オイシックス・ラ・大地(株)がこのほど発表した2021年3月期第1四半期(20年4~6月)連結決算は、売上高が前年同期比42.2%増の231億3200万円、営業利益が同282.3%増の20億7600万円、純利益が同337.9%増の11億8400万円となった。
主要3ブランドで会員数2万5000人増
新型コロナウイルスの感染拡大により、オンライン経由の購買行動の裾野が拡大。国内宅配3事業の需要増で当初予想を上回り、売上・利益ともに増収増益を達成した。主要3ブランドで2万5000人増加した会員数の大幅な伸長で12億円、3ブランドとも前年同期比25~30%の増加となったARPUで37億円の利益増につながった。
食を支えるインフラ企業として、安定的なサービス提供を最優先の経営課題として捉え、十分な出荷キャパシティや商品サプライの確保に取り組んできた。家庭での食の在り方が大きく変化する中、「健康・免疫意識の高まり」「家庭での食事頻度の増加」など、新しいニーズに対して価値提案ができるよう、サービスの提供を迅速、柔軟に行ってきた。
Oisix単体は売上高35%増に
ネットを通じて主に食品・食材の直販を行う「Oisix」は、売上高が前年同期比 35.6%増の112億6500万円、セグメント利益は同153.5%増の23億6700万円。需要増で出荷キャパシティが逼迫し、新規顧客獲得を一時的に休止したが、4月末から段階的に再開した結果、会員数は3月末の23万9837人から、6月末には25万2303人に増加した。
外出自粛により、冷凍食品やストック品などの売上が好調に推移したことや、家庭内での食事頻度の増加に対し、ランチ特集や外食支援販売(おうちレストラン)など、ニーズに沿った販売施策を実施。既存会員を中心に購買頻度・単価が大きく上昇し、売上増に寄与した。
大地は売上高40%増
カタログやネットを通じて主に食品・食材の直販を行う「大地を守る会」は、売上高が前年同期比40.6%増の36億3600万円、セグメント利益は同72.4%増の6億3700万円。「ちゃんとした食生活」のコンセプトのもと、今期から会員再拡大のフェーズへと移行している。
Oisixが新規顧客獲得を休止している間、優先的にサービス案内を行ったこともあり、新規会員獲得が順調に進捗。3月末の3万7127人から、6月末には4万3941人となった。また、シニア層の健康意識の高まりに対し、健康・免疫コンテンツの露出強化などを行った結果、既存会員を中心に、購買頻度・単価ともに上昇し、売上・セグメント利益ともに増加した。
らでぃっしゅぼーや売上高25.2%増
カタログやネットを通じて主に食品・食材の直販を行う「らでぃっしゅぼーや」は、売上高が前年同期比 25.2%増の47億2100万円、セグメント利益は同30.6%増)の8億9900万円。こちらも、Oisixが新規顧客獲得を休止している間、優先的にサービス案内を行って新規会員獲得が順調。3月末の5万6935人から、6月末には6万2515人と大きく増加した。
家庭での料理頻度が増えたことに対し、子どもと一緒に作る手料理Kitの販売など、料理が楽しくなる商品・サービスの展開を強化。その結果、既存会員を中心に購買頻度・単価ともに大きく上昇し、売上・セグメ ント利益ともに大きく増加した。
需要増でサーバーや出荷に負荷も解消へ
コロナ禍で需要増に追われた第1四半期だったが、アクセスの急増でOisixxのECサイトのデータサーバーに処理速度の低下が見られ、6月に大規模メンテナンスを実施し、安定化を図った。今後も事業拡大に合わせて環境対策を継続する。また、懸案事項だったOisixの出荷キャパシティ増強は、10月からの狭山ステーションの稼働で解消する見込みとした。
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