった。
≪事例6≫ 佐川急便のAと名乗る者より「荷物が届いています。B様いらっしゃいますか」と電話があり、「Bは不在ですが、家には誰かいますので配達お願いします」といったところ、「本人でないと渡せないので携帯番号を教えてください」と言われ、番号を教えたが荷物は届かず、その後Bさんの携帯に非通知で着信があった。
≪事例7≫ 幼稚園児の自宅あてに「代引き着払いのゲーム100個を預かっていますが購入していますか」と電話。頼んでいないことを告げると「悪徳商法だと思われるので、こちらで処理しておきます。念のため住所を確認させてください」と、個人情報を聞き出そうとする。
≪事例8≫ 幼稚園あてに「着払いの荷物で住所不明を大量に預かっている。そちらの幼稚園に通う子供宛なので自宅の住所と電話番号を教えて欲しい」と、園児の住所を聞きだそうとする。不審に思って「折り返します」と言うと、一方的に電話を切った。
≪事例9≫ 小学校に佐川急便を名乗る男から「悪徳業者から○年全員分のCDが届いている。1枚8800円で4日以内に代金を支払わないと3万円になってしまう。一軒一軒電話をしたが通じない。クラスの他の子どもたちの名前と電話番号を教えて欲しい」と電話があった。
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